ビットコインの資産価値
米大手銀行JPモルガン・チェースのクロスアセット・ストラテジストが、ビットコイン(BTC)のパフォーマンスは、景気によって価格が変動する資産との相関性が高まっているとの見解を示した。ブルームバーグが報じた。
ポートフォリオの多様化にBTCを利用するメリットがあるかを分析したストラテジストは、最近の5年間のパフォーマンスを見ると、ヘッジ手段として利用されるゴールド(金)、債券、日本円などの資産と相関性が低く、特に最近のBTCの価格推移は、景気敏感株のような資産に類似した値動きをしていると主張した。
今回の見解を示したJPモルガン・チェースのストラテジストはJohn Normand氏とFederico Manicardi氏。暗号資産(仮想通貨)の分析を行うことでよく知られる同社のNikolaos Panigirtzoglou氏も、BTCとゴールドの類似性をもとに価格を予想することはあるが、過去のデータから「BTC価格は下落時などで株価と連動する傾向があるため、BTCは株式投資のヘッジには利用できない」と指摘している。
今回の分析を行なった2名のストラテジストは、パフォーマンスを調べた結果から、価格の調整局面など市場にストレスがかかっている状態では、BTCは信頼できるヘッジ手段として機能しないと述べている。
金融政策の経済への影響を懸念する投資家がBTCに魅力を感じることは理解できるとしながらも、今後はゴールドのようなヘッジ資産としては活用できなくなる可能性もあるとの見方を示した。BTCがメインストリームで普及すればするほど、景気によって価格が変動するようになると述べている。
BTCの価格予想
Panigirtzoglou氏らのストラテジストチームは今週、BTCの価格は近いうちに4万ドル(約414万円)を超えられるかどうかが、重要な鍵になるとの見解を示した。
4万ドルを超えられないとトレンドフォロー(順張り)の投資家の資金が流入せずに、3月の終わりにかけてBTC価格は下落すると予想している。ポイントになるのは米大手仮想通貨投資企業グレースケールが提供するBTC投資信託(GBTC)への資金流入と、BTC先物に対する需要だとの説明した。
BTC価格が4万ドルを超えるための1つの目安として、「1日に1億ドル(約103億円)のペースでGBTCへの資金流入が数日、または数週間継続する必要がある」と試算している。
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