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英中銀、ポンド建てステーブルコインの行動規範案を公開 発行上限や利回り禁止など提案

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 発行上限は一時的に400億ポンドに設定
  • 意見募集は9月22日締め切り、2027年から運用開始へ

システム上重要なステーブルコインの規範

英国の中央銀行であるイングランド銀行は22日、金融システム上重要となるポンド建てステーブルコインに関する規制枠組みの方針と行動規範の草案を公開した。発行上限や利回り、償還など様々な点を盛り込んでいる。

この枠組みに関する意見受け付けの期限は9月22日だ。イングランド銀行は、2026年末までにルールを確定させ、該当するステーブルコイン発行者が2027年からこの制度下で事業を行えるようにすることを目指す。

「システム上重要なステーブルコイン」とは、決済に広く利用され、その機能が停止した場合に英国の金融安定性にリスクをおよぼしたり、金融システムの信頼を損なったりする可能性があるトークンだと定義されている。

システム上重要とは指定されず、主に暗号資産(仮想通貨)取引に使用されるステーブルコイン(USDTやUSDCなど)については、引き続き金融行動監視機構(FCA)の単独監督下に置かれる見込みだ。

まず、2025年時点の提案では、個人や法人のステーブルコイン保有額に上限を設けることが検討されていたが、今回の案では、運用上の懸念やコスト、複雑さを考慮し、こうした保有制限は導入しないとしている。

一方で代替措置として、各ステーブルコインに対して、一時的に400億ポンド(約8.6兆円)の発行上限を設けるとの内容を盛り込んだ。これは、銀行預金からステーブルコインへ急速に資金が移動した場合に、家計や企業への融資に悪影響を及ぼすリスクを緩和するための措置だとされる。

また、システム上重要なステーブルコインの発行者が、保有者に対して利回りを支払うことは認められないとした。ただし、決済手段としての利用と整合性がある限り、活動に応じた報酬や利回り以外のインセンティブを提供することは認められる。

現時点では、米国で審議されている「クラリティ法案」でも、ステーブルコイン保有に対する直接的な利回りは禁止するものの、決済利用に応じたキャッシュバックなどの報酬は認める方向で議論が進んでいるところだ。

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裏付け資産、資本、償還などの要件

今回の提案では、裏付け資産の要件も更新された。「短期英国政府債券70%」と「イングランド銀行への無利息預金30%」の構成を求めている。保有できる政府債券の残存期間は6か月以内に限定されるとも規定する。

資本要件としては、ステーブルコイン発行者に対して、6か月分の運営費または「経営危機に陥った場合の立て直し計画および安全な事業清算計画にかかる費用」のいずれか高い方に相当する資本を保有するよう求める内容だ。

同時に、通常時および破綻時のいずれにおいてもステーブルコイン保有者を保護するよう設計された信託構造の下で準備資産を管理することも義務付けている。

償還については、請求を受理してから可能な限り速やかに、かつ24時間以内に処理する必要があるとしている。「請求の受理」とは、発行者が請求を受け取り、AML(マネーロンダリング防止)およびKYC(顧客身元確認)を完了し、自社のウォレットでコインを受け取った時点を指す。

イングランド銀行は、今回の案に寄せられたフィードバックを検討し、2026年内に行動規範を確定させる計画だ。2027年には行動規範の運用に関する具体的なガイダンスなどの草案を公開し協議する見込みとしている。

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