はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

FTXに集団訴訟 大谷翔平や大坂なおみら広告塔も対象に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「未登録証券の販売と詐欺」

暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの破綻で被害を受けた米投資家らは15日前CEOだったサム・バンクマン=フリード氏(SBF)などに対し、集団訴訟を提起した。総額110億ドル(1.5兆円)の損害賠償を求めている。

15日に米フロリダ州の連邦地方裁判所(マイアミ地区)に提出された訴状で原告は、FTXが未登録で米国法上の証券に当たる利回り保証口座(イールドベアリング口座)を販売したと指摘。フロリダ州の証券投資家保護法および虚偽・不正取引慣行法に違反したと主張している。

原告側は「FTXの詐欺的なスキームは、モバイルアプリを活用して投資を行う全米の素朴な投資家を利用するために設計された」と主張。被告に指名された有名人らは、FTXブランドをプロモートする「アンバサダー」としてFTXの認知度を高め、未登録証券の販売促進に積極的に関わったとしている。

FTXのマーケティング活動で広告塔となった大リーグの大谷翔平選手やプロテニスの大坂なおみ選手を含む11人の著名人も、この訴訟の被告に指名された。

関連:米大リーグの大谷選手、FTXのアンバサダーに

出典:訴訟資料

被告には、NFLのTom Brady選手やプロバスケットボールのShaquille O’Neal選手、人気投資番組「Shark Tank」の投資家 Kevin O’Leary氏など著名人が名を連ねる。また、NBAバスケットボールチームのゴールデンステート・ウォリアーズも被告に含まれている格好だ。

関連:大坂なおみ選手、FTXのアンバサダーに就任

1.5兆円超の損害要求

訴状ではFTXとその関連企業を「不透明な関連企業間で顧客の資金をシャッフルする”砂上の楼閣”かつ”ポンジースキーム”(ネズミ講)」と形容。イールドベアリング口座への投資や融資によって得た新しい投資家の資金を、古い資金への利払いに使い、流動性を維持しようとしたと指摘した。

また、FTXの不正行為により「米国の消費者は、総額1.5兆円(110億ドル)の損害を被った」と原告側は主張し、被告らに損害賠償を求めた。

FTXとは

2019年に設立された主にデリバティブを提供する取引所で、出来高はバイナンスに次ぐ規模だった。米プロスポーツやeスポーツにおける積極的な宣伝活動が目立った。財政状況の悪化により2、022年11月11日に米裁判所で破産を申請している。

▶️仮想通貨用語集

米フォーブスの報道によると、原告の弁護団の一人は、1990年代後半に米司法省がマイクロソフト社を独占禁止法で訴えた裁判の指揮をとったDavid Boies弁護士。同氏はもう一人の弁護士であるAdam Moskowitz氏と連携して、破綻した仮想通貨プラットフォームVoyagerに対する集団訴訟も担当していた。

関連:仮想通貨企業Voyagerが破産申請、3ACへの巨額融資の影響で連鎖破綻

インフルエンサー訴訟の是非

しかし、今回の訴訟で、インフルエンサーとしての個人が訴えられたことについて、Terra Research ForumのリサーチャーであるFatMan氏は理不尽だと考察した。

私は、なぜ人々がFTXを推進したインフルエンサーを非難するのか、よくわからない。

SBFは、規制当局や監査法人を欺き、完璧なイメージを作り上げた。単なるプロモーターがそんなことを知る由もない。

預金者に対する不正を示す危険信号はなかった。FTXは100%安全だと思われていたのだ。

この点は、FTXに投資していたシンガポールの政府系ファンドTemasekの声明からも見受けられた。

Temasekは17日、FTXに関する声明を発表。同社に対して、2021年2月から10月まで8カ月間に及ぶ広範なデューデリジェンスを実施したのち、投資する判断をしたと釈明。

TemasekはSBF氏に対する信頼が「見当違いであったように思われる」と述べ、投資判断の誤りを認めた。

関連:仮想通貨取引所FTX、シリーズC投資ラウンドで460億円調達

米下院が公聴会開催

米下院金融委員会は16日の声明で、今年12月にFTX破綻に関する公聴会を開催すると発表。公聴会ではプラットフォームの財政破綻の経緯について、SBF氏をはじめ、アラメダリサーチ、バイナンスの関係者などから聴取を行う予定だ。

関連:米下院、FTX破綻に関する公聴会を開催へ

また、米国ではサム・バンクマン=フリード氏と交際関係を持っていたとされるアラメダのキャロライン・エリソンCEOの父親と米SEC(証券取引委員会)のゲーリー・ゲンスラー委員長の関係性を米議会に調査する意見書も殺到。顧客資産を乱用したにもかかわらず、FTXに対して「規制のフリーパス」を与えたと提言する市民の声が強まっていた。

関連:FTXの「規制独占」戦略、全容解明求める意見書が4千件集まる

FTX破綻騒動の経緯やこれまでの動向は以下の記事で詳しく解説している。

関連:仮想通貨市場に激震、アラメダショックとFTX騒動の動向まとめ

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
15:05
仮想通貨投資への期待高まる、税制改正で約5割が投資拡大を検討=ビットバンク調査
ビットバンクが発表した2025年仮想通貨投資実態調査によると、2026年の市場期待として「税制改正」が34.3%で最多。税制が20%の申告分離課税に変更された場合、約5割が投資拡大意向を示した。知識不足が投資の障壁だが心理的ハードルは低下傾向。
14:01
ユニスワップ重大提案が圧倒的に可決 1億UNIバーンと手数料スイッチ起動へ
ユニスワップのUNIfication提案が賛成票1億2500万票超で可決。国庫から1億UNIをバーンし、プロトコル手数料を起動。取引量増加が供給減少に直結するデフレ型モデルへ転換。
14:00
ステーブルコインとは|市場規模・取引量・主要銘柄と規制の行方
ステーブルコインとは、価格が安定するよう設計されたデジタル通貨。本記事では仕組み・種類(USDT/USDC/JPYC等)・市場規模・リスク・将来性・国内での買い方まで、初心者にもわかりやすく解説します。
13:50
フィリピン当局、未登録取引所への取り締まり強化 コインベースなどアクセス遮断
フィリピン規制当局が無登録の海外仮想通貨取引所50社へのインターネットアクセス遮断を命じた。コインベースやジェミニも対象になっている。
13:20
ST市場効率化目指す、SBI新生銀行ら6社が新たな決済実証を開始 預金のトークン化で
SBI証券、大和証券、SBI新生銀行ら6社がトークン化預金DCJPYを利用したセキュリティトークンのDVP決済の実証に関する協業を開始した。
13:00
イオレ、仮想通貨レンディング「らくらくちょコイン」の事前予約開始
東証グロース上場のイオレが暗号資産レンディング「らくらくちょコイン」の事前予約を開始。年利8%〜、約1万円から利用可能。2026年1月下旬の正式リリースを予定し、事前登録者には4月まで13%の特別料率を適用する。
12:50
クシム、社名を「HODL 1」に変更 Web3・仮想通貨トレジャリー事業へ転換
東証スタンダード市場上場のクシムが社名を「HODL 1」に変更すると発表した。Web3・仮想通貨トレジャリー事業を中核とする企業へ転換。
12:25
国内衣料上場企業ANAP、15億円で109BTC追加購入
衣料品販売のANAPホールディングスが15億円で仮想通貨ビットコインを追加購入し、総保有量が1346BTCに達したと発表した。
11:37
中国環境省、環境管理にブロックチェーンなど先端技術を導入
中国生態環境部が12月25日、ブロックチェーン、AI、ビッグデータを環境管理に統合する方針を発表。全国炭素排出権取引市場ではデータ改ざん防止に既に活用。中国は仮想通貨を規制する一方、ブロックチェーン技術応用は国家レベルで積極推進。
10:36
パンテラ専門家の2026年仮想通貨12大予測 DAT企業統合や量子パニックなど
パンテラ・キャピタルのジェイ・ユー氏が2026年の仮想通貨業界12大予測を発表。AI技術の浸透、DAT企業の統合、トークン化ゴールドのRWA主役化、ステーブルコイン決済の拡大、量子コンピューターによるBTC懸念など、注目のトレンドを解説。
10:02
2025年仮想通貨デリバティブ市場レポート、取引高1300兆円突破=コイングラス
コイングラスが2025年の仮想通貨デリバティブ市場に関するレポートを公開。ETFやDAT企業などへの機関投資家による投資が加速したと分析している。
08:54
ビットコインの買い方をやさしく解説|初心者の不安を解消【図解】
ビットコインは500円から購入可能。スマホと本人確認書類があれば最短当日から取引開始できます。口座開設の手順、おすすめ取引所の比較、初心者が押さえるべき投資の心構えまで図解でわかりやすく解説。
06:55
トラストウォレットで9億円以上不正出金、数百人のユーザーが被害か=報告
オンチェーン探偵のザックXBT氏が、トラストウォレットの複数ユーザーから資金の不正流出報告があったと明らかにした。クローム拡張機能のアップデート後に発生し最低でも600万ドル以上が盗まれたと推定。
06:40
金融庁、仮想通貨の担当部署を「課」に昇格へ
金融庁は、2026年7月の次期事務年度に仮想通貨の担当部署を「課」に昇格させる方針を固めたことがわかった。金融サービス変革への対応能力を強化する。
05:45
ロシアの主要証券取引所、2026年の規制発効で仮想通貨取引提供開始へ
ロシアのモスクワ証券取引所とサンクトペテルブルク証券取引所が、2026年に予定される仮想通貨規制の発効後に仮想通貨取引の提供を開始する準備ができていると発表した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧