「ビットコインが暴落した今、口座開設しても大丈夫だろうか」。そんな不安を抱えてこの記事にたどり着いた方は少なくないはずです。
結論を先にお伝えすると、ビットコインは過去に何度も大幅な下落を経験してきましたが、そのいずれも数年以内に底値から回復し、過去最高値を更新してきた実績があります。
本記事では2018年・2022年・2024年以降という3つの代表的な暴落局面を取り上げ、当時の下落率・回復期間・その後の高値を具体的な数値で振り返ります。さらに日経平均株価との比較を通じて、暴落と回復は暗号資産(仮想通貨)だけの特殊現象ではないことも確認します。「感情」ではなく「データ」で判断するための材料として、ぜひご活用ください。
ビットコインはなぜ暴落するのか?主な要因を整理
ビットコインの急落は一見「突然起きる」ように感じられますが、過去を振り返るといくつかの典型的なパターンに整理できます。まず背景を理解することで、漠然とした不安を「理由のあるもの」に整理しましょう。
暴落の主な4つのパターン(規制・マクロ・事件・バブル)
①規制強化
各国政府による取引規制・税制強化が発表されると、市場全体が売り圧力にさらされます。2017〜2018年の中国・韓国の規制強化はその典型例です。
②マクロ経済ショック
米国の利上げやインフレ懸念など、株式市場を揺らす要因はそのまま仮想通貨市場にも波及します。2022年の下落は米FRBの急速な金融引き締めが大きな背景でした。
③取引所ハック・破綻
2014年のマウントゴックス破綻、2022年のFTX破綻はいずれも市場全体の信頼を一時的に大きく揺さぶりました。
④バブル崩壊
過熱した相場はどこかで必ず調整を迎えます。2017年末のICOバブル、2021年のNFTブームはいずれも期待先行で押し上げられた後、大きな反動が訪れました。
「暴落にはパターンがある」という視点
これら4パターンに共通するのは、「恐怖がピークに達した後、時間をかけて市場は回復してきた」という事実です。つまり暴落はビットコインの歴史の一部として繰り返し発生しており、その都度、市場は新しい価格水準へと移行してきました。次のセクションで、具体的な数値を見ていきます。
過去の主要暴落と回復データ(2018年・2022年・2024年)
過去3回の主要な暴落局面を、データで振り返ります。最高値・底値・下落率・回復までの期間を数値で確認することで、「その都度”終わり”と言われながらも、市場は回復してきた」という事実が見えてきます。価格は円建て概算値です。
2018年 ― 仮想通貨バブル崩壊

出典:TradingView
2017年12月、ビットコインは約220万円という当時の最高値を付けました。しかし翌2018年にかけて急落し、同年12月には約36万円まで下落。下落率は最大で約84%に達しました。背景はICOブームの崩壊と各国の規制強化で、当時のメディアは「仮想通貨の時代は終わった」と報じました。
しかし実際には2020年後半から回復が始まり、2021年11月には約770万円という新たな最高値を更新しました。底値から約3年で、前回高値を大きく上回る水準へと市場は戻ったことになります。
関連:財務省広報誌「ビットコイン先物が2017年仮想通貨バブル崩壊をもたらしたのか」
2022年 ― LUNA/Terraショック・FTX破綻

出典:TradingView
2021年11月の約770万円を最高値として、2022年11月には約220万円まで下落しました。下落率は約71%。背景には、ステーブルコインTerraUSDの崩壊に端を発するLUNAショック、米FRBによる急速な利上げ、そして11月の大手取引所FTX破綻という「業界最大級の信用ショックの連続」がありました。特に時価総額数兆円規模のLUNA/USTが事実上ゼロ近くまで暴落したことは、業界全体の信頼を大きく損ない、機関投資家を含む多くの参加者が市場から撤退するきっかけとなりました。
この局面でも「もう仮想通貨は終わった」と広く言われましたが、2023年を通じて段階的に回復。2024年1月に米国で現物型ビットコインETFの取引が開始されたことが大きな転換点となり、機関投資家の新たな需要が加わりました。同年3月には2021年の高値を更新し、底値から約16か月での回復は、2018年暴落時の約3年と比べて大幅に速いペースでした。
関連:テラUSD(UST)のディペッグ騒動 Terraform Labs社や取引所の対応まとめ
2024年以降 ― 過去最高値更新後の調整局面

出典:TradingView
2024年1月の米国現物ETF承認、同年4月の半減期(約4年ごとに採掘報酬が半減するイベント)、そして同年11月の米大統領選でのトランプ氏勝利を経て、ビットコインは上昇が加速。トランプ政権は選挙期間中から仮想通貨に親和的な姿勢を示しており、政権発足後も「戦略的ビットコイン備蓄」の検討や友好的な規制整備への期待感が市場を後押しし、2025年10月には約1,880万円台(一部で1,900万円近く)の過去最高値を更新しました。
直近の下落は過去2回ほどの規模ではないものの、短期のボラティリティは依然として大きく、多くの個人投資家が「今始めるべきか」という判断に迷っている局面です。ただし過去のデータを踏まえれば、この調整は長期的な上昇サイクルの中の一局面とも捉えられます。
関連:ビットコイン10万ドル突破の2024年、仮想通貨市場を重要ニュースから振り返る
3つの暴落に共通する「回復の法則」
3つの暴落局面をまとめると、下表のようになります。
| 暴落時期 | 最高値(概算) | 底値(概算) | 下落率 | 底値→回復期間 | 回復後高値 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2018年 | 約220万円(2017年12月) | 約36万円(2018年12月) | ▲84% | 約3年(2021年11月) | 約770万円(2021年11月) |
| 2022年 | 約770万円(2021年11月) | 約220万円(2022年11月) | ▲71% | 約16か月(2024年3月) | 約1,880万円(2025年10月) |
| 2024年〜 | 約1,880万円(2025年10月) | 約1,070万円台(2026年2〜3月頃) | ▲43% | 調整中(2026年4月現在、約11,500,000円台前後で推移) | —(未更新) |
※価格は円建て概算値。2026年4月14日時点の実勢は約11,800,000円前後です。為替変動や取引所により実際の数値は前後します。最新価格はご自身で確認してください。
共通するのは、①短期的な下落率は非常に大きい、②それでも底値から数年以内に回復している、③回復後は前回の最高値を上回る水準に達している、という3点です。過去のデータが示す事実として、暴落そのものが「始めない理由」にはなりにくいことがわかります。
+解説記事
日経平均株価と比較 ―「暴落と回復」は株式市場でも起きている
「暴落」と聞くとビットコイン特有の現象に見えますが、日本人に最も身近な株価指数である日経平均株価でも、同様の下落と回復は繰り返されてきました。
リーマンショック(2008年)の下落と回復

出典:TradingView
2008年9月の米リーマン・ブラザーズ破綻に端を発する世界金融危機により、日経平均株価は同年10月に一時7,000円を割り込みました。ピーク時の18,000円台からの下落率は約60%。「日本経済は終わった」とも語られましたが、その後緩やかに回復し、2021年には約30年ぶりに3万円台を回復しました。
コロナショック(2020年)の下落と回復

出典:TradingView
2020年3月、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日経平均株価は約1か月で約30%下落し16,000円台へ。しかし各国の金融緩和策を背景に同年後半には急速に値を戻し、コロナ前の水準を回復しました。この時期ビットコインもほぼ同タイミングで急落・急回復しており、マクロ的なショックへの同調性が見て取れます。
トランプ関税ショック(2025年)の下落と影響

出典:TradingView
2025年、トランプ政権が発動した大規模な関税政策を発端に、世界的な貿易摩擦への懸念が高まりました。日経平均株価は急落し、株式市場全体がリスクオフムードに包まれました。この局面ではビットコインも株式市場と歩調を合わせるかたちで下落しており、マクロ経済の不確実性が仮想通貨市場にも直接波及することをあらためて示す事例となっています。
「資産運用において暴落は珍しくない」という結論
日経平均株価とビットコインの暴落・回復を比較したものが下表です。
| 局面 | 最大下落率(概算) | 底値→回復期間 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 日経平均株価 / リーマンショック(2008年) | ▲約60% | 約12〜13年 | 18,000円台→7,000円割れ、2021年に回復 |
| 日経平均株価 / コロナショック(2020年) | ▲約30% | 約半年 | 24,000円台→16,000円台、同年後半に回復 |
| 日経平均株価・BTC / トランプ関税(2025年) | ▲約24% | 約3週間〜1ヶ月 | 40,000円台→30,792円、4月末に36,000円台回復(BTCも連動調整) |
| BTC / 2022年暴落 | ▲約71% | 約16か月 | 下落幅は大きいが、回復スピードは速い傾向 |
※概算値。
回復スピードや下落率に違いはありますが、「長期的には新しい高値を更新してきた」という点は共通しています。重要なのは暴落を避けることではなく、下落局面でどう行動するかです。
「暴落時に始めた人」はその後どうなったか?
ここまでのデータを踏まえ、「暴落時に積立を始めた場合」の結果を簡易シミュレーションで確認してみましょう。
2022年の底値圏から積立を始めた場合のシミュレーション
2022年11月(LUNA/FTXショック直後の底値圏)から毎月10,000円をビットコインに積み立てていたと仮定します。
| 項目 | 数値・金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 積立開始時期 | 2022年11月(底値圏) | FTXショック直後 |
| 毎月の積立額 | 10,000円 | — |
| 積立期間 | 約28か月(2022/11〜2025/3) | — |
| 総投資額 | 約28万円 | 10,000円×28か月 |
| 評価額(概算) | 約90〜120万円 | BTC価格により変動 |
| 損益率(概算) | 約+220〜330% | 過去実績。将来を保証するものではない |
※上記はシミュレーションであり、将来の運用成果を保証するものではありません。BTC価格および為替レートにより評価額は大きく変動します。
総投資額約28万円に対し、2025年初頭時点での評価額は概算で90〜120万円レンジ。もちろんこれは「結果としてそうなった」という過去の数値であり、今後同じリターンが得られることを約束するものではありません。それでも、底値圏での積立開始が平均取得単価を引き下げ、回復局面の恩恵を受けやすくしたことは事実です。
暴落時に始めると平均取得単価が下がるメカニズム
価格が下がっている局面で定額を積み立てると、同じ金額でより多くの数量を購入できます。たとえばBTCが100万円の時に1万円分買えば0.01BTC、50万円の時なら同じ1万円で0.02BTCを取得できます。これを毎月繰り返すと、平均取得単価(1BTCあたりの平均購入価格)が時間とともに引き下げられ、その後の回復局面での評価益が生まれやすくなります。これがドルコスト平均法(DCA)の基本原理です。
DCAの最大のメリットは「いつ買うか」を判断し続ける必要がない点にあります。暴落局面では「もっと下がるかもしれない」という心理が働いて行動できなくなりがちですが、毎月自動で一定額を積み立てる仕組みにしておけば、迷いなく続けることができます。タイミング予測に自信がない初心者にとって、特に合理的な手法とされている理由がここにあります。
DCAそのものの仕組み・メリット・注意点については、以下の既存記事で詳しく解説しています。
【関連記事】仮想通貨ビットコインの長期投資【初心者向け】ドルコスト平均法でかんたん積立
まとめ ― 暴落は「始めない理由」ではない
本記事で確認した3つのポイントをまとめます。
第一に、ビットコインは2018年・2022年・直近いずれの暴落局面でも、底値から数年以内に回復し最高値を更新してきた実績があります。第二に、「暴落と回復」は日経平均株価でも繰り返されており、長期投資において暴落は想定の範囲内の出来事です。第三に、下落局面で積立を続けた場合、平均取得単価が引き下げられ、回復局面の恩恵を受けやすくなります。
暴落相場では「もっと下がるかもしれない」という不安から、始めるタイミングをどんどん先送りにしてしまいがちです。しかし過去のデータが示すのは、「暴落後に長期で保有した人が報われてきた」という事実です。もちろん将来を保証するものではありませんが、「暴落が怖いから始めない」のではなく、「暴落があっても続けられる金額と仕組みで始める」というスタンスが、長期的な資産形成においては合理的と考えられます。まずは自分が無理なく続けられる少額から、検討してみてください。
+解説記事
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