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ヴィタリック、イーサリアム財団の予算4割削減と基金モデルへの転換を発表

この記事のポイント
  • 2030年以降の年間支出を現在の15%から5%へ段階削減
  • Devcon縮小・PSE縮小など具体的なコストダウンを明示

よりスリムな財務モデルへ

イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は23日、Xへの投稿で、イーサリアム財団(EF)の長期的な「エンダウメント(基金)型」の運営モデルへの移行を見据え、2026年の予算を約40%削減すると明らかにした。

同日、EFは公式ブログで54名の人員削減(全従業員の約20%)と、5つのクラスターを中心とした大規模な組織再編を発表した。ブテリン氏の投稿は、この組織改革の財務的な背景と長期的な狙いを説明する内容となっている。

同氏によると、今回の削減目標は2025年に策定した財務管理方針に基づくもので、EFは年間支出を現在の約15%から2030年以降は約5%へ段階的に引き下げることを目標としている。

基金モデルでは運用収益を活動資金の主軸に据えることで、EFは元本を取り崩すことなく、長期にわたって活動を続けられる体制になる。

関連記事:イーサリアム財団が組織再編、人員を20%削減しプロトコル強化に集中

イーサリアム財団は23日、数ヶ月に及ぶ組織再編の結果として54名(全体の約20%)を削減し、プロトコル層をはじめとする5つのクラスターを軸とした新体制に移行したと発表した。投資家にとっては財団の戦略的優先順位が明確化される局面となる。

イーサリアム第三世代への移行

ブテリン氏は今回の予算削減は、単なるコストカットではなく、限られた予算でイーサリアムの大規模な技術刷新を実現するための選択だと強調した。

同氏は、現在EFが進めている「イーサリアム・ストローマップ(Strawmap)」に言及。これは、コンセンサス、証明、プライバシー、アカウントモデル、ステート管理など、プロトコルのほぼ全領域を刷新する極めて野心的な計画であり、「The Merge」に続くイーサリアムの第三世代(イテレーション)への移行に当たると説明した。ただし、Mergeとは異なり、各要素ごとに段階的導入する形を取るという。

また、EFは「アクセス層」における役割拡大も目指す。ブテリン氏は、量子コンピューターやAI時代にも耐えうる高性能なプロトコルの実現という目標においては妥協しないという姿勢を示した。

予算削減による不足分の一部はEF外での活動増加で補うことになるが、すべてをカバーできるわけではない。そのため、組織のスリム化と引き換えに「大きな犠牲」を伴う選択を迫られていると率直に語った。

ブテリン氏は、その犠牲の具体例の一部として、以下を挙げている。

  • マルチクライアント戦略の転換:
    従来の「冗長性」重視から、各クライアントが異なる役割を担う「専門化」へ移行。AIを活用した形式検証(Formal Verification)の導入を進め、開発・保守コストを削減。
  • PSE(プライバシー&スケーリング調査チーム)の縮小:
    暗号技術(ZKPなど)の取り組みを、広範な「調査・探索」から「重要領域に絞った具体的な構築」へと切り替え、必要なリソースを削減。
  • Devcon(開発者会議)の規模縮小:
    より小規模で無駄のない運営により、赤字を大幅に減らす。
  • 財団主導の大型プロジェクトを縮小:
    イーサリアム以外の大型プロジェクトへの関与を減らし、一部はブテリン氏が個人資金で支援する。
  • 機関向け活動の絞り込み:
    検閲耐性・オープンソース・プライバシー・セキュリティ(CROPS)に適した再現可能なユースケースの構築に重点を置く。

ブテリン氏はまた、「ストローマップ」完了後のイーサリアムのあり方として、開発方針をセキュリティ修正や価値の高い限定的な変更へとシフトさせ、プロトコルへの新機能追加の基準を大幅に引き上げるべきだとしている。

これにより、巨額の予算を必要とせずにイーサリアムのキャプチャ耐性(中央集権化への抵抗力)を維持できると説明。数百万行のコードを抱える巨大プロジェクトではなく、ビットコインから学ぶべきだとの考えを示した。

ブテリン氏は、直近数年はイーサリアムにとって厳しい時期だったが、エコシステムはEF内外で適応を進めているとし、「イーサリアムは成功し、繁栄するうえで非常に有利な位置にある」と結んだ。

関連記事:イーサリアム財団元研究者5名が『エスラボ』設立、ビットマインらが出資し機関対応研究を推進

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