CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨出金停止中のOKEx、ビットコインの資金管理に「単一署名」=中国報道

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

OKExはマルチシグではない?

今も暗号資産(仮想通貨)の出金が停止中の中華系大手取引所OKExについて、ビットコイン(BTC)の管理方法(コールドウォレット)が複数人の署名で送金が可能な「マルチ・シグネチャー(複数署名)」ではなく、拘束された創設者Star Xu氏が一人で管理している可能性が浮上した。中国大手ブロックチェーンメディア金色財経などがOKExの役員に近い情報筋として報道した。

報道によると、OKExはアルトコインのウォレットは「マルチ・シグネチャー」の仕組みが採用されている一方で、ビットコインのコールドウォレットの管理に限り「シングル・シグネチャー」で管理していた。OKExが預かる約20万BTC(約2700億円)のうちがコールドウォレット分の出金権限を、Xu氏一人に集約していたことになる。

マルチ・シグネチャー(マルチシグ)は、仮想通貨を送付する際の権限を分散管理する仕組みのことで、マルチシグのアドレスに複数の署名を必要とすることでセキュリティを強化する施策の一つだ。

OKExのビットコインウォレットがシングル・シグネチャー(単一署名)で管理されていることは、OKExのCSOであるKun Xu氏がWeiboで顧客と行なった会話でも確認されていると、金色財経は説明している。

また、取引所のような巨額資産を預かるケースでは、マルチシグを採用するケースが多く、大手取引所が巨額資金をシングル・シグネチャーで管理していることは不可解だと指摘した。

OKExの動向

OKExは10月16日、取引所の仮想通貨ウォレット入出金権限を持つOKExの「関係者」が公安機関の調査を受けている理由で、出金にあたる認証作業に影響が生じていると発表。その後、OKExの創業者のXu氏が公安に逮捕され取調べを受けていることが報じられたが、OKEx側は、Xu氏の逮捕は「個人の事情に関連し、取引所とは無関係」と説明していた。

当時、中国事情通の龍門CAPITAL日本代表Sonny Wang氏は、「日本の取調べと違う点は中国当局の取調べの期間は最長13年まで延長できるので、送検しないままずっと警察署で何年も出れない人はザラにいる。逮捕より厳しい」と状況を説明している。

取調べの状況に加え、シングル・シグネチャーでビットコインを管理している状況である場合、ビットコインの出金目処の先行きはより不透明となる。

対応策としてはOKExは21日、一部の顧客が法定通貨として出金できる迂回策と見られるP2P取引を再開した。換金できる法定通貨は、中国人民元(CNY)、インド・ルピー(INR)、ベトナム・ドン(VND)の3ペア。OKExを利用しているのは、中華系トレーダー以外、欧州などのトレーダーも多いことから、全てのユーザーが資金を現金化して回収することは現状難しいとの指摘もある。

関連仮想通貨出金停止中のOKEx、法定通貨P2P取引を開始

追記内容:OKExが単一署名を否定

金色財経の報道を受け、OKExは仮想通貨メディアDecryptの取材に対して、「単一署名(シングルシグネチャ)」に関する報道内容を否定した。

実際、ビットコインのコールドウォレットを「単一署名」で管理しているかについて質問したところ、OKExの代表者は以前公開したイーサリアムクラシック(ETC)の51%攻撃に関する報告書でも説明した、「マルチ・シグネチャー」を利用してコールドウォレットおよびホットウォレットを管理している仕組みを引用し回答した。

当時のレポートで報告したように、OKExが管理する資金の95%はコールドウォレットに預けており、マルチ・シグネチャーにおける秘密鍵は、北京事務所と米西海岸事務所にいる「管理人」によって管理されているとしている。

しかし、現時点では仮想通貨の出金が再開してないことから、実質的な移動権利の分散(マルチ・シグネチャー)における送金面での対策は機能しているとは言い難い。具体的な問題点が見えない中で、OKExにおける出金問題は今後も追求されることとなりそうだ。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/15 水曜日
14:45
「SusHi Tech Tokyo 2024」でSUDACHI TechとEchoXがWeb3プラットフォームを技術協賛
「SusHi Tech Tokyo 2024」では、SUDACHI TechとEchoXがNFT活用のWeb3プラットフォームを技術協賛。NFTデジタルスタンプラリーを展開する。CoinPostがアンバサダーを務めるグローバルスタートアッププログラムも開催される。
13:10
自由な取引ツールとしてのビットコインは実現しないのか、開発者が憂慮
仮想通貨ビットコイン開発の貢献者であるマット・コラロ氏は、現在「自由のためのツール」というビットコインのビジョンが実現できるかどうかが危ぶまれているとの考えを明らかにした。
12:30
コインチェック LSK保有者向け「KLY」エアドロップ対応方針発表
コインチェックは、LiskブロックチェーンのイーサリアムL2への移行に伴い、新谷発足するKlayrのネイティブトークンKLYのエアドロップへの対応計画を発表。スナップショットは2024年5月21日に予定される。
12:25
CPI発表迫り方向感を欠くビットコイン、イーサリアムETF承認は悲観的な見通し強まる
CPI(米消費者物価指数)発表を本日21時30分に控える中、暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコインの方向感に欠ける展開で狭いレンジで上下している。
12:00
香港のビットコイン・イーサリアム現物ETFから最大の資金流出
香港の仮想通貨ビットコイン・イーサリアム現物ETFは4月の立ち上げ以来最大の1日当たり純流出を記録した。米国のBTC現物ETFは流入に転じている。
11:30
SBI VCトレード、口座保有者にHashHubのWeb3レポートを無料提供へ
SBI VCトレードは、暗号資産(仮想通貨)取引のサポート強化として、口座保有者に「HashHub Research」の一部を無料で提供開始。市場動向、プロジェクトの技術的背景などを把握するのに最適。
10:45
グーグル、新AI検索機能の一般提供発表
AIのGeminiで検索体験をさらに向上させるため、グーグルが新機能「AI Overviews」の一般提供を発表。同社のプロダクトにもAIを活用するとし、他にも様々な発表を行なった。
10:05
仮想通貨投資信託提供のCoinShares、1Qで利益総額が前年比11倍に 
仮想通貨投資企業CoinSharesは2024年第1四半期の決算を報告。利益総額は前年比11倍以上増加した。3月にはヴァルキリーのETF事業を買収している。
08:45
Polymarket、ヴィタリックなどから70億円調達
仮想通貨利用のポリマーケットは、2024年にプラットフォーム上で約2億200万ドル相当の予測取引が行われたと報告。特に米国の選挙の結果に125億ドル以上が賭けられており、現在のところドナルド・トランプ氏が49%の確率でジョー・バイデンの44%をリードしている。
08:15
Re、アバランチ上で再保険ファンド提供
仮想通貨アバランチのブロックチェーン上で、RWAである再保険のトークン化ファンドをReがローンチ。再保険業界の透明性を向上させ、オンチェーン決済を促進していく。
07:35
オルカンベンチマーク指数提供のMSCI、マイクロストラテジーなどを追加
MSCIの定期見直しは、投資家にとって重要な指標であり、各企業の市場での位置づけや影響力を反映するものだ。今回の見直しニュースを受け、マイクロストラテジーの株価は前日比で4.15%上昇した。
06:25
ソラナ基盤のDrift、エアドロップとコインベース上場予定
仮想通貨DRIFTトークンは、エアドロップの形でリリースされる。日本時間5月16日21時より取得可能となる。エアドロップ分のトークンは合計120,000,000 DRIFTで、総発行数の12%を占める。
05:50
米ウィスコンシン州投資委員会、ビットコイン現物ETFに255億円投資
米ウィスコンシン州投資委員会がスポットビットコインETFに1億6300万ドルを投資したことを報告。ブラックロックのIBITとGBTCを大量保有し、他の仮想通貨関連企業にも投資していた。
05/14 火曜日
18:00
オントロジー DIDソリューション普及のため、15億円規模の基金を設立
分散型ID(DID)とデータ共有を可能にする高速で低コストのブロックチェーンプラットフォーム、オントロジーは1,000万ドル規模の「Ontology DID FUND」を設立。プロジェクト提案は専用フォームから迅速に申請可能。
14:23
ビットトレードがシバイヌ貸して増やすの特別募集を開始
ビットトレードが年率48%のシバイヌ(SHIB)の貸して増やす・貸暗号資産の特別募集を開始。さらに、ビットコイン・ピザ・デー記念キャンペーンでAmazonギフトカードが当たる施策も実施中。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア