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米上院銀行委員会、クラリティー法案を5月14日にマークアップ予定

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 銀行業界、利回り条項見直し要求
  • 倫理条項めぐり民主党が抵抗

5月14日にマークアップ

米上院銀行・住宅・都市問題委員会は米時間5月14日に正式会合を開き、仮想通貨市場構造法案「クラリティー法案」のマークアップを実施することを公式日程として確定した。同委員会のウェブサイトに公開された議事日程によると、会合の模様はライブ配信される予定だ。

クラリティー法は仮想通貨業界にとって連邦議会における最優先の立法課題に位置付けられている。同法は米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)の間でデジタル資産の監督権限を分割し、どのトークンが証券に該当しコモディティに該当するかを明確化するほか、仮想通貨取引所およびステーブルコイン発行体に新たな開示要件を課す内容だ。

銀行委員会のティム・スコット委員長は今年初めに、数カ月にわたる交渉の成果を反映した278ページの超党派修正案を公表していた。

最大の障壁とされてきたステーブルコインの利回り条項に関する論点は、先週、トム・ティリス上院議員とアンジェラ・アルソブルックス上院議員の妥協案によってクリアされたとみられている。

妥協案は、口座残高への単純な利回り付与は禁止する一方、取引活動に連動した報酬は容認する内容だ。コインベース最高法務責任者のポール・グルワル氏は今週マイアミで開催された「コンセンサス 2026」カンファレンスで、「コインベースにとって最も重要な機能である活動連動型報酬を守っており、実行可能な中間地点だ」と妥協案を評価した。

同氏はまた、銀行側が主張するステーブルコイン報酬による預金流出リスクについて「銀行側はこの主張を裏付ける実質的な根拠を何も示せなかった。証拠はゼロだ」と批判している。

関連記事:ホワイトハウスがクラリティー法案の7月4日成立を目標設定、来週にも上院委員会の採決へ

ホワイトハウスの仮想通貨顧問パトリック・ウィット氏が7月4日の独立記念日を法案成立の目標日に設定した。倫理条項をめぐる民主党との交渉は進展しており、上院銀行委員会の採決は来週にも行われる可能性がある。

銀行業界6団体、第404条の具体的修正を要求

一方で、銀行業界団体側は妥協案が不十分であるとして、5月14日のマークアップを前にクラリティー法の利回り条項に関する追加修正を共和党側に求める動きを強めている。記者のエレノア・テレット氏が公開した書簡画像によると、米国銀行協会、米銀行政策研究所、コンシューマー・バンカーズ・アソシエーション、フィナンシャル・サービシズ・フォーラム、独立コミュニティ銀行協会、ナショナル・バンカーズ・アソシエーションの計6団体が連名で、上院銀行委員会の共和党リーダーシップに対して条項の修正案を提出した。

書簡は、妥協案の文言が利回り禁止の対象を不必要に狭めており、ステーブルコインを長期間保有する利用者への報酬支払いを実質的に温存しうると指摘している。

預金流出を確実に防ぐために禁止条項の例外を絞り込み、利回りに「実質的に類似する」あらゆる支払いを包括的に禁止する文言へと修正することを要求する内容であり、書簡はティリス・アルソブルックス両議員が掲げる「預金流出阻止」という政策目的と整合的な修正であると主張している。

関連記事:TDコーウェン「銀行と仮想通貨企業に妥協点なし」 クラリティー法案成立リスクが高まる

米投資銀行TDコーウェンは、銀行5団体がステーブルコインのイールド妥協案に反発したことを受け、クラリティー法案の今年中の成立リスクがさらに高まったと警告した。

倫理条項めぐる攻防、トランプ一族の仮想通貨利益が焦点

ステーブルコイン利回り問題が決着方向に進む一方で、次の主要な争点として倫理条項が浮上している。米ポリティコ(POLITICO)の記者ジャスパー・グッドマン氏の報道によると、関係者3人の証言として、民主党側はクラリティー法本体に倫理条項を盛り込むよう要求しており、銀行委員会の管轄外であるとする共和党側の主張を退けている。

共和党側は、連邦職員によるデジタル資産取り扱いに関する条項は銀行委員会の所管外であり、法案が委員会を通過したのち上院本会議へ送付されるまでの間に追加する用意があると説明してきた。これに対し民主党側はその枠組みを非公式に拒絶している。

民主党の倫理条項交渉を主導するルーベン・ガレゴ上院議員は4月29日の党内会合で、銀行委員会通過のテキスト本体に倫理条項を盛り込むことを譲らない方針を示唆した。

また、民主党のキルステン・ジリブランド上院議員は今週のコンセンサスで、「倫理条項が含まれなければ法案に賛成票を投じる民主党議員はいない」と明言した。倫理条項の対象には、議員、上級行政官、大統領、副大統領が内部者としての地位を利用して仮想通貨業界で利益を得ることを制限する内容が想定されている。

背景には、ドナルド・トランプ大統領および同氏一族の急拡大する仮想通貨関連利益がある。トランプ大統領とメラニア夫人は2025年1月の就任前にそれぞれミームコインを発行。トランプ家はDeFi・ステーブルコインベンチャーであるワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLFI)の共同創業者として大統領と3人の子息が名を連ねるほか、マイニング企業アメリカン・ビットコインの20%株式を保有し、ステーブルコインのUSD1とも関係している。米ブルームバーグはトランプ氏の仮想通貨関連事業からの価値を少なくとも14億ドルと推計している。

ホワイトハウスは7月4日成立を目標

ホワイトハウスのデジタル資産大統領顧問委員会のパトリック・ウィット事務局長は今週、同コンセンサスカンファレンスで、クラリティー法の成立目標日を7月4日の米国独立記念日に設定していると述べた。同氏は「7月4日を目標にしている。米国建国250周年を祝うにあたって素晴らしい誕生日プレゼントになると思う」と述べたうえで、上院本会議で6月中の可決、その後の下院との調整というタイムラインを描いている。

ウィット氏は別途、ホワイトハウスが特定の個人や役職を標的とする倫理条項は受け入れない方針を示しており、ルールは大統領にも議会の新人インターンにも等しく適用されるものでなければならないと述べた。

民主党側がコミットメントを撤回した場合、共和党多数の銀行委員会は党派票による法案通過は可能だが、上院本会議で議事妨害(長時間演説で採決を遅らせる手続き)を打ち切るために必要な60票確保は困難になりそうだ。

今後の注視点は、5月14日のマークアップで倫理条項の扱いがどう決着するか、銀行業界団体の利回り条項見直し要求が法案に反映されるか、および7月4日の成立目標スケジュールが維持されるかという3点だ。

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