CoinPostで今最も読まれています

暗号資産取引所DMMビットコイン、顧客資産流出で業務改善命令

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

金融庁、DMM Bitcoinに業務改善命令

金融庁は25日、暗号資産(仮想通貨)交換業者DMM Bitcoinに対し、資金決済法に基づく業務改善命令を下した。同社で5月31日、顧客から預かった約4,500ビットコイン(BTC)が不正に外部へ流出する事案が発生していた。

関東財務局(金融庁から事務委任)の立入検査で、DMM Bitcoinの管理体制に重大な欠陥が判明。主に、システムリスク管理態勢の不備、経営陣の認識不足、暗号資産の流出リスクへの杜撰な対応が指摘された。

具体的には、システム担当役員が不在で、リスク管理権限が一部の者に集中。内部監査の独立性も保たれていなかった。また、経営陣が暗号資産流出リスクを重要課題と認識せず、システムリスク管理態勢の整備を後回しにしていた点も問題視された。

これを受け金融庁は、流出事案の根本原因の分析・究明、顧客保護の徹底、適正な業務運営の確保などを求めた。DMM Bitcoinは10月28日までに改善計画を提出し、11月末から実施完了まで毎月進捗を報告する必要がある。

一連の問題を受け、金融庁は業界団体の日本暗号資産取引業協会(JVCEA)にも、流出リスクへの対応に関する注意喚起と自主点検を要請した。

関連:DMMビットコインの不正流出、北朝鮮ハッカー集団「ラザルス」が関与か

DMM Bitcoin、システムリスク管理に深刻な欠陥

関東財務局の立入検査で明らかになったDMM Bitcoinの問題点は、暗号資産取引所としての基本的な管理体制が欠如していたことを示している。

まず、システムリスク管理態勢に重大な不備が見られた。システム担当役員が不在で、リスク管理の権限が一部の者に集中。さらに、監査スキルを持つ人材が配置されておらず、被監査部署が自ら監査を行うなど、内部監査の独立性が保たれていなかった。

経営陣の認識不足も深刻だ。暗号資産の流出リスクを重要課題として認識せず、システムリスク管理態勢の整備を後回しにしていた。不正行為防止のための適切な措置も講じられていなかった。

特に問題視されたのが、暗号資産の流出リスクへの杜撰な対応だ。秘密鍵の管理が単独での署名作業で行われ、一括管理されるなど、業界の「事務ガイドライン」に反する取り扱いが常態化していた。

外部ウォレット利用に関しても問題が山積みだ。預かり資産の規模が増大しているにもかかわらず、複数ウォレットへの分散管理など、リスク分散の対策も検討が不十分。流出時の証拠保全に必要なログの保存期間も定められていなかった。セキュリティ管理状況の評価や、問題発生時の対応方法が不十分なまま、ウォレットの利用を開始していた。

金融庁の「事務ガイドライン第三分冊:金融会社関係」の暗号資産交換業者向け指針では、秘密鍵の安全管理に関する具体的な方策を示している。特に、複数の担当者による管理体制の構築や、ハードウェアウォレットなどの物理的な媒体を使用する場合の厳格なアクセス制限など、セキュリティ強化のための実践的な規定を設けている。

関連:金融庁、暗号資産やステーブルコイン含むフィンテック時代の資金決済法を検討開始

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
09/27 金曜日
10:10
アーサー・ヘイズ氏、各プロジェクトに独自トークン発行を推奨
BitMEX創業者のアーサー・ヘイズ氏は、今後の仮想通貨相場に強気な見方を示した。Maelstromのファンドは、独自トークンの発行を行うようにプロジェクトに呼びかけていると明かしている。
08:15
仮想通貨アバランチ、58億円相当の助成金プログラム「Retro9000」を開始
このプログラムは、「Avalanche9000」と呼ばれる大規模なアップグレードに先立ち、開発者のアバランチ上での構築活動を奨励することを目的としている。
07:15
M・キューバン氏、米SEC委員長の職に関心示す
マーク・キューバン氏は、米大統領選で民主党のカマラ・ハリス氏が勝利した場合に米SECの委員長になることに関心を示した。現在のゲンスラー委員長は交代すべきであると主張している。
06:50
ウォール街金融大手グッゲンハイム、イーサリアムで約30億円の商業手形をトークン化
米ウォール街の金融大手グッゲンハイム・トレジャリー・サービシズが、ブロックチェーンプラットフォームZeconomyと提携しイーサリアムブロックチェーン上で2,000万ドルのデジタル商業手形を発行した。
06:20
米ロビンフッド、独自のステーブルコイン検討か
ブルームバーグ報道によると、フィンテック大手のロビンフッドは独自の暗号資産(仮想通貨)ステーブルコインを立ち上げる可能性を検討している。
09/26 木曜日
17:10
バイナンス、2種類の通貨ペアを9月27日に取扱い中止へ
海外の暗号資産(仮想通貨取引所バイナンスは9月27日から2種類の現物通貨ペアの取扱いを中止。流動性向上を目的とした戦略の一環で、他の通貨ペアは引き続き利用可能。
17:04
暗号資産取引所DMMビットコイン、顧客資産流出で業務改善命令
金融庁は25日、暗号資産(仮想通貨)の巨額の不正流出事件が発生した暗号資産(仮想通貨)交換業者DMM Bitcoinに対し、資金決済法に基づく業務改善命令を下した。
15:00
金融庁、改正資金決済法の検討開始
金融庁が資金決済法改正に向けた議論(第1回)を開催。暗号資産交換業者への規制強化とステーブルコインの柔軟な運用を検討した。デジタル金融の安全性と革新のバランスを追求する。
14:30
「ソラナの時価総額は過小評価されている」=投資会社レポート
VanEck傘下のインデックス提供会社MarktVectorは、仮想通貨イーサリアムとソラナを比較したレポートで、ソラナの時価総額が過小評価されていると指摘。ソラナへの投資を躊躇することで、機関投資家が大きなチャンスを逃す可能性があると主張した。
13:50
バイナンス、プレマーケット導入
バイナンスは、プレマーケットのローンチを発表。バイナンスの現物市場に正式に上場する前の仮想通貨を取引できるようにした。
10:10
「イーサリアムの課題は実用性の促進」CoinSharesレポート
CoinSharesは、仮想通貨イーサリアムがどのように使われているかを分析したレポートを公開。今後の課題は実用性の促進だとの見方を示している。
07:50
Googleクラウド・ソラナ提携関係深まる、新たなWeb3ゲームAPIをリリース
Googleクラウドとソラナラボが協力し新たに「GameShift」というAPIを23日に発表した。従来のWeb2ゲームにNFTやデジタル資産などのWeb3機能を簡単に統合できるように設計されている。
06:40
米決済大手Visa、銀行の法定通貨担保トークン発行プラットフォームを構築 イーサリアムで
米決済大手Visa(ビザ)は25日、金融機関向けに法定通貨裏付けトークン発行を支援する新プラットフォームを立ち上げたことが報じられた。
06:15
ペイパル、法人アカウントで仮想通貨の売買と送金を可能に 米国で
米決済大手のペイパルは26日、米国の法人顧客が暗号資産(仮想通貨)を売買、保有、送金できるようにする計画を発表した。
09/25 水曜日
17:30
オアシス(OAS)の利回りキャンペーン等一覧、「VersePort」で稼ぐ方法
Oasys(オアシス)の新ポータル「VersePort」の特徴と活用法を解説。ステーキング方法、キャンペーン参加のメリット、リスクを詳しく紹介。ブロックチェーンゲームの最新情報も網羅。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア