需要の高まりに対応
フランスの大手金融機関Crédit Agricoleとスペインの大手銀行Santanderが所有するCACEISは22日、同社の銀行部門「CACEIS Bank」が、フランスでデジタル資産のカストディサービスを提供するための事業登録をしたことを発表した。
規制当局である仏金融市場庁(AMF)に登録した日付は20日。発表では、今回の事業登録でサードパーティにデジタル資産のカストディサービスを提供することが可能になり、投資管理会社や機関投資家の間で高まる需要に応えることができるようになると説明している。
CACEISは、Crédit Agricoleが株式の69.5%を、Santanderが30.5%を所有している企業。強固なIT基盤を強みとしており、全ての資産の銀行サービスを提供するとウェブサイトで説明している。サービスを提供してサポートしているのは、年金基金らの機関投資家や資産運用企業、ブローカーなど。CACEIS Bankは、CACEISのグループ企業だ。
発表では、伝統資産と同レベルのセキュリティをデジタル資産に提供すると説明。今回の登録は、デジタル資産のカストディサービスにおける最初の到達点だとした。
CACEISのシニアアドバイザーは、以下のようにコメントしている。
我々は、イノベーションと規制を両立させる。
今回の登録は、数カ月間に渡る尽力の成果であり、CACEISが信頼できるサードパーティだと認識されていることの証だ。
仮想通貨の取り扱い
今回の発表では、一貫して「デジタル資産」という用語を使っているが、AMFのサイトには「暗号資産(仮想通貨)のサービスを提供する企業はAMFに登録しなくてはならない」と書かれている。例えば、バイナンスは昨年5月にAMFへの登録を完了した。CACEIS Bankも、仮想通貨を含めたカストディサービスを提供するとみられる。
CACEISが仮想通貨のカストディサービスを提供する計画があることは、情報筋の話として、すでに2021年に報じられていた。その際、情報筋の1人は「単なるカストディだけでなく、総合的なサービスも検討している」と述べている。
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CACEIS全体でカストディサービスで保管している額は、2022年末時点で約640兆円(4.1兆ユーロ)である。
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