1/5(木)朝の相場動向(前日比)
- NYダウ:33,269ドル +0.4%
- ナスダック:10,458ドル +0.69%
- 日経平均:25,716円 -1.4%
- 米ドル指数:104.2 -0.2%
- 米国債10年:年利回り3.67% -2.9%
- 原油先物:73.1ドル -4.9%
- 金先物:1,861ドル +0.8%
- ビットコイン:16,811ドル +0.9%
- イーサリアム:1,252ドル +3.4%
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本日のニューヨークダウは反発し小幅高。朝のFOMC議事要旨発表後にニューヨークダウは下げに転じる場面があったものの、一時的な下げに留まった。
日本時間朝4時に公開された2022年12月のFOMC議事要旨では、参加者は高インフレが想定より根強くなるリスクに言及し早期の利下げ転換には慎重な考えを示した。正当な根拠のない金融状況の緩和が物価を安定させるFOMCの政策取り組みを複雑化させてしまう恐れがあると記された。
この会合の前、市場は2023年後半の利下げを織り込みつつあったようだが、市場からは「タカ派なトーンではあったが、予想以上ではなかった」との声も出ているという。前回会合では政策金利が0.5%引き上げられた。次回のFOMCは1月31日〜2月1日の両日に開催される予定だ。
また、米供給管理協会(ISM)が日本時間4日夕方に発表した2022年12月の製造業景気指数は48.4と、COVID-19流行の第1波で経済が落ち込んでいた20年5月以来、2年7カ月ぶりの低水準となった。需要鈍化など景気後退の可能性を示唆する内容となり、FRBが利上げ緩和の判断材料として歓迎すべき動きだったと見られる。(製造業景気指数とは、毎月発表される米国の主要指標の中で最も早い毎月第1営業日に発表され、米国の景気先行指標として注目される)
なお、S&Pグローバルが同日に発表した2022年12月の欧州サービス業購買担当者景気指数改定値は予想を上回った。改定値は5カ月ぶりの高水準となり、インフレ圧力の緩和を背景に景況感の悪化が当初ほど深刻でないことが示された格好だ。
- 米製造業景気指数(ISM):今回48.4 予想48.5 前回49.0
- 欧州サービス業購買担当者景気指数(PMI):今回49.3 予想49.1 前回49.1
米国株の個別銘柄では、マイクロソフト-4.7%、アップル+1%、テスラ+5%、アマゾン-0.3%、メタ+2.3%、コインベース+12%、マイクロストラテジー+13%。
マイクロソフトに関しては、3日の米連邦取引委員会の弁護士発言によると、マイクロソフトによるゲーム大手アクティビジョン・ブリザードの買収を巡る法廷闘争について、バイデン政権とマイクロソフトの間で「実質的な」和解交渉は進んでいないことが明らかになった。昨年12月に、690億ドル規模に及ぶアクティビジョン・ブリザードの買収計画について、独占を警戒する米連邦取引委員会は認めない意向として差し止めを求めて提訴した背景がある。
マイクロソフトは12月初めにオンラインサービスの利用規約を更新し、ユーザーが事前許可なしで同社のサービスを用いて仮想通貨をマイニングすることを認めないことにした。
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また、アップルは昨日では欧米などのホリデーシーズン四半期のiPhone供給を巡る懸念が強まったことなどを背景に株価が一時4.4%下落し、時価総額は2兆ドルを割り込んだが、4日は株価が連れ高で小幅で反発した。アップル株は過去1年の多くの期間を通じてS&P500種株価指数をアウトパフォームしたが、最近数週間は下落傾向が続く。22年9月から発売となったiPhone14(新機種)の販売不調が進むなか、同社がサプライヤーに部品の減産要請をしたことが伝わり株価下落の要因となっている。
アップルに関しては昨年12月に、公式App Store以外からもアプリをダウンロード可能にする準備を進めていることが報道された。EUデジタル市場法に準拠するとして、NFTを取り扱う仮想通貨関連アプリを含むあらゆるアプリ内決済に30%の手数料を強制する「アップル税」が事実上緩和される見通しとされる。
関連:アップル、欧州で外部アプリストアの許可方針 30%の「Apple税」解消か=報道
1月の重要な経済指標
- 1月6日:米サービス業景気指数・米雇用統計
- 1月12日:米消費者物価指数(CPI)
- 1月13日:1月ミシガン大学消費者態度指数・速報値
- 1月18日:米12月小売売上高・卸売物価指数(PPI)/コア
- 1月20日:日本12月全国消費者物価指数(CPI)
本日のドル/円:132.6
ドル円相場は2023年に入って大きな動きを見せた。昨年12月20日に日銀からイールドカーブ・コントロール政策が発表されて事実上の利上げとなることが円上昇の材料となった。それからドル円相場は大きく変動し、1月3日には一時129.5円台を付け2022年6月上旬以来、約7ヶ月ぶりの円高水準となる場面もあった。
ロイターに寄稿した三菱UFJ モルガン・スタンレー証券 チーフ為替ストラテジストの植野大作氏はおそらく23年中は円高になる可能性があるとコメント。「最近の原油安と円高の影響により、現在一時的に3%台後半まで上昇している日本の物価上昇率についても、今年の春以降になると安定的に政策目標の2%を再び割ってきそうだ。そのような状況の下で、日銀がさらなる株安・円高ショックを引き起しそうな追加利上げに動く可能性は低い」と見解を述べた。
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なお、日銀の黒田東彦総裁は4日、全国銀行協会のイベントにて世界経済の減速が予想される中、日本経済は新型コロナウイルス禍からの回復や金融緩和を背景に、安定的な成長を続けるとの見通しを示した。
総裁は2023年の世界経済において、インフレ動向など不確実性が高いが、国際機関の予測通り、グローバルなインフレ率は低下傾向になり海外経済の成長率は減速すると述べ、日本経済はコロナ禍からの経済再開のタイミングの違いや、緩和的な金融環境が維持されていることから、比較的安定的な成長を続けると述べた。
仮想通貨・ブロックチェーン関連株(前日比/前週比)
- コインベース|37.7ドル(+12%/+6.5%)
- マイクロストラテジー|165ドル(+13%/+16%)
- ロビンフッド|8.3ドル(+3.4%/+2.7%)
- スクエニHD|6,150円(+0.3%/+0.3%)
コインベースに関しては1億ドル支払いでNY州金融サービス局と和解したと報じられた。このことが材料視されマイクロストラテジーやライオット・ブロックチェーンなどの仮想通貨・ブロックチェーン関連株も連れ高となった。
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ロビンフッドについては、米司法省がFTXのサム前CEOに関連するとされる数百万ドルに相当するロビンフッドの株式を押収することが明らかになった。ニューヨーク裁判所が命令したFTX関連資産の押収の一環となる。FTXおよびサム前CEOが所有していたロビンフッドの株式は当初4.5億ドルに相当。押収される予定の分に関しては実際の所有者は資産が押収されるまで定かではないという。
ロビンフッド株価の年間騰落率は2022年において-55%だった。
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GMラヂオ第二弾 アーカイブ
— CoinPost Global (@CoinPost_Global) December 22, 2022
今回の特別ゲストは、Web3(分散型ウェブ)大手企業アニモカ・ブランズの会長を務めるYat Siu氏と、Darewise EntertainmentのBenjamine Charbit氏が参加。Web3ゲーム・NFTの今の課題やDarewiseの自社タイトル第一弾「Life Beyond(ライフ・ビヨンド)」、そして業界の展望について語っている。
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