東京証券取引所プライム市場上場のゲーム開発会社gumiは、2月10日(月)に総額10億円相当のビットコイン(BTC)購入を決議したと発表。購入資金には余剰資金の一部を充当し、2025年2月から5月にかけて段階的に取得する計画だ。
gumiは取得したビットコインを単なる資産保有に留めず、クロスチェーン・ステーキングプロトコル「Babylon(バビロン)」上でステーキング運用する方針を公言。これにより、ビットコイン価格の上昇益だけでなく、ステーキング報酬やバリデータ(ノード)報酬といった継続的収益の獲得も狙う予定だ。
また、取得したビットコインは、セキュリティを確保した仮想通貨ウォレットで管理されると考えられているが、こうした企業による暗号資産の保有が増える中、コールドウォレットとホットウォレットを適切に使い分け、資産を安全に保管することが重要視されている。そのため、仮想通貨 ウォレット おすすめに掲載されているような、安全で匿名性がツールを利用した管理体制を用意し、ハッキングリスクを最小限に抑えながらビットコインの効率的な運用を目指してく様子にも注目が集まっている。
なお、今回のビットコイン購入決定は、国内上場企業による暗号資産投資事例としては異例の動きといえる。発表を受けた市場も敏感に反応し、2月12日(水)の株式市場では寄り付きから買い注文が殺到。gumi株がストップ高水準まで買われる場面が見られた。
gumiのブロックチェーン戦略
モバイルゲームで知られるgumiはここ数年、ブロックチェーン領域への事業展開を積極化させている。2022年末には大手ゲーム会社スクウェア・エニックスやSBIホールディングスとの資本業務提携を締結し、約70億円の出資を受けてメタバース事業を加速する体制を整えてきた。
事業面でも、gumiはブロックチェーン技術を用いた新規サービス開発を推進。たとえば、独自のファントークン「オシトークン(OSHI)」を基盤としたファン参加型プラットフォーム「OSHI3」を展開し、エンタメ領域でのブロックチェーン活用に注力している。
さらに、gumiは昨年からBabylonプロトコルのバリデータ事業にも参画しており、2025年4月期第2四半期には国内上場企業で初めてBabylonのバリデータ運営を開始。今回のビットコイン投資に至っている。
ブロックチェーン業界全体の動向
暗号資産やブロックチェーンを企業戦略に取り入れる動きは、世界的に加速している。特に、ビットコインを自社資産として大量保有する企業が増えており、その代表格が米国のマイクロストラテジーだ。同社は経営戦略として数10万BTCに及ぶビットコインを継続的に買い増しており、ビットコイン価格の上昇とともに株価も急騰した。
また、イーロン・マスク氏率いるテスラも、2021年2月に約1,580億円相当のビットコイン購入を発表し、現金準備の一部を暗号資産で運用する姿勢を示した。
日本国内でも、メタプラネットがビットコインへの集中投資戦略をとり、大量のBTC保有によって株価を大幅高とするとともに、直近決算では営業損益を黒字転換させている。
このように、ビットコインの急伸に伴いこれら先行企業の成功が注目されたことで、上場企業によるビットコイン争奪戦とも言えるトレンドが形成されつつあるといえるだろう。
サービスのご利用・お問い合わせに関しては、直接サービス提供会社へご連絡ください。CoinPostは本稿で言及されたあらゆる内容について、またそれを参考・利用したことにより生じたいかなる損害や損失において、直接的・間接的な責任を負わないものとします。ユーザーの皆さまが本稿に関連した行動をとる際には、必ず事前にご自身で調査を行い、ご自身の責任において行動されるようお願いいたします。