はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米司法当局、仮想通貨企業も利用のデルテック銀行管理の米国口座を押収 国際的な仮想通貨投資詐欺やマネロンに関与

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

81億円を押収

米司法当局がバハマのデルテック銀行(Deltec Bank)が管理する米国の銀行口座に対して、複数回にわたり差し押さえを執行していたことが、18日に公開された法定文書から明らかになった。

米連邦バージニア東地区地方裁判所は、6月12日、23日および28日に、三菱UFJ信託銀行(ニューヨーク)に保管されたデルテックの資金に対する差し押さえ令状の執行を許可。三つの事件に関連した令状で、それぞれ最大約81億円(5,846万5,480ドル)、約38億円(2,733万7,385.47ドル)、約26億円(1,909万9,652.07ドル)の押収を承認していた。

宣誓供述書によると、資金が差し押さえられた三菱UFJ信託銀行の保管口座は、デルテックが法人顧客のために開設したものだが、「暗号資産(仮想通貨)投資やその他の電信詐欺を行う、組織的で国際的な犯罪マネーロンダリング・シンジケート」として捜査の対象となっていたようだ。電信詐欺、銀行詐欺、マネロンの容疑で正当な理由があるとして、当局により差し押さえが執行された。

米シークレット・サービスによると、デルテックの顧客は、仮想通貨投資の偽装サイトを通して投資家を欺き、仮想通貨や現金を口座に入金させ、投資したかのように信じ込ませる国際的詐欺スキームを運営するペーパーカンパニーだったという。

偽装サイトでは、増加した口座残高を表示することで、ユーザーにさらなる入金を強要。一方、ユーザーが資金を引き出すことはできなかった。少なくとも74のペーパーカンパニーが電信詐欺の収益を受け取り、保管口座の一つに送金後、バハマの他の口座に送金するという手口で、「国際送金に通常適用される精査を回避する方法を構築していた」と連邦当局は指摘している。

被害者はペーパーカンパニーに送金するよう不正に誘導された。その際、資金の出所、性質、所有権、管理権を隠蔽するために、一連の送金が行われたが、ほとんどの場合、海外が最終地点となっていた。

三菱UFJ信託銀行は、「Axis DigitalLimited」と「GTAL」というペーパーカンパニーに関する情報をデルテックから入手できなかったため、デルテックの口座に関する警告を発したという。

デルテック銀行について

バハマに拠点を置くデルテック銀行は、米ドルのステーブルコイン、テザー(USDT)の準備金を保管するなど、仮想通貨企業と繋がりが深い。

関連:テザー社の担当銀行「ステーブルコインUSDTは完全に裏付けられている」

昨年11月に破綻した仮想通貨取引所FTXもデルテック銀行の顧客企業だった。FTXが姉妹企業のアラメダ・リサーチを通じ、2022年3月にデルテック銀行会長と関連の深い米地方銀行「Moonstone Bank」に16億円(1,150万ドル)相当の投資を行っていたことが、米議員から指摘されている。Moonstoneの評価額は当時、約8億円であり、その価値の倍以上の投資額に議員らは疑念の目を向けていた。

関連:米上院議員ら、仮想通貨業界と銀行のつながりを懸念

アラメダ・リサーチは2021年、デルテックに対し約70億円(5,000万ドル)の融資を行なっていたが、今年4月、デラウウェア州の破産裁判所は、融資の利子を含む約73億円(5,300万ドル)をアラメダに返済するよう、デルテックに命じた。FTXおよびアラメダの財務記録には「不正確さと多くの矛盾点」や「完全な欠如」が、FTX再建処理を任されたジョン・レイ III最高経営責任者から指摘されており、一連の破産手続きには時間と忍耐を要しているようだ。

関連:FTX、顧客請求ポータル公開も現在は利用不可に

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/25 木曜日
18:01
Komlock labと東証上場TDSE、AIエージェントによる自律決済の実証実験開始
TDSEとKomlock labがAIエージェントによる自律決済の実証実験を開始。日本円ステーブルコイン「JPYC」を活用し、AIが人間を介さず決済する「Agentic Commerce」の実現を目指す。
17:38
日銀総裁、利上げ継続示す 30年ぶり高水準更新へ
日銀の植田和男総裁が25日の講演で利上げ継続方針を表明。政策金利は既に30年ぶりの0.75%水準に達しており、今後の追加利上げによる円キャリートレード巻き戻しが仮想通貨市場に与える影響が注目されている。
16:21
SBI VCトレードとアプラス、USDCによる店舗決済の実証実験を来春開始
SBI VCトレードとアプラスが米ドル建てステーブルコインUSDCを活用した店舗決済の実証実験を2026年春に開始。大阪・関西万博のデジタルウォレット成果を発展させ、QRコード決済でインバウンド顧客向けに新たな決済モデルを創出する。国内唯一の電子決済手段等取引業者であるSBI VCトレードと、豊富な加盟店ネットワークを持つアプラスが協力し、ステーブルコイン決済の社会実装を加速。
14:55
量子コンピュータは仮想通貨の脅威か 専門家が語る「共存」の可能性
量子コンピューティングが仮想通貨業界に与える影響について、楽観論と懸念論が交錯する中、専門家は「共存」の可能性を指摘。ビットコインベテラン投資家やマイクロストラテジー会長は量子が仮想通貨を強化すると主張する一方、開発者は5~10年の移行期間が必要と警告。ソラナやイーサリアムなど主要ブロックチェーンは既に量子耐性技術の実装を開始している。
13:50
アステリア、JPYC企業利用支援の「JPYCゲートウェイ」発表
アステリアは企業向けJPYC入出金管理サービス「JPYCゲートウェイ」を発表。ウォレット管理やガス代負担など企業利用の課題を解消し、100以上の既存システムと連携可能。2026年1月よりβ版提供開始。
13:30
2025年世界仮想通貨浸透率ランキング、日本は47位
Bybitは2025年世界仮想通貨ランキングで、79カ国をユーザー浸透度、取引利用度、制度整備度、文化的浸透度の観点から相対的に評価。シンガポールと米国が上位にランクインし、日本は47位となった。また国別の一人当たりGDPから分析したところ、投資主導型と実用主導型の二つの採用パターンが明確となった。
12:13
ビットコイン価格予想が二極化 来年の37000ドル悲観論と最高値更新説の根拠は
仮想通貨市況 暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+%の1BTC=87,850ドルに。 ビットコインが一時的に88,000ドルを上回ったことは、米国上場…
11:44
仮想通貨投資大手が大規模取引か、ワールドコインに3000万ドル投入の可能性
マルチコイン・キャピタルと関連するウォレットが24日、ワールドコイン(WLD)6000万トークンを約46億円で購入した疑いが浮上。オンチェーンデータ分析サービスが報告。WLD価格は史上最高値から95%下落中。
10:30
個人投資家が計22億円の詐欺被害に、米SECが仮想通貨企業などを起訴
米SECは、複数の個人投資家から最低でも計約22億円をだまし取ったとして仮想通貨企業などを起訴。詐欺の手口を説明し、投資家に注意喚起を行っている。
10:22
Aave、所有権紛争でDeFiガバナンスの課題が表面化
大手DeFiプロトコルAaveで深刻なガバナンス対立が発生。年15億円超の収益配分とブランド資産の所有権をめぐり、DAOとAave Labsが対立。Snapshot投票では反対が過半数を占め、DeFi業界のガバナンス課題を浮き彫りに。
10:05
2026年の仮想通貨市場に期待できることは? Presto Researchがビットコイン16万ドル予想
Presto Researchが2026年の仮想通貨市場を展望。ビットコイン16万ドル到達の可能性、量子耐性議論、アルトコイン投機時代の終焉など様々なトレンドを予想している。
08:30
EUの仮想通貨税務透明性法「DAC8」、2026年1月1日に発効
EUの新たな税務透明性法DAC8が2026年1月1日に発効する。仮想通貨資産サービスプロバイダーは同日からEU居住ユーザーの取引データ収集を開始し、2027年9月までに最初の報告が必要となる。
07:35
ビットコイン現物ETF、4日連続で資金が純流出
仮想通貨ビットコインの米国の現物ETFは、23日の資金フローが約294億円の純流出で、これで4日連続の純流出となった。有識者が要因を分析している。
07:12
サークルを騙る偽の金・銀トークン化サイトが出現、同社が注意喚起
USDCステーブルコイン発行企業サークルを名乗る偽のプラットフォームが12月24日に登場し、トークン化された金と銀の取引を提供すると宣伝していた。サークルの広報担当者は偽物だと否定。
06:15
アーサー・ヘイズがイーサリアム売却継続、DeFiトークンに資金移動か
アーサー・ヘイズ氏が過去1週間で1800ETH以上のイーサリアムを売却し、仮想通貨ENA、PENDLE、ETHFIなどのDeFi銘柄に資金を振り向けている。ポートフォリオのリバランス計画の一環とみられる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧