CoinPostで今最も読まれています

FTXから資金を取り戻す方法 AI弁護士ロボDoNotPayの創設者が解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

FTXから資金を取り戻す方法

暗号資産(仮想通貨)取引所FTXに資金を預けていた顧客は、同社の経営破綻により突如債権者となった。彼らにとって手元資金を回収できるかどうかは、投資活動の再起を早めるためにも切実な問題となっている。

AI(人工知能)活用の弁護士相談サービス「DoNotPay」のJoshua Browder最高経営責任者(CEO)が15日に取り急ぎ債権者がFTXから資金を取り戻す5つの方法を紹介した。

FTXは11月11日、米連邦破産法11条(チャプター11)にもとづいた破産申請を米国のデラウェア州の連邦破産裁判所に提出した。チャプター11は、日本の民事再生法に似た再建型の倒産法制度。

債権者訴訟を防ぎ、経営を継続しながら負債の削減などを実施し、企業再建を行うことを目的とする。対象はFTXInternationalや姉妹会社アラメダリサーチ、米国子会社FTX.USを含む約130社とされる。

Browder氏が考える一つ目の手立ては、FTX.USへの入金に関して、米国の銀行振込システム「ACH(Automated Clearing House:自動資金決済センター)」に問い合わせること。ACHネットワークの監督機関「NACHA」は60日間の返金規則を設けており、ウェブサイトで以下のように述べている。

取引を反映した明細書が送信されてから60日以内に消費者がエラーを報告した場合、金融機関がエラーの申し立てを調査して特定の方法で処理するよう要求できる。

二つ目の手段は、過去にFTXを推奨したユーチューバーやインフルエンサーに対して訴訟を起こすというもの。Browderによれば、FTXはこれらの宣伝費用に毎月約7億円(50,000ドル)を支払ってきた。DoNotPayではFTXユーチューバーを相手取った集団訴訟を計画しており、紹介URLを使って登録した人々の参加を求めている。

15日には、米フロリダ州でFTXが未登録で米国法上の証券に当たる利回り保証口座(イールドベアリング口座)を販売したとする集団訴訟が立ち上がり、FTXのマーケティング活動で広告塔となった大リーグの大谷翔平選手やプロテニスの大坂なおみ選手を含む11人の著名人も被告に指名された。

関連:FTXに集団訴訟 大谷翔平や大坂なおみら広告塔も対象に

FTXギフトカード

Browder氏が推奨する3つ目の資金回収案は、FTXギフトカード購入の取り消し。FTXとの提携関係を解消した米ゲームソフト小売大手GameStopは現在全額返金に応じている。

またクレジットカードで支払った後にまだFTXギフトカードを受け取っていない場合は公正信用請求法の下で「商品未受領」として取引を取り消せる場合がある。このことは、「FTXアカウントにカードで資金をデポジットした場合にも当てはまる」とBrowder氏は加えた。

FTX関連グループから少しでも資金を取り戻す別の方法は、LedgerX LLCなど破産申請に含まれていないFTX関連の事業社に訴訟を起こすこと。Browder氏の見解では、少額訴訟の裁判官はこれらの企業がFTXの詐欺を「知っているべきだった」と判断し、原告側に有利な判決を下す可能性があるという。

なお、FTXのチャプター11申請から除外された4社のうち、バハマに本拠を置くFTX Digital Marketsは既にニューヨーク州で米連邦破産法第15章(国際倒産)の適用を申請済み。破産法第15章(チャプター15)は、外国企業が米国以外の国で再建を進める期間において、米国の債権者による訴訟から保護され、資産を保護するためのもの。

関連:バハマ当局がFTXの顧客資産を確保、地域の管轄権巡る紛争に

FTXから資金を回収するための最後のプランは、4つ目の方法と少し似ており、カリフォルニア州などにあるFTX幹部の資産を探し出し、訴えること。FTXスタッフのほとんどは破産申請を行っておらず、チャプターイレブンの保護下にもないからだ。

カリフォルニア州の会社法によると、LLC(合同会社)のメンバーやマネージャーは会社の株主と同様の状況下で、同じ程度までLLCの債務、負債および義務に対して個人的に責任を負うことがある、と規定されている。

「その人物が詐欺を働いたことを証明できれば、個人的に責任を負う可能性がある」とBrowder氏は述べている。

企業データサイトCrunchbaseによると、DoNotPayは2021年8月にSBFから出資を受けており、同氏は「FTXとアラメダリサーチを小口投資家として招いてしまったことを深く恥じている」と締めくくった。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/27 土曜日
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
Runesデビュー1週間、ビットコインネットワークで200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。
09:40
フランクリン・テンプルトンの600億円規模「BENJI」トークン、P2P送信可能に
米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンは、米国政府マネーのトークン化ファンドFOBXXで資産のピアツーピア送信を可能にしたと発表した。
08:30
強気相場継続の兆しか? パンテラが新たな仮想通貨ファンドで1500億円以上調達計画
2024年の仮想通貨相場感が2023年から好転しておりVCの調達案件も着実に増えている状況だ。昨日、野村グループのLaser Digitalが主導するラウンドで、zkSync Era基盤のWeb3ゲーム開発会社Tevaeraは500万ドルを調達した。
07:35
ETHの証券性巡りConsensysがSECを提訴
仮想通貨イーサリアムは証券ではないとの判断などを裁判所に要請するため、 Consensysが米SECを提訴。同社は事前にウェルズ通知を受け取っていた。
07:15
米SEC、イーサリアム現物ETF申請を非承認する可能性高まる
イーサリアム現物ETFの米国での承認は不透明。SECとの一方的な会合や訴訟の影響で、2024年後半までの承認延期が予想されETH今後の価格に下落圧力がかかっている状況だ。
06:50
米Stripe、ソラナやイーサリアムでUSDC決済を導入予定
Stripeは2014年に初めて仮想通貨ビットコインの決済を導入した経緯がある。しかしその4年後の2018年にビットコインのバブル崩壊を受け同社はその取り組みを中止した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア