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ビットコインは390万円窺う展開、ただ相場上昇が続く余地は少ないか|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週9/2(土)〜9/8(金)の仮想通貨相場

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

9/2(土)〜9/8(金)の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円は小確りとした推移で、8日正午時点では390万円を窺う展開となっている。

週明け4日は米国がレイバー・デーで休場となり、BTCは380万円周辺で揉み合う展開が続いた。この日はオンライン暗号資産(仮想通貨)カジノのステークがハッキングの被害に見舞われ、資金の不正流出が報道されたが、相場への影響は軽微だった。

5日、連休明けの米市場で国債利回りが週末の流れを汲んで上昇したが、ドル円相場の上昇がBTC円の支援となり、アジア時間はジリ高で推移した。その後、原油価格高騰を受けて米債利回りは一段と上昇するも、ドル高円安の更なる進行で影響は相殺される格好となった。

週央6日には、8月の全米供給管理協会(ISM)サービス業購買担当者景気指数(PMI)が市場予想を上回るサプライズがあり、BTCは一時下値を試すも、ドル建てで前週安値付近で押し目買いが入ると、米地区連銀経済報告(ベージュブック)で消費、雇用、物価上昇の減速が広い地域で確認され、徐々に戻りを試した。

7日には中国の8月貿易統計で輸出額と輸入額の双方が前月に続き低下したことで、アジアの株式市場が軟化。BTCもつれてジリ安となったが、米マイニング企業のストロングホールドが8月の月間BTC採掘量増を発表したことや、ライオットが自主的な電力削減で3,170万ドルのエネルギークレジットをテキサス送電網会社のERCOTから付与されたことなどがマイニング企業の株価を押し上げ、BTCも反発。8日朝方には複数の米連邦準備理事会(FRB)高官の発言を受け、390万円近傍まで上値を伸ばした。

第1図:BTC対円チャート(1時間足)出所:bitbank.ccより作成

今週5日には米クリーブランド連銀メスター総裁、6日にはボストン連銀コリンズ総裁が追加利上げに対してやや慎重な姿勢を示した他、7日にはN Y連銀ウイリアムズ総裁やシカゴ連銀グールズビー総裁から現状の金融政策の効果に一定の評価を示す発言があった。

いずれの総裁発言も追加利上げの可能性を排除する内容ではなかったものの、先週の雇用統計などを受けてかこれまでの追加利上げに対する積極さがやや緩み、「必要であれば」というニュアンスが以前に比べて強調された印象だった。

ただ、サービス業PMIなど依然として一部の経済指標が景気の底堅さを示す中、8月米消費者物価指数(CPI)の発表や、米連邦公開市場委員会(FOMC)の経済見通し発表を控え、この先も積極的にリスクを受容できる状況とは言い難く、7日の相場上昇が続く余地は少ないだろう。

特に、来週13日に発表される8月の米CPIは、前月比で7月から伸びが加速することが見込まれており、20日のFOMCを前に来週は市場のリスクセンチメントは悪化する可能性が高いと見ている。

それでも今週の米株の下落率や米債利回りの上昇率と比較すると、BTCは相応に底堅い推移だったと言える。ドル建てのBTC相場は、6日には前週安値や2月高値25,200ドル周辺でサポートを確認しており、米CPIの発表までは26,000ドル周辺での揉み合いに終息する展開を想定している。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:売られ過ぎ水準のビットコイン、前週ほどの下げ余地はないか

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