CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨取引所バイナンス、フランスで登録完了 欧州の重要マイルストーンに

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

フランス当局が承認

暗号資産(仮想通貨)取引所最大手のバイナンスは5日、フランスの金融規制当局である金融市場庁(AMF)から、デジタル資産サービスプロバイダー(DASP)として登録が認可されたと発表した。

AMFへの登録は、同国の銀行および保険部門を監督する健全性監督破綻処理機構(ACPR)から承認が前提となっている。AMFによると、同国市場向けに設立された「バイナンス・フランス」は、DASPとして以下の活動を行うことが可能になった。

  • デジタル資産のカストディ
  • 法定通貨によるデジタル資産の購入/販売
  • デジタル資産と他のデジタル資産との交換
  • デジタル資産の取引プラットフォームの運営

フランスは、欧州連合の中でバイナンスの登録を認可した初の国となる。バイナンスは公式ブログで、これまでの同社のコンプライアンス確保のための努力が実を結び、フランスの厳しい規制基準を満たし、DASPとしてライセンス取得できたことを嬉しく思うと述べている。

また、バイナンス・フランスのDavid Prinçay最高経営責任者は、同社のDASP登録は、仮想通貨にとってヨーロッパにおける重要なマイルストーンだと語り、現在、スイス、スウェーデン、スペイン、オランダ、ポルトガル、オーストリアでも登録を求めていることを明らかにした。

バイナンス

バイナンスは、取扱銘柄や取引高、登録者数が非常に多い世界最大手の仮想通貨取引所。取引所の運営以外にも、学習コンテンツの作成、独自ブロックチェーンの開発、NFT(非代替性トークン)マーケットプレイスの運営なども行なっている。

▶️仮想通貨用語集

フランスは欧州業界をリード

バイナンスは昨年11月、フランスの非営利団体「France FinTech」とパートナーシップを締結。フランスにバイナンスの研究開発拠点を設立し、同国と欧州全域でブロックチェーンや仮想通貨のエコシステムにおける開発を支援するため、137億円(1億ユーロ)規模の「Objective Moon」を開始すると発表した。

関連:バイナンス、欧州で130億円規模の仮想通貨取り組み

また、Changpeng Zhao(CZ)最高経営責任者は同月、フランスメディア『LesEchos』とのインタビューで、DASPの認可取得に言及するとともに、フランスに本社を設立する意向を明かしていた。

関連:バイナンス、本社はフランスに設立か

さらにCZ氏は直近の4月13日、パリで開催された業界カンフェレンス「Paris Blockchain Week Summit」で、仮想通貨スタートアップに137億円(1億ユーロ)を投資するプログラムを発表。「フランスは、欧州においてこの業界をリードする非常にユニークな立場にある」との考えを披露している。

関連:バイナンス、フランスで約140億円投資へ

規制への準拠

バイナンスは設立当初から「分散型の哲学」に基づき、正式な本社を構えない姿勢を貫いていたが、昨年、日本の金融庁をはじめ、英国、ドイツ、イタリア、シンガポールなど多くの国の規制当局から、ライセンスなしの運営を指摘されるなど、厳しい警告を受ける事態となっていた。

関連:仮想通貨取引所バイナンス 各国政府の警告・金融機関のサービス停止事例まとめ

そこでバイナンスは、規制準拠のため、各国でライセンスを取得する方向へ舵をとった。

同社は昨年12月末にカナダの規制当局からライセンスを取得。また、今年に入り、3月には中東のバーレーンとアラブ首長国連邦(UAE)のドバイで、暗号資産ライセンスを取得した。4月下旬にはUAEのアブダビでもライセンスの認可を受けた。

関連:仮想通貨取引所バイナンス、UAE首都アブダビでもライセンス取得

一方、同社の英国での活動はまだ先行きが不透明な状態のようだ。英金融行動監視機構(FCA)は3月、バイナンスの決済企業Bifinityと米ナスダック上場企業EQONEXの提携で、FCA登録の仮想通貨カストデイ会社「Digivault」がバイナンスの影響下に入ることを危惧。バイナンスのグローバル事業が「消費者に大きなリスクをもたらす、複雑で高リスクな金融商品を提供している」と主張している。

関連:英規制当局、バイナンスの決済企業BifinityとEQONEXの提携に懸念を表明

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
13:10
米ウォーレン議員、中国系仮想通貨マイナーによるスパイ活動を懸念
米国のウォーレン議員は、ビットコインなどを採掘する中国系仮想通貨マイニング事業者が国家安全保障にもたらすリスクを指摘した。
10:20
大統領候補ケネディJr氏、米政府のビットコイン積立を提唱
ケネディJr氏は、米大統領に当選した場合、政府が財務資産として仮想通貨ビットコインを毎日購入し積み立てるようにすると話した。
09:45
3兆円運用の米ミシガン州の退職年金基金、10億円以上のビットコイン現物ETF保有
仮想通貨ビットコインの現物ETFに対する米国の年金基金からの需要は増加傾向にある。運用資産総額3兆円に相当するミシガン州の退職年金はウィスコンシン州とニュージャージー州のジャージー市の年金基金に続き、ビットコインETFの株を保有していることを報告した。
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア