はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

著名投資家ダリオ氏が警告「景気後退よりも深刻な事態が起きる可能性」 解決策は?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

トランプ政権の関税政策と経済的混乱

世界的ヘッジファンド「ブリッジウォーター・アソシエイツ」の創設者で投資家のレイ・ダリオ氏は、米NBCのインタビューで、トランプ政権の関税政策と現在の世界的な緊張が「景気後退よりも悪い」危機につながる可能性があると警告した。

ダリオ氏は、トランプ大統領の関税政策を「より大きな問題の症状」と表現。歴史的に5つの大きな力(金融/経済秩序、国内政治秩序、国際地政学的秩序、自然現象、技術)が複雑に組み合わさり、世界を動かしてきたが、現在は、政府債務問題による金融の不均衡や国内の政治秩序の変化に直面していると指摘した。また、国家間の関係では、台頭する大国が既存の大国に挑戦し、多国間主義から単独主義へと移行しつつあると述べた。

トランプ大統領の関税政策についてダリオ氏は、税収確保や国内製造業の復活といった目的は現実的だが、その実行方法が重要だと強調。大きな混乱を招いた現在のアプローチは「生産システムに石を投げ込むようなもの」であり、世界経済の効率に与える影響は非常に大きいと批判した。

関連:トランプ関税でビットコインマイニング収益悪化 赤字企業続出

景気後退に突入する可能性と最悪のシナリオ

ダリオ氏は2008年の金融危機を正確に予測した実績を持つ。景気後退に突入する可能性を尋ねられると、「現在は、意思決定の分岐点にあり、景気後退に非常に近い状況だ。」と回答した。

同氏は、貨幣秩序の崩壊や大きな国内および国際秩序の変化を目の当たりにしている今の時代は、1930年代と非常によく似ていると指摘。関税と過剰債務、地政学的な勢力図の変化が組み合わさると、対応次第で景気後退よりもずっと深刻な混乱を引き起こす可能性があると、警告した。

その中でも最大の懸念は、貨幣価値についてだという。供給過剰と需要不足のために、富の蓄えが脅かされ貨幣インフレが起きると、大きな混乱が生じるとダリオ氏は指摘した。

1971年の金融危機、あるいは2008年の金融危機のような事態になるかもしれない。同時に他の問題も発生すれば、さらに悪い状況になる可能性もある。景気後退、政治紛争、そして国際紛争が同時に起こることを想像してみたらわかる。

最悪のシナリオについて具体的に問われると、ダリオ氏は以下の3点を挙げた。

  1. 通貨価値の崩壊
  2. 正常な民主主義の機能を壊す内部対立
  3. 世界経済に深刻な混乱をもたらす、軍事衝突にまで発展する可能性のある国際紛争

ダリオ氏は、このような状況は過去の歴史的サイクルに似ており、第2次世界大戦直後に始まった通貨・地政学的秩序が崩壊することを懸念していると付け加えた。

解決策は?

しかし、ダリオ氏は、危機を回避するための解決策はあると強調。米国政府が取り組める具体的な方法を提案した。

  • 財政赤字をGDPの3%まで削減する
  • 1991年から1998年のように、超党派で取り組む
  • 社会全体の利益のために行動する
  • 国際社会においては、米国の強みを活かして、破壊的な対立を起こさないよう、質の高い交渉を進める。

ダリオ氏は「協調的で賢明な行動をとれば、この移行を秩序ある形で乗り越えることができる」と、建設的な見方をも示した。

関連:トランプ関税が招く人民元安、ヘイズ氏が「ビットコインの起爆剤に」と予測

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/06 土曜日
13:46
仮想通貨市場構造を定める「クラリティ法案」を遅滞させる3つの争点とは? 専門家見解
仮想通貨に詳しい弁護士が、ビットコインなどについて米国の規制を明確化する「クラリティ法案」の年内進捗は期待薄だと見解。3つの争点が議論のハードルだと指摘する、
11:15
メタマスク、予測市場取引機能を導入 ポリマーケットと連携しウォレット内で完結
メタマスクが12月4日、トラストウォレットが12月2日に予測市場機能を相次いで発表した。ユーザーは自己管理型ウォレット内で実世界のイベント結果を予測し仮想通貨で取引できるようになる。
10:45
SBI VCトレードとサッポロビール、黒ラベルTHE BARリニューアル記念でNFT配布キャンペーン開始
仮想通貨取引所SBI VCトレードとサッポロビールがWeb3技術を活用した実証実験を12月5日に開始した。黒ラベルTHE BARのリニューアルを記念し、応募者全員にNFTを配布。保有者は店舗で特別なビール体験が受けられる。
10:10
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、5週連続で資金流出 4200億円規模に
ブラックロックの仮想通貨ビットコイン現物ETF「IBIT」から5週連続で約4200億円が流出した。上場以来最長の流出超過を記録。同社の事業開発ディレクターは「正常な動き」と述べた。
09:30
米SEC、仮想通貨プライバシー円卓会議を来週開催 ジーキャッシュ創設者も参加
米証券取引委員会が金融監視とプライバシーをテーマにした円卓会議を12月15日に開催予定。ジーキャッシュ創設者ゾーコ・ウィルコックス氏を含む専門家がパネリストとして参加し、仮想通貨の匿名技術と監視措置について議論を行う。
08:35
トム・リーのビットマイン、今週約9.8万ETHを追加購入 総保有額1.8兆円相当
ビットマインは今週もETHの押し目買いを実施し9万7650イーサリアムを追加購入した。アーカムのデータによると、同社の総保有額は1.8兆円に達しETH総供給量の3.16%を占めている。
08:00
KLab、ビットコインと金を組み合わせた財務戦略を発表
KLabは、仮想通貨ビットコインと金を財務資産に組み込むデュアル・ゴールド・トレジャリー戦略を実施すると発表。同日発表した資金調達で得る約51億円のうち36億円を充当する。
07:35
ウィズダムツリー、欧州初の完全ステーキング型イーサリアムETPを上場
ウィズダムツリーが4日、Lidoプロトコル経由でミントされたstETHのみを保有する欧州初の完全ステーキング型イーサリアムETPを上場した。運用資産約5000万ドルでドイツ、スイス、フランス、オランダの取引所で取引が開始された。
06:30
ビットコイン保有企業の指数除外方針に反対、ストライブ社がMSCIに書簡
米ナスダック上場企業ストライブがMSCIに対し、ビットコイン保有企業を株式指数から除外する提案に反対する書簡を送付した。同社は7500BTC以上を保有する企業として、50%基準は不公平で実行不可能だと主張。
05:55
仮想通貨評価損不計上でフィスコとクシムに課徴金勧告 金融庁監視委が虚偽報告を指摘
証券取引等監視委員会が5日、フィスコとクシムに対し、仮想通貨の評価損を適切に計上せず有価証券報告書に虚偽記載を行ったとして、それぞれ1500万円と1200万円の課徴金納付を勧告した。
12/05 金曜日
19:26
テザー投資家が英政党に史上最高額寄付 改革党に18億円相当
ステーブルコイン発行会社テザーの投資家クリストファー・ハーボーン氏が英国改革党に900万ポンド(約18億円)を寄付し、存命個人からの政党寄付として史上最高額を記録。米国でもトランプ大統領が選挙期間中に仮想通貨業界から2600万ドル超を集めるなど、仮想通貨資金が英米両国の政治に影響力を持ち始めている。
18:40
Cloudflare障害でコインベースなど取引所が一時アクセス不能 11月に続き再発
12月5日夕方、Cloudflareの障害により、コインベースやクラーケンなど複数の仮想通貨取引所とDeFiプロトコルのユーザーインターフェースが一時的にアクセス不能に。11月18日に続く障害で、インフラ依存のリスクが再び浮き彫りとなった。
17:24
米上場AlphaTON Capital、約630億円調達へ TONトークン取得とAI投資
ナスダック上場のデジタル資産運用企業AlphaTON Capitalが、米SECに4億2069万ドル(約630億円)の資金調達枠を申請。TONトークンの追加取得とテレグラムのCocoon AIネットワークへの投資を計画。TONエコシステムへの機関投資加速が見込まれる。
14:30
チェーンリンク現物ETF、初日に64億円の流入で好調 ソラナETFからは最大流出
仮想通貨チェーンリンク現物ETFの取引初日に64億円が流入し好調な滑り出しとなった。一方ソラナ現物ETFからは過去最大の資金流出があった。
14:00
国際通貨基金(IMF)、ステーブルコインの規制断片化に警鐘 
国際通貨基金が今週、ステーブルコイン市場の評価報告書を公開し、各国の規制枠組みの断片化が金融安定性を脅かし監視を弱体化させ、国境を越えた決済の発展を遅らせていると警告した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧