はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

通貨秩序崩壊の先は? 著名投資家ダリオ氏が描く世界経済の未来とビットコインの役割

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

『もう手遅れだ』の先は?

世界最大級ヘッジファンド「ブリッジウォーター・アソシエイツ」創設者のレイ・ダリオ氏が29日、「もう手遅れだ:変化は既に始まっている」と題した投稿で、米国を中心とした世界経済秩序の崩壊が避けられない段階に入ったとの警告を発した。同氏によれば、米国との貿易関係を持つ多くの輸出入業者が、関税問題の行方に関わらず米国との取引を大幅に縮小する計画を進めており、「米国との相互依存関係を根本的に削減する」動きが現実のものとなっているという。

ダリオ氏は、米中間の貿易・投資関係者が代替計画を立てる必要性を強調し、この傾向は貿易関係、資本市場、地政学、軍事関係など多岐にわたる分野で広がっていると指摘した。また「世界最大の製造品消費国であり、過剰消費を賄うための債務資産の最大の生産国である米国の役割は持続不可能」と断言し、米国債保有者が「価値の下がらないドルで返済される」と考えるのは「単純すぎる」と警鐘を鳴らした。

関連:著名投資家ダリオ氏が警告「景気後退よりも深刻な事態が起きる可能性」 解決策は?

投稿では、現在の世界が「不健全な原則に基づいた通貨秩序、国内政治秩序、国際秩序の崩壊の瀬戸際にある」と分析。歴史的に見て類似のパターンが繰り返されていると指摘し、「米国を迂回して新たな提携を形成する国々による新秩序」が出現する可能性も示唆した。ダリオ氏は、最良の解決策として「冷静で分析的かつ協調的なエンジニアリングと実装」を挙げ、自著「How Countries Go Broke: The Big Cycle(国家破綻の歴史:大きな循環)」で提案している「3パート・3パーセント・ソリューション」が米国政府の債務問題を解決すると主張している。

関連:『ビットボンド』提案、トランプ政権のビットコイン準備金戦略、年間10兆円の財政削減効果も

ビットコインの居場所は?

注目すべきは、ダリオ氏が昨年12月のアブダビ・ファイナンス・ウィークでの講演において、債務危機への懸念から金やビットコイン(BTC)などの「ハードマネー(発行上限のある通貨)」を選好する姿勢を示したことだ。当時、「債券などの債務資産を避け、金やビットコインなどのハードマネーに注目すべき」と主張し、ドイツを除く主要経済国の債務が「前例のない水準」に達していると警告していた。

興味深いのは、ダリオ氏のビットコインに対する立場の変化である。2020年には変動性や限定的な使用例を理由に懐疑的だったが、2021年には自身の保有を認めるなど、徐々にビットコインとの向き合い方を変えてきた。今回の投稿では直接ビットコインに言及していないが、世界経済秩序の変化という文脈の中で、従来の金融システムへの依存度を下げる動きが加速する可能性を示唆しており、仮想通貨の価値提案にも関連する内容と言える。米国の財政問題と世界経済の変動が続く中、投資家や政策立案者は「日々の市場変動や政策発表に反応して見解や立場を揺らすのではなく」長期的視点で対応すべきだとダリオ氏は結論づけている。

米国債務問題に加え、日本や中国も膨大な公的債務を抱え、世界の主要経済における債務危機は深刻化している。米国の国家債務は28兆ドルを超え、多くの経済専門家が持続不可能な債務対GDP比率と金融システム崩壊リスクを警告する中、ダリオ氏の見解は長期的な経済変動を読み解く重要な視点を提供している。

関連:億万長者投資家ダリオ氏、ビットコインを「ハードマネー」として推奨

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/14 金曜日
21:20
CourtYard(コートヤード)でトレカをNFT化|使い方を初心者向けに徹底解説
トレーディングカードをNFT化して取引できるCourtYard(コートヤード)の使い方を解説。アカウント開設からPolygon上での取引方法、ガス代準備、リスクまで初心者向けに図解で詳しく紹介します。
21:00
ビットコインウォレットのおすすめは?種類・選び方・アドレス作成手順まで解説
ビットコインウォレットの種類や違い、安全な選び方を徹底解説。ハードウェア・ソフトウェアの比較からアドレス作成、セキュリティ対策まで初心者にもわかりやすく紹介します。
17:19
米ビットコイン現物ETF、過去2番目の規模の純流出 リスクオフが加速
11月13日、ビットコイン現物ETFは8.7億ドル(約1,340億円)の純流出を記録し、過去2番目の規模に。イーサリアムETFも3日連続で流出。FRB当局者の慎重発言を受け、仮想通貨と米国株が同時に下落。専門家は健全な調整との見方も。
16:46
Aptos Labs CBOが語る日本戦略|独占インタビュー
Aptos Labs CBO Solomon Tesfaye氏独占インタビュー。日本の大手金融機関との協議、ステーブルコインUSD1の展開、グローバル戦略を語る。
16:32
ビットコインのみ投資へ 欧州初のルクセンブルク国家ファンドがETF経由で1%配分
ルクセンブルク財務相が、国家ファンドFSILが他の仮想通貨ではなくビットコインのみに1%配分したことを明言。欧州初の国家レベルでのビットコイン投資となる。
15:06
ヴィタリック、分散化の原則を強化する「トラストレス宣言」を発表 中央集権化に警鐘
イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏らが「トラストレス宣言」を発表。検証可能性や検閲耐性など6つの核心要件を定義し、利便性優先による中央集権化リスクに警鐘を鳴らした。トラストレスこそがイーサリアムの本質であり、信頼できる中立性を達成する唯一の方法だと強調している。
15:06
JPYC、米サークル社オンチェーンFX網のパートナー通貨に採択
JPYCが米CircleのオンチェーンFX網「StableFX」で日本円パートナーに採択。USDCとの即時交換に対応し、国際送金・決済インフラで円建てステーブルコインの役割が拡大する見通し。
13:35
日本円ステーブルコインJPYC、発行額2億円突破
JPYC株式会社は、日本円建ステーブルコイン「JPYC」の累計発行額が2億円を突破したと発表。正式発行から約18日間での達成。保有者数は約3.1万人に達し、JPYC EXの口座開設数も6,000件に到達した。
11:57
「ビットコイン、株高に反応鈍く下落時は増幅」Wintermuteが非対称性を指摘
Wintermuteの最新レポートによると、ビットコインはナスダック指数と0.8の高相関を維持するも、株高局面で反応が鈍く下落時のみ敏感に連動。この負のスキューは2022年以来最高水準で、通常は市場底値圏で見られるパターン。資金の株式市場シフトと流動性低下が背景に。
11:49
大手銀BNYメロン、ステーブルコイン準備金のためのMMFを立ち上げ
大手銀BNYメロンがステーブルコイン発行者向けのマネー・マーケット・ファンド「BSRXX」立ち上げを発表。ジーニアス法対応の準備金ファンドとなる。
11:04
21シェアーズ、仮想通貨指数ETF2本を米国上場 投資会社法適用は米国初
21シェアーズが投資会社法(1940年法)準拠の仮想通貨インデックスETF2本を米国で上場。TTOPとTXBCは、ビットコイン、イーサリアム、ソラナなど主要デジタル資産への分散投資を提供。機関投資家向け「ゴールドスタンダード」のETF構造を採用。
10:33
ビットコインが今月3度目の10万ドル割れ、フラッシュクラッシュ後の資金戻り鈍化
ビットコインは今月3度目となる10万ドル割れを記録し、低調な値動きが続いた。背景には、FRBが利下げに慎重な姿勢を示していることに加え、東証などを運営する日本取引所グループ(JPX)が仮想通貨トレジャリー企業に対して規制を示唆する報道が流れ、市場心理を冷え込ませたことが挙げられる。
09:54
グレースケールのIPO登録書類が公開 トランプ政権下で上場申請続く
仮想通貨資産運用企業グレースケールは、IPO登録届出書を米SECに提出。市場が構築されれば株式のトークン化も検討していく意向を示した。
09:32
米国でXRP現物ETF上場、初日取引高は90億円を記録
カナリー・キャピタルの仮想通貨XRP現物ETFが米国で上場。初日取引高90億円を記録した。2025年に上場したETF中でトップの数字となった。政府機関再開でさらなる承認も期待される。
09:18
チェコの中銀、試験的にビットコインを購入
チェコの中央銀行は、歴史上初めてデジタル資産を購入したと発表。購入したのは仮想通貨ビットコインで、他にも米ドルステーブルコインとトークン化預金も保有すると説明している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧