
暗号資産(仮想通貨)の価格やETF(上場投資信託)のデータ提供など行うプラットフォーム「SoSoValue」が、最近注目を集めています。
早くから米国のビットコインETFのデータを提供して投資家の関心を集め、現在はインデックストークンを開発して取引できる機能も導入し、プラットフォームを拡充しています。
最近注目を集めている大きな理由は、2025年1月にネイティブトークン「SOSO」をローンチし、エアドロップを開始したからです。
エアドロップは2期目のプログラムを開始するなどその後も継続しているため、本記事ではSoSoValueの概要やエアドロップの設計などについて解説していきます。
プロジェクト概要
SoSoValueは、AI(人工知能)を活用した分析・投資プラットフォームです。2023年に開発が始まり、2024年にローンチされました。
プラットフォームは日本語表記を選択することも可能で、各タブから主に以下の内容を行うことができます。

出典:SoSoValue
- チャート:仮想通貨市場、ETF、資金調達に関するデータの参照
- 指数:独自指数データの参照とインデックストークンの購入
- 情報:選別されたニュースなどの参照
- Token Bar:特定の銘柄や領域などに関する意見交換
- 分析:分析用の様々なデータの参照
- マクロ:マクロ経済に関する情報の参照
- ウォッチリスト:表示データのカスタマイズ
開発目的は、情報が急速に発展したり、様々なブロックチェーンでトークンの数が増えたりするという仮想通貨投資家に特有の悩みを解決すること。プロジェクトとして、投資家が持続可能な資産管理を効率的に行える環境を提供することを目指しています。
AIは情報の質を向上させるために活用し、「ブルームバーグ」と同水準のサービスを全ての投資家に提供することを目指しています。AIの学習能力を利用することで、個々のユーザーに合わせた情報提供も可能にします。
また、インデックストークンが開発され、取引できるようになっていることもSoSoValueの大きな特徴。SoSoValueのインデックストークンは複数の仮想通貨のバスケットで構成されており、現物価格を参照する仕組みです。
例えば「MAG7.ssi」というインデックストークンは、時価総額のトップ7位までの仮想通貨で構成されています。
MAG7.ssiは、各トークンに最低10%の比重をおき、ビットコインとイーサリアム以外も重視していることが大きな特徴。バスケットの構成は毎月見直しが行われます。MAG7.ssiは、仮想通貨業界に投資を行うイメージです。
インデックストークンを運用するための分散型プロトコルはイーサリアムの仮想マシン(EVM)上に構築されています。従来の金融市場の課題である高手数料や処理の遅さ、地域に依存したアクセス制限といった障壁を下げて、効率性の高いポートフォリオ管理手段を提供しようとしています。
資金調達
SoSoValueのプロジェクトは開発にあたり、資金調達を行なっています。
まず、2024年6月にシードラウンドで415万ドルの資金を調達したことを発表。この調達は、中国のベンチャーキャピタルHongShanが主導し、GSR Marketsらが出資しています。
また、2025年1月にはシリーズAで1,500万ドルの資金を調達したことを発表。このラウンドはHongShanと投資企業SmallSparkが主導しました。この時点の評価額は約2億ドルです。
トークン設計
SOSOには主に、以下の通り4つの用途があります。ユーザーはSoSoValueの運営に関する意思決定に参加したり、限定機能にアクセスしたりするためにSOSOを保有します。
- ガバナンス
- エコシステムの報酬
- プロトコル運営に参加する場合の入金
- プレミアム機能を使うためのステーキング
注目情報
SoSoValueは、ステーキングのインセンティブプログラムがあることが大きな注目を集める理由の1つ。これは、各種のインデックストークンの保有量とステーキング量に応じてポイントが配られ、そのポイントに応じてユーザーがSOSOを獲得できるプログラムです。
これはプラットフォームを使用することで得られるエアドロップとは別に設けられているため、ユーザーはより多くの報酬を狙うことができます。また、各インデックストークンを保有した上でSOSOをステーキングすると、エアドロップを獲得するためのポイント「EXP」をブースト(獲得数の増加)できる仕組みも導入されています。
エアドロップの設計
プルーフ・オブ・ワーク(PoW)
SoSoValueのエアドロップは主に2つの獲得手段で構成されています。まず1つ目は「プルーフ・オブ・ワーク(PoW:作業の証明)」で、ユーザーは作業を行ったことが証明されることで、エアドロップを受け取ることができます。
PoWの目的は、ユーザーを呼び込み、実際にプラットフォームを使ってもらってSoSoValueを普及させること。ユーザーは作業を行うことで、EXPというポイントを貯めて「レベル」を上げ、エアドロップを受け取れるよう努めます。
PoWのエアドロップに最初に配分されるSOSOの数量は1,500万SOSOで、全供給量の1.5%。EXPの数とレベルに応じて、各ユーザーが受け取れる数量が決まります。
なお、年間の配分量は、エコシステムの発展や市況に応じて減少していくと説明しているため、早期に参加したユーザーに有利な仕組みが導入されています。
PoWのエアドップはシーズン1はすでに終了しており、その後はシーズン2が開始しています。
プルーフ・オブ・ステーク(PoS)
2つ目は、「プルーフ・オブ・ステーク(PoS:ステーキングの証明)」によるインセンティブです。
SoSoValueのPoSは、上述したステーキングのインセンティブプログラムのこと。独自発行されているインデックストークンを購入し、それをステーキングしてポイントを獲得すると、ポイントに応じてSOSOがエアドロップされます。
ユーザーが受け取るエアドロップは各エポックごとに計算します。まずは1月25日から2月25日の期間でエポック1が開催され、その後は25年5月26日までのエポック2が開始しました。
各エポックでPoSに配分されたSOSOの数量は3,000万SOSOで、全供給量の3%。こちらの報酬プールも、エコシステムの発展や市況に応じて減少します。
なお、PoSの報酬の目的はインデックス投資の機会を提供し、トークンの長期保有を促し、SoSoValueのインデックスプロトコル(SSIプロトコル)をサポートしてもらうためです。紹介プログラムでポイントを獲得するには、紹介した新規ユーザーにインデックストークンをステーキングしてもらう必要もあります。
また上述した以外でも、1月には仮想通貨取引所Bybitに合計40万SOSOが配分され、ユーザーがSOSO、BBSOL、USDTをステークすることで報酬としてSOSOを受け取れるプログラムなども実施しました。
トークン配分
SOSOの配分割合は、以下の円グラフの通りです。

出典:SoSoValue
まず、トークンの最大発行数量は10億SOSOです。そして、この内の30%に相当する3億SOSOがエアドロップとエコシステム用に配布される計画になっています。
他にはチームやアドバイザーの貢献者に33%、財団に17%、投資家に16.5%、戦略パートナーに3.5%が配分されます。
なお、これらのトークンはそれぞれ定められたルールに基づいてロックされ、時間をかけてリリースされる計画です。

出典:SoSoValue
規模と参加者状況
続いて、PoWのエアドロップの規模や参加状況の具体的なデータを確認しておきましょう。
PoWへのSOSOの配分割合は1.5%で、これは上述した最新の資金調達の評価額に基づくと合計1,500万ドル超の価値になります。
このエアドロップの対象ユーザー数は20万で、1ユーザーの最大報酬額は約12万ドルになると説明されています。
EXPシステムの設計
EXPシステムはプラットフォームを使うことでポイントを獲得する仕組みで、例えば、SoSoValueに1日1回ログインすると、1日つき1,000EXP〜3,000EXPを稼ぐことができます。EXPを貯める理由はエアドロップを受け取るためです。
SoSoValueは人気が高くユーザーが増加したため、エアドロップに抽選制度が導入されました。エアドロップを受け取る可能性を高めるにはEXPを増やして、自身のレベルを上げていく必要があります。
SoSoValueは「エントリーレベルのユーザーは抽選の対象になる」と説明しており、具体的にはV0やV1などでは必ずしもエアドロップを受け取ることはできず、抽選によって選ばれる必要があるとみられています。
ポイントを獲得する方法は他にもあり、例えばSoSoValueの公式Xアカウントの投稿に「いいね」をすると1,000EXP、SoSoValueとXのアカウントを連携すると5万EXP、モバイルアプリをインストールすると15万EXPのように、行動に応じてEXPを獲得できます。
SOSOの価格推移
本記事を執筆している25年2月時点のSOSOの価格推移は以下の画像の通り。0.6ドル台で推移しており、前日比マイナス1.1%、前月比マイナス7.7%です。

出典:CoinGecko
上場先はBybitやGate.io、Uniswapなどの取引所。本記事執筆時点における一日の取引高は570万ドル超です。
今後の展望
SoSoValueのプラットフォームについては、無料で使える機能やデータの多さ、使いやすさなどの点から肯定的な意見が多く聞かれています。
エアドロップについても、コストをかけなくても参加できること、ステーキングによる報酬やブースト機能も導入されていることから肯定的な声が多く上がりました。
一方で、どのエアドロップも同様ですが、報酬がどのくらいの価値になるのか把握しづらい、エアドロップ目的のユーザーがいる、時間をかけたのに報酬が思っていたよりも少なかったといった声も聞かれていますので、参加するかはご自身で総合的に判断しましょう。
SoSoValueの今後については、エアドロップや開発が継続していくことから、これからもユーザーを獲得していくことが想定されます。
その後は、トークンのユーティリティの増加、AIの精度やプラットフォームの利便性の向上、新機能やインデックストークンの追加などによって、ユーザーの定着が進められるかが鍵になります。
また、SoSoValueはシンガポール発のプロジェクトであるため、ユーザーを世界に広げていけるかも注目です。
他にも、指数に連動した投資成果を目指す「パッシブ運用」の金融商品として、インデックストークンがどのくらい普及するかにも期待が集まっています。DeFi市場の新標準商品として取引が活況するか注目しましょう。
注意点とリスク
最後に、SoSoValueを使用する際の注意点やリスクを確認しておきましょう。
まず、エアドロップは報酬として無料でトークンを受け取ることができると捉えられる傾向がありますが、Claim(請求)時に手数料(ガス代)がかかることに注意が必要です。
特にSOSOのClaimを行うイーサリアムのブロックチェーンは、ネットワークの混雑時などに手数料が高くなりやすい傾向があります。状況によって手数料は変動しますが、1,000円を超える場合もあるため、混雑時を避け、ガス代が安い時間にClaimを行うなどの対策を行いましょう。
また、エアドロップは常に詐欺や偽情報に注意が必要です。SoSoValueも公式Xで度々注意を促しています。エアドロップに関する投稿を読んだり、その中にあるリンクをクリックしたりする場合は、偽アカウントによるものではないかを必ず確認してください。
他にも、レベルに応じた配分や抽選システムがエアドロップに導入されていることも留意しましょう。エアドロップのためにプラットフォームを使用してもSOSOがもらえなかったり、報酬の偏在が起こったりする可能性があります。
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