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米DTCC、マイクロソフト株など有価証券トークン化の本番稼働を開始

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • マイクロソフト株や米国債など約1,000銘柄が対象
  • JPモルガンなど約40社が担保移転やレポ取引を実施

本番稼働開始

米証券決済機関DTCC(預託信託清算公社)は15日、傘下のDTC(預託信託会社)が開発した有価証券トークン化サービスを本番環境で稼働させた。ウォール・ストリート・ジャーナルや専門メディアのザ・トレードが報じた。

今回の稼働は模擬環境ではなく、実際の市場で実資産を動かす本番運用だ。ただし10月の全面提供に先立つ限定的な運用であり、対象をマイクロソフト株、仮想通貨関連企業サークル・インターネット・グループ株、インベスコQQQトラスト、ステート・ストリートSPDR S&P500 ETFトラスト、アイシェアーズ0〜3カ月米国債ETF、および各種年限の米国債に絞ったという。

また、JPモルガンは保有するインベスコQQQトラストの一部をトークン化し、通常株式への再転換も可能な形で運用するとDTCCは説明した。

参加機関は担保移転、レポ取引、株式取引など幅広い用途でトークン化資産を活用する。決済はDTCCのプライベート型ブロックチェーン「ハイパーレジャー・ベス」か、金融機関主導のプライバシー重視型ブロックチェーン「カントン・ネットワーク」のいずれかを参加機関が選択して行う。

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DTCが保管する資産は114兆ドルを超え、流通するCUSIP(証券識別番号)は約140万件にのぼる。意図しないリスクや市場混乱を避けながら実際の市場環境でテストを行うため、DTCCは自発的に対象範囲を約1,000銘柄に絞り込み、7月の限定稼働から10月の全面提供へと段階を踏む方針を取っている。

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参加機関とトークン化の仕組み

15日の限定稼働にはJPモルガン、ブラックロック、ゴールドマン・サックス、バンガード、ニューヨーク証券取引所など金融機関とテクノロジープロバイダー約40社が参加した。稼働に先立ち、DTCCは50社以上で構成する業界ワーキンググループを通じて、保管、資産運用、証券会社、取引所、デジタル資産インフラなど幅広いセクターで技術・運用の検証を進めていた。

現在、株式のブロックチェーン化には主に2つの手法がある。一つはラッパー型と呼ばれる構造で、原資産のパフォーマンスを模倣するトークンを発行する。誰でも売買できる一方、株主と同等の法的所有権や議決権は付与されない。DTCCが採用するもう一つの手法では、トークンを実際の株式と互換性を持たせ、配当受領権・議決権・法的所有権を同等に付与する。ただし流通は承認済みの金融機関間に限られる。

稼働の法的根拠となったのは、2025年12月にSEC(米証券取引委員会)が発行したノーアクションレターだ。SECはDTCに対し、参加機関とその顧客向けにトークン化サービスを提供する権限を3年間付与した。対象は流動性の高い資産に限定され、ラッセル1000(米国時価総額上位1,000社で構成される株式指数)の構成銘柄、主要指数連動ETF、米国債が含まれる。

DTCCのフランク・ラ・サラ社長兼CEOは「資産のトークン化とデジタルブロックチェーンの活用はメガトレンドだ。われわれが注力しているのは、システムの安全性・回復力の確保と、新技術を活用して滞留する流動性を解放する方法だ」と述べた。

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