今週4/6(土)〜4/12(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
4/6(土)〜4/12(金)の週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円は史上最高値の1100万円を記録するも、1060万円周辺での揉み合いに終始している。
BTCドルの三角保ち合い上放れが目前となる中、週明けのBTC相場はジリ高で始まり、海外時間には保合上放れに成功。この日は東証上場のメタプラネットが10億円分のBTC購入を取締役会で決定したことも好感された。
一方、BTC円は1100万円にタッチすると失速。その後は保ち合いのレジスタンスがサポートに転換するのを確認するも、米株の急落が相場の重石となり、同サポートを下抜け1050万円を割り込んだ。
これによりBTC相場はCMEの窓を半分閉めると、先物の資金調達率も低下し底堅い推移に転じた。その後、米CPIの上振れを受けてCMEの窓を完全に閉めて反発。この日はバイナンスでクジラのBTC買いも観測され、相場は1080万円台を回復した。
ただ、その後のBTC相場は7.1万ドルで上値を抑えられ上げ渋っていると、見切り売りが入り1060万円台まで下落。幸い、3月の米PPIが下振れたことで米株が急反発し、11日の米国時間には下げ幅を縮小し、12日の東京時間には1080万円台に戻している。
3月の米CPIは前年比で3.5%と、市場予想の3.4%を上回り、コアCPIも3.8%と2月から横ばいとなり、市場のFRBによる利下げ開始時期の予想は6月から9月までずれ込み、一部では利上げ再開を危惧する声も散見された。
ただ、CPIの先行指標とされるPPIは、前年比のコア指数は予想をやや上回ったものの、総合の前年比と前月比、コアの前月比でインフレの鈍化を示唆した。
加えて、この日は米NY連銀ウィリアムズ総裁が、「喫緊で政策金利の調整を行う必要はない」と発言しており、利下げは遠のいたかもしれないが、利上げについて警戒する必要も現段階ではないと捉えてよさそうだ。
今週、BTCのドル建て相場は、週明けに三角保ち合いからブレイクアウトに成功したと思いきや、翌9日には保ち合い内に押し返され騙し上げとなった。しかし、10日には再び保ち合いのブレイクアウトに成功し、翌11日にはレジスタンスがサポートに転じ、終値ではギリギリの水準でブレイクアウトした状態を維持した(第2図)。
また、米CPI上振れによる利上げ再開の懸念も後退したタイミングで、BTCドルは一目均衡表の三役好転が示現しており、来週末の半減期に向けてテクニカル的な地均しは整ったと言えよう。相場は、史上最高値周辺の7.4万ドルをクリアできれば、節目の8万ドルを試す展開が視野に入る。
関連:bitbank_markets公式サイト
前回のレポート:半減期近づくビットコイン、相場の上方ブレイクアウトにも期待