Granx、Twincard社と共に生体認証を使用したDIDサービスを展開
コロナ禍における私たちの日常生活に起こる変化の中で、最も急激な成長と変化を遂げているのが、非対面型の本人確認および決済市場です。このような非対面取引市場の拡大に伴い、様々なセキュリティ上の問題も発生しています。
しかし、これらのセキュリティ問題は、多くのIT企業が導入しているソリューションによって解決されつつあります。コロナ禍で、個人情報や情報セキュリティを利用者個人の責任で管理し、中央集権的なセキュリティおよび管理システムから脱却した自己主権型のIDサービスは、技術サービスの注目すべき変化の一つであります。
VISAやMasterなどのクレジットカードブランドは、2021年後半から指紋センサー付きの生体認証クレジットカードを発行する計画を発表しました。非中央集権という価値観のもと、多くのブロックチェーンサービスが自己主権型IDベースのサービスを市場に提供しています。
生体認証技術は、ユーザーの指紋、虹彩、顔の認識を利用して本人確認や決済を行うもので、他の本人確認や決済方法に比べて利便性や安全性が高いというメリットがあります。
このような利点がある一方で、生体認証技術は悪意のあるハッキングに対して脆弱であることも事実です。シリコンを使った指紋の複製、3Dスキャナーによる顔情報のコピー、高解像度の写真による虹彩情報の複製などにより、本人確認を不可能にしようとする試みが成功したこともあります。
コロナ禍で急成長している非対面型の本人確認および決済市場において、本人確認の不自由さが解消されなければ、次世代の本人確認・決済サービスとも言われる生体認証サービスは、どうしても限界があります。
ですが、幸いなことに、これらの限界を解決できる技術やサービスが続々と登場しています。
その一例として、最近ではTwinning Inc.が導入した、韓国のGranX社が商用サービスとして提供している、ブロックチェーンと生体認証デジタルカードを使った非接触識別・決済サービスがあります。
Twinning Inc.は、一般的に普及しているICチップ搭載のプラスチックカードではなく、デジタル化されたカード(Twincard)を利用した本人確認・決済サービスを提供しています。また、ユーザーが指紋を登録すると、そのユーザーの指紋が入った秘密鍵が生成され、ICチップに保存されるという独自のセキュリティ構造を採用しています。
また、QRコードを含む各種情報を提供するディスプレイを内蔵し、NFCやbluetoothでの通信が可能なほか、ICチップ、NFC、QRコードを利用した本人確認サービスも提供しています。
生体認証技術を応用したブロックチェーン識別プラットフォーム「GranX」は、Twincardで生成・保存されたユーザーの生体情報を暗号化してブロックチェーンに保存し、ユーザーの本人認証が必要な場合には、Twincardに保存された生体情報とブロックチェーンに保存され暗号化された生体情報を比較する、分散型識別(DID)サービスを提供しています。
TwinningとGranXは、それぞれの技術やサービスを融合させることで、市場における利便性と安心感を最大限に高めています。
急速に成長している非対面型生体識別および決済サービス市場において、従来のICカードを生体認証技術とデジタル技術で革新したTwincard社と、自己主権型本人確認が可能な生体認証技術をベースにしたブロックチェーン識別プラットフォームのGranX社は、革新的な識別・決済サービスや情報セキュリティを無効化しようとする試みを防ぐことが期待されています。
サービスのご利用・お問い合わせに関しては、直接サービス提供会社へご連絡ください。CoinPostは本稿で言及されたあらゆる内容について、またそれを参考・利用したことにより生じたいかなる損害や損失において、直接的・間接的な責任を負わないものとします。ユーザーの皆さまが本稿に関連した行動をとる際には、必ず事前にご自身で調査を行い、ご自身の責任において行動されるようお願いいたします。