- 民主・共和ともに反対論残る、60票なお不透明
- 本会議入りの動議は未提出
上院倫理条項に妥協案
米上院のトム・ティリス上院議員とルーベン・ギャラゴ上院議員は30日、クラリティー法の倫理条項に関する新たな妥協案をホワイトハウスに送付した。ザ・ブロックやコインデスクが関係者の内容として報じた。
クラリティー法は、仮想通貨の規制所管をSECとCFTCに分ける包括的な市場構造法案で、今年5月に上院銀行委員会を可決している。今回の妥協案の具体的な文言は明らかになっておらず、両議員は政府高官の仮想通貨事業への関与を制限する条項を巡る民主・共和両党の隔たりを埋める内容を検討したという。
民主党は、トランプ大統領が就任前に立ち上げたミームコインや、大統領一族が関与するワールド・リバティー・ファイナンシャルとの利害関係を問題視し、より厳格な倫理規定を要求してきた。先月公開された資産公開文書では、トランプ大統領がワールド・リバティー・ファイナンシャル関連で数百万ドルを受け取っていたことが明らかになった。
コインデスクによると、ティリス上院議員とギャラゴ上院議員は、ホワイトハウス承認の倫理規定が大統領の仮想通貨事業への対応として不十分だとする民主党側の主張を踏まえ、隔たりを埋める作業を担ってきた。
先週公開された修正版の草案はトランプ大統領の承認を得たもので、公職者とその配偶者による仮想通貨の発行・支援を禁じる一方、他の家族には適用されない内容だった。執行権限は米司法省に与えられ、規定は2029年1月に失効する条項が付いており、関係者はこの失効条項が倫理規定全体を無効化すると述べた。現在の司法長官代行トッド・ブランシュ氏はトランプ大統領の元個人弁護士であり、失効前に執行措置に踏み切る可能性は低いとされる。
関連記事:SECが仮想通貨規則案を検討、クラリティー法停滞の代替策か=投資家
クラリティー法の上院審議が停滞する中、米SEC企業金融局が仮想通貨の募集・売出しに関する規則制定を検討中と規制情報DBで判明。SECとCFTCの共同規制プロジェクトの一環として、法整備の遅れを補う動きとの見方を投資家が示す。
8月休会前の日程
上院は8月7日から休会に入る予定で、クラリティー法の可決に残された時間は限られている。他の法案とも審議時間を競っており、可決に必要な60票の確保は依然厳しい状況だ。
ジョン・スーン上院院内総務は28日のFOXニュースのインタビューで、政府機関の予算確保や人事案の処理を優先課題に挙げつつ、クラリティー法についても手続き投票の形で扱う可能性があると述べた。
コインデスクによると、スーン議員は法案の可決には至らない可能性が高いとの見通しを維持しているという。
関連記事:米上院、クラリティー法採決を来週先送りへ
米仮想通貨市場構造法案「クラリティー法」の今週中の採決の望みが薄れ、ロシア制裁法案の審議が優先される見通しとなった。焦点は来週以降の討議開始に移る。
業界と関係者の反応
民主党は、利害相反を防ぐ十分な倫理規定が整うまで法案に反対する姿勢を崩していない。一方で、ステーブルコインの利用者への金利類似の還元制度を巡っては共和党内からも異論が出ており、銀行業界はこの制度が銀行預金の流出を招くと反発している。
スコット・ベッセント財務長官は30日、SNS上で法案が採決に至っていない責任は民主党にあると指摘した。また、仮想通貨業界団体クリプト・カウンシル・フォー・イノベーションは同日の報告書で、欧州連合など他地域が規制整備を進めている点を挙げ、法案が成立しなければ米国の市場規制における主導権が損なわれると警鐘を鳴らした。
本会議入りは未定
上院では現時点で法案の審議入りを求める動議も、討論終結(クローチャー)動議も提出されておらず、本会議での審議は始まっていない。スーン上院院内総務は他の法案対応を優先しており、9月の議会再開後に審議が持ち越される可能性が高まっている。



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