追加の規制パッケージ策定中
英国財務省は、暗号資産(仮想通貨)の販売や広告などを管理する包括的な規制パッケージを策定しているところだ。フィナンシャルタイムズが報じた。
関係筋によると、この一連の規制は、現在英国議会で審議されている「金融サービス・市場法案」修正案の一部となる見込みだ。
新たな追加規制により、英金融行動監視機構(FCA)は、企業の運営や広告などについて、より広く仮想通貨業界を監督できるようになるという。また、海外企業が英国市場へ売り込むことにも制限が設けられる予定だ。
金融サービス・市場法案の修正案は、仮想通貨を2000年の金融サービス・市場法の枠組みの下に置くもので、企業の登録制に関する内容や、ステーブルコインを英国で決済手段として規制することを可能にする内容を盛り込んでいる。
この法案が成立するには、今後上院を通過し、もう一度最終的な審議を行った後に国王が署名する必要がある。
仮想通貨を推進していく姿勢
英財務相のアンドリュー・グリフィス経済担当官は1日、エジンバラで開催された会議でスピーチを行い、仮想通貨やブロックチェーンに取り組んでいく姿勢を示した。
グリフィス氏は、前任のジョン・グレン氏が4月に「仮想通貨技術が未来を形作っていくものであれば、英国はその第一線に立ちたい」と述べたことに言及し、グリフィス氏らも引き続き、この方向性で進んでいると述べている。
グリフィス氏は、FTX破綻に関しては、次のように話した。
確かに、仮想通貨の将来性については疑問が残るところもある。だが、基盤となる技術の可能性を無視するのは愚かなことだろう。私の意見では、最近の仮想通貨市場の出来事は、時機にふさわしい、明確で効果的な規制の必要性を強調するものだ。
グリフィス氏は、規制について「金融サービス市場法案」は、英国における仮想通貨とステーブルコインの規制枠組みを確立するものだと指摘。さらに今後、法案では扱わなかったその他の仮想通貨市場についても、世界をリードする体制を築くため、協議する予定だと続けた。
英国は、フィンテックにおける世界的なリーダーとしての地位を維持することに力を注いでおり、仮想通貨やブロックチェーンもその一環とみなされている。
フィンテックとは
金融であるファイナンス(Finance)と、テクノロジー(Technology)を合わせた造語。先端技術を利用して従来の金融システムを革新していくという文脈で使用されることが多い。仮想通貨やブロックチェーンもフィンテック技術として注目されている。
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仮想通貨を支持するスナク首相
英国では10月、仮想通貨を推進する政策を打ち出してきたリシ・スナク元財務大臣が首相に就任したことで、これからの動向に期待が高まっているところだ。
スナク氏は、過去に「英国を仮想通貨テクノロジーの中心地」にする計画を発表しており、「税制面で競争力を強化すること」「王立造幣局と協力してNFT(非代替性トークン)を発行すること」など、様々な方針を示していた。