NY州監督機関と和解
米ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)は4日、米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースのコンプライアンスに問題があり、その問題について同社と和解したことを発表した。
NYDFSの調査によって、マネーロンダリング対策(AML)や本人確認対応(KYC)など広範囲に長期に渡って問題があったことが判明。コインベースは罰金として5,000万ドルを支払い、またコンプライアンス強化へ5,000万ドル投資することに合意し、合計1億ドル(約130億円)で和解している。
AMLとKYC以外にも顧客のデューデリジェンス(調査)、取引の監視、疑わしい取引の報告、制裁対応にも問題があったとNYDFSは指摘。こういったコンプライアンスの問題があることによって、コインベースは詐欺やマネロンなどの犯罪行為に脆弱な状態になっていたと主張している。
コンプライアンス強化については、NYDFSが承認した計画に従い、2年かけて実施する予定。NYDFSのAdrienne A. Harris監督官は今回、以下のようにコメントした。
全ての金融機関にとって、犯罪者からシステムを保護することは重大な責務だ。我々は仮想通貨企業に対し、従来の金融機関と同水準の対策を要求している。
コインベースのコンプライアンス対策は、同社の成長に追いついていなかった。
コインベースは2017年、NYDFSからビットライセンスを取得。その後はNYDFSの監督下にあったが、事業の規模や複雑さに見合う対策が十分ではなかったとNYDFSは説明した。
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コインベースの声明
コインベースは4日、今回の和解について声明を発表。監督下にある企業としてNYDFSの調査に協力していることは、昨年報告していた通りだと述べている。
今回問題を指摘されたのは、2018年から2019年におけるコンプライアンス対策であるとコインベースは説明。また、2021年における企業の成長に見合った対策が行えていなかったことを問題視されたと述べた。
そして、コインベースの目的は、世界で最も信頼性が高く安全な、規制に準拠した取引所になることだとし、今回の和解を今後の重要なステップと捉えていると説明している。
NYDFSとの和解を受け、コインベースの株価は前日比で12%上昇した。
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