イーサリアムへの投資を検討する方へ
イーサリアム(ETH)はビットコイン(BTC)に次ぐ市場規模を誇る、暗号資産(仮想通貨)です。2024年7月には米国でイーサリアムETF(上場投資信託)が発売され、機関投資家や企業からの関心も非常に高まっています。
この記事では、イーサリアムの主な特徴や投資前の検討ポイント、リスクを分かりやすくご説明します。また、目的別のおすすめ仮想通貨取引所、実際の取引画面を用いたイーサリアムの買い方についてご案内します。
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おすすめイーサリアム取引所の比較表
取引所名 | ポイント | 取引方法 | 最低 取引単位 |
レバレッジ取引 | 積立 | ステーキング | レンディング | 備考 |
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1円から取引可能 入出金・出庫手数料無料 |
販売所(現物・レバレッジ) 取引所 |
販売所:0.00001 ETH 取引所:0.00001 ETH レバレッジ取引:0.00001 ETH |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
取引所の銘柄種類とスプレッドの狭さ 使い勝手でも圧倒的な支持 |
販売所 取引所 |
販売所:0.00000001 ETH 取引所:0.0001 ETH |
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初心者でも直感的なUI/UX ETH取引所の手数料無料 |
販売所 取引所 |
販売所:500円相当額 取引所:0.01 ETH 以上 かつ 500円(相当額)以上 |
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仮想通貨イーサリアムの概要
イーサリアムは2014年にヴィタリック・ブテリン氏が考案し、翌年に公開されたブロックチェーンプラットフォームです。スマートコントラクトと分散型アプリケーション(dApps)の基盤として、DeFi、NFT、DAOなど、様々な革新的なサービスを生み出してきました。
- ETH価格:518,000円(25年1月)
- 時価総額:62.5兆円
- 市場ランキング:2位
- 循環供給:1億2049万ETH
仮想通貨イーサリアム(ETH)の主要データ
イーサリアムネットワークの取引やスマートコントラクトの実行には、仮想通貨ETHが必要不可欠です。ETHはガス代(取引手数料)の支払いに使用され、またネットワークの維持・運営を担うバリデーターへの報酬としても機能します。2022年9月以降、取引手数料の一部が市場から恒久的に削除される仕組みにより、インフレは年率+0.8%程度にとどまっています(25年1月時点)。
イーサリアムの特徴
イーサリアムの特徴は、その開発エコシステムの充実度にあります。2024年12月時点で2,181人のフルタイム開発者が活動しており、これは全ブロックチェーン開発者の約4分の1に相当します。
スマートコントラクト基盤としての市場シェアも高く、2025年1月時点でDeFi市場における総ロックアップ額の2分の1(約660億ドル)を占めています。Polygon、Arbitrumなどのセカンドレイヤー(L2)を含めると、そのシェアは更に拡大します。
セキュリティ面では、50兆円を超える時価総額に裏打ちされた堅牢性を持ち、大手金融機関もイーサリアム上でデジタル債券やトークン化ファンドを発行しています。代表例には、フランスの大手銀行ソシエテ・ジェネラルのデジタルグリーンボンド、米大手資産運用会社ブラックロックの「BUIDL」などがあります。
イーサリアムのステーキング
イーサリアムはプルーフオブステーク(PoS)方式を採用しています。ステーキングとは、保有するETHをネットワークの維持に活用することで報酬を得られる仕組みです。
現在のETHステーキング報酬は年率約3%程度となっています。一般投資家は仮想通貨取引所を通じて少額からステーキングに参加可能。これは現在の銀行預金金利(0.3%以下)と比較して魅力的な投資機会となっています。
イーサリアムETFの展望
2024年7月、米国証券取引委員会(SEC)はイーサリアム現物ETFの取引を承認し、新たな投資機会が生まれました。ETFは証券取引所で株式同様に売買できる投資信託で、専門機関による資産管理や税務処理の簡便性など、従来の仮想通貨取引にない利点を提供します。
25年1月時点、イーサリアム現物ETF市場は、運用資産残高120億ドル(約1.8兆円)、BlackRock、Fidelityなど大手資産運用会社がけん引しています。2024年11月には政治的不確実性の低下を背景に資金流入が加速し、ローンチ以来初めて純流入額が累計1.8億ドルのプラスに転じるなど、機関投資家からの注目度が高まっています。
- ETF承認で機関投資家から注目度UP
イーサリアムETFの上場により認知度・需要拡大が進む - PoS移行によるステーキングが魅力
取引所を通じて年率約3%程度の報酬を狙える - トップ級の時価総額&TVL(DeFi流通総額)
DeFiやNFTの主要プラットフォームとしての地位を確立
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ETHの買い方【初心者向け手順】
イーサリアムの購入には、金融庁・財務局に登録された仮想通貨交換業者(現在29社)の利用が必須です。取引所選びでは、取引手数料やスプレッド(売買価格差)、入出金手数料などのコスト面に加え、取引ツールの使いやすさや会社の信頼性を総合的に評価することが重要です。
取引方法の理解
仮想通貨の取引には「販売所」と「取引所」の2つの方式があります。販売所では業者から直接購入するため手続きは簡単ですが、スプレッドが比較的大きくなります。一方、取引所では他のユーザーと直接取引を行うため、より有利な価格で取引できる可能性がありますが、操作がやや複雑になります。
初心者の場合、まずは販売所での取引から始めることをお勧めします。慣れてきたら、取引所での指値注文や成行注文を活用することで、取引コストを抑えることができます。
購入の具体的手順
1.口座開設:
メールアドレスでの仮登録後、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)の提出が必要です。審査には通常1〜3営業日程度かかります。
2.資金の入金:
口座開設完了後、銀行振込やインターネットバンキングを通じて日本円を入金します。多くの取引所で、入金は手数料無料となっています。
3.イーサリアムの購入:販売所
まずは販売所での購入をご紹介します。販売所では、取引所が提示する価格でイーサリアムを直接購入できます。
「今すぐ注文」ボタンをタップし、画面に表示される現在の価格で購入が可能です。表示価格にはスプレッド(売買価格差)が含まれているため、事前に価格差を確認しておくことが重要です。購入画面では、日本円での購入金額もしくは購入したいイーサリアムの数量を入力し、注文内容を確認後、購入ボタンを押せば取引が完了します。
4.イーサリアムの購入:取引所
取引に慣れてきたら、取引所での売買に移行すると良いでしょう。取引所では他のユーザーと直接取引を行うため、より有利な価格での取引が可能です。ここでは主に二種類の注文方法があります。「成行注文」はその時点の最良の価格で即座に取引を成立させる方法で、「指値注文」は希望する価格を指定して注文を出す方法です。例えば、現在の価格が40万円の場合に39万円で指値注文を入れておけば、価格が39万円まで下がった時点で注文が約定します。
取引所での取引では、注文板(他の投資家の売り買い注文が表示される画面)を確認しながら取引できるため、より戦略的な売買が可能になります。また、定期的に少額ずつ購入する「ドルコスト平均法」という投資手法も、価格変動の大きい仮想通貨では効果的な戦略の一つとして知られています。購入後は必ず取引履歴で取引の詳細を確認しましょう。
初心者向けの“つまずきポイント”や“失敗しない始め方”
- KYC(本人確認)書類の準備: 取引所の口座開設には、運転免許証やマイナンバーカード等の本人確認書類が必要です。書類アップロードのみで完結することが多いですが、審査には通常1〜3営業日かかるため、早めに手続きしておきましょう。
- 初回入金の方法を確認: 銀行振込・コンビニ入金・ネットバンキングなど取引所ごとに手段が異なります。振込の反映が即時かどうかもチェックし、タイミングを逃さないようにしましょう。
- クレジットカードは使えない場合が多い: 国内取引所では、クレジットカードで直接仮想通貨を買えないケースが一般的です。あらかじめ銀行振込やインターネットバンキングの準備をしておくとスムーズです。
- 少額投資から始める: 仮想通貨はボラティリティ(価格変動)が高いので、大きく値上がり・値下がりする可能性があります。まずは無理のない範囲で、小額投資から慣れていきましょう。
イーサリアム投資のリスク
イーサリアムへの投資には、技術的な課題とマーケット環境の両面からリスクが存在します。まず技術面では、ネットワークの処理能力に関する制約があります。利用者の増加に伴い、ネットワークが混雑すると取引処理が遅延し、ガス代(取引手数料)が高騰する事態が発生します。
特にガス代は、ベースフィーとプライオリティフィー(チップ)で構成され、混雑時には後者が著しく上昇することがあります。
競争環境の観点では、ソラナ(SOL)やアバランチ(AVAX)など、高い処理速度と低コストを実現する次世代ブロックチェーンの台頭が挙げられます。これらのプラットフォームは、イーサリアムの市場シェアを脅かす潜在的な競合となっています。
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イーサリアムの保管方法
取引所のセキュリティ対策は年々強化されていますが、ハッキングなどのリスクも存在します。大きな額を保管する場合は、別途デジタルウォレットでの自己管理を検討するのがよいでしょう。
仮想通貨のウォレットサービスを提供している企業があるので、自身でサービスを選び、登録手続きをすることで仮想通貨を自身で保管・管理できます。イーサリアムには「MetaMask(メタマスク)」という人気のウォレットがあります。
ウォレットとは、仮想通貨を保管するための電子上の財布のこと。イーサリアムに対応するウォレットを選べば、自身で資産管理を行うことができ、交換業者のハッキングリスクや倒産リスクを回避することができます。
ウォレットにはハードウェアウォレットといってオフラインで仮想通貨を保有できるタイプのものなどがありますが、どのウォレットも自身で保有しておくには「秘密鍵」という長い文字列などを管理する手間がかかります。
秘密鍵などの必要な情報を紛失してしまうと資産を失ってしまうことになりますが、自身で資産を管理できるということも仮想通貨の大きなメリットの1つなので、ウォレットの種類を簡単にご紹介しておきます。
- モバイルウォレット:スマホのアプリで保管
- ウェブウォレット:サービス企業のウェブサイトで保管
- デスクトップウォレット:パソコンで保管
- ハードウェアウォレット:オフラインの専用機器で保管
- ペーパーウォレット:紙で保管
イーサリアムに関する税金について
仮想通貨取引で生じた利益は原則「雑所得」として取り扱われます。日本円との売買で得た利益だけではなく、仮想通貨同士を交換したときに生じた利益やステーキングなどで得た報酬も課税対象となります。
また、NFTの購入時、イーサリアムを取得したときの価格よりも値上がりした状態であれば、決済時の差額が利益とみなされます。NFTを所持するだけであれば基本的に税金はかかりませんが、売却して利益を得た際は通常の仮想通貨取引と同様に所得とみなされますので、注意してください。
雑所得に分類される仮想通貨取引での所得は、給与所得などの他の所得と合算した金額に対して税率がかけられます。税率は、所得が多いほど高くなる「累進課税」が適用され、下表の通り5%~45%の7段階に分かれています。住民税も合わせると最大で約55%の税率が課されます。
イーサリアムは国内外問わず多くの取引所やDEX、マーケットプレイスで用いられることが多いため、取引回数もそれだけ多くなりがちです。仮想通貨同士の交換・決済時の差額も損益計算に含める必要があるため、どこを利用したのかを把握しておかなければ、誤った金額で確定申告してしまう可能性も高くなります。
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まとめ
イーサリアムは、スマートコントラクトを基盤としたブロックチェーンとして、金融取引からNFT、DAOまで幅広い用途で活用されています。2024年のDencunアップグレードやETF市場への参入など、技術と制度の両面で着実な進展を見せる一方、ネットワークの混雑による手数料高騰や競合チェーンの台頭といったリスクも存在します。
取引所口座の開設は無料で、少額から取引を始められます。価格動向や技術発展を実際に観察しながら、市場への理解を深めることができます。
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記事の監修者
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