ゴールド取引をはじめてみよう！

古くから多くの人々を魅了してきたゴールド。それだけに昔から「安全資産」として扱われ、取引対象のひとつとして人気があるのはもちろん、経済不安やインフレリスクに対するヘッジ手段として投資家に重視されています。

今日、ゴールド取引とは、金（ゴールド）の価格変動を活用して利益を得るための取引を指しており、金そのものを購入する方法だけでなく、金融商品を通じて取引するなど、さまざまな方法で行われています。

ここ数年の間に、日本でも若い世代を中心に投資ブームが巻き起こっていますが、そのひとつとしてゴールド取引に興味をもっている方も少なくないのではないでしょうか。ここでは、そうした方々に向けてゴールド取引の種類を説明していきたいと思います。

ゴールド取引の種類

現物取引（Physical Gold）

現物取引とは、文字通り、実際のゴールドを購入して保有する方法です。金の延べ棒や金貨として購入することが一般的で、資産として物理的に保有することで、金融システムの不安定性や通貨の価値変動に対する保護手段となります。

ただし、保管場所や保険費用がかかる場合がある他、売買時には、ゴールドの価格と流動性、取引手数料などが影響するという特徴があります。

ゴールド先物取引（Gold Futures）

先物取引とは、将来の一定の時期に特定の金額でゴールドを売買する契約に基づいて行われる取引を指しています。つまり、売買契約を結ぶ時点でゴールドの価格を決め、その後の価格変動で利益を得られるようになっています。

こうした先物契約は、実際に物理的にゴールドを受け取るわけではなく、価格差で利益や損失を確定することが一般的で、主に投機的な目的で使用されることが多いです。また、レバレッジを効かせて取引することも可能となっています。

ゴールドETF（Exchange-Traded Fund）

ゴールドETFは、ゴールドの価格に連動するように設計された金融商品で、株式のように証券取引所で売買できます。実際にゴールドを保有することはなく、ゴールドの価格に連動する金融商品を取引するほうほうになっています。

つまり、ゴールドの保有に関する管理や保管費用が発生しないため、手軽に投資ができるというメリットがあります。その反面、ゴールドの価格変動は享受できますが、物理的なゴールド資産を持つ感覚は薄いかもしれません。

また、流動性が高く、24時間取引所で売買できるため、すぐに売却することができるのも大きな特徴となっています。

CFD取引（Contract for Difference）

CFD（差金決済取引）は、ゴールドの価格差を利用して利益を得る取引です。ゴールドを実際に購入することなく、価格の上昇や下降に対して取引を行う方法になります。

レバレッジを使って少額の資金で大きなポジションを取ることができるほか、上昇局面だけでなく、下降局面でも利益を狙うことができます（ショートポジション）。

ゴールド株（ゴールド関連株）

これは、ゴールドの採掘を行っている企業の株式を購入するという方法です。つまり、ゴールドの価格が上がると、金鉱会社の業績も良くなる可能性が高いので、株価が上昇することがあり、そこから利益を得る取引方法になっています。

ただし、ゴールドの価格に間接的に連動しますが、企業の経営状態や生産コスト、政治的リスクなどによっても株価が影響を受けるため、より高いリスクを伴いますがリターンも大きい可能性があります。

ゴールド取引のメリット

上記のように、ゴールド取引と一言で言ってもその種類は実にさまざまです。しかし、共通して言えるのは、他の投資商品と比べても非常に大きなメリットがあるという点です。

では実際に、ゴールド取引を選択することで、どういったメリットがあるのか見ていきましょう。

インフレ対策

ゴールドは、長年にわたってインフレに強い資産とされています。インフレが進行すると、貨幣の価値が下がり、物価が上昇しますが、ゴールドはその価値を保ちやすいとされているため、物価上昇に対抗する手段として投資家に選ばれています。

また、歴史的に見ても、ゴールドの価値はインフレ局面で上昇しやすい傾向があります。

経済不安時の安全資産

ゴールドは「安全資産」として、経済や政治の不安定さから資金を避難させる手段として広く認識されています。経済や政治の不安定性、さらに金融危機や地政学的リスク（戦争、テロ、政治不安）などが高まると、リスク回避のための避難先として、投資家はゴールドを購入する傾向があります。

ゴールドは「不確実性の時代に強い資産」として見なされているため、株式や債券市場が不安定なときでも価値を保つことが期待できます。

実際、これまでも株式市場が不安定なときや金融危機が発生した際には、ゴールドが買われる傾向がありました。

分散投資（ポートフォリオの多様化）

ゴールドは、株式や債券といった他の金融資産とは異なる動きをするため、投資ポートフォリオに加えることでリスクを分散できます。特に、株式市場や債券市場が不安定になると、金の価格が上昇することが多いため、ポートフォリオ全体のボラティリティ（価格変動）を低減させることができます。

金利の影響を受けにくい

通常、ゴールドは金利が低いときに魅力的な投資対象となりますが、金利上昇局面でも大きな影響を受けにくいという特徴があります。株式や債券は金利上昇に敏感に反応しますが、ゴールドは金利が上昇してもその価値をある程度維持しやすいとされています。

レバレッジを効かせた取引が可能

CFD（差金決済取引）などのゴールド取引の場合、レバレッジを使うことができます。つまり、少ない元手で大きなポジションを持ち、価格変動から利益を狙うことが可能です。これにより、資産規模に関わらず多くの投資家が金に投資するチャンスを得られます。

24時間取引が可能

ゴールドの取引市場は、基本的に24時間営業しており、世界中の市場で取引が行われています。また、ゴールドの価格は世界中でリアルタイムで動いており、取引所での流動性も高いため、投資家はいつでも金を売買することができます。

世界的に広く認識されている価値

ゴールドは、ほぼすべての国や文化で価値が認められているほど、歴史的にみても重要な資産のひとつです。

たとえ国や地域によって通貨や金融制度が変動したとしても、ゴールドは普遍的な価値を持ち続けており、世界中で取引されているため、国際的な取引においても重要な役割を果たします。