CoinPostで今最も読まれています

冴えない動きの続くビットコイン、15日にCPI控え様子見基調

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

前週末10日の米NY株式市場は、ダウ平均株価は前日比125ドル(0.32%)高の3万9512ドルと8日続伸。ナスダック指数は5.4ポイント安で取引を終えた。ダウの続伸は、雇用統計結果を反映した利下げ期待が背景にある。

一方、ここのところ冴えない暗号資産(仮想通貨)相場を受け、米国株の暗号資産(仮想通貨)関連銘柄では、コインベースが4.7%安の200.9ドル、マイクロストラテジーが6.3%安の1187ドルと下落している。

CoinPostアプリ(ヒートマップ機能)

東京株式市場では、日経平均株価(前引け)は前営業日比47円(0.13%)安となった。

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比0.21%高の1BTC=61,041ドルに。

BTC/USD日足

最高値のダブルトップを経て12〜13日にかけて急落して以来、高値・安値ともに切り下げている。

少なくとも1BTC=65,000ドルのレジスタンスライン(上値抵抗線)を奪還して短期トレンドを反転しない限りは、資金抜けの目立つアルト相場でも売り優勢局面が続くことが考えられる。

関連:来週のビットコイン相場はPPIとCPIに注目、ネガティブならチャネル下限試すシナリオも|bitbankアナリスト寄稿

Ali氏は、MVRVバンドを根拠に、サポートラインとして機能する+0.5σの1BTC=64,290ドルを取り戻すことができれば、+1.0σの76,610 ドルに向かって上昇する可能性があるものの、同水準を超えることができなかった場合はMVRV指標の平均値にあたる51,970ドルのサポートを試す可能性があるとの見方を示した。

これは、ビットコインの市場価値(Market Cap)を、ビットコインが最後に動かされた時の価格を基に算出される実現価値(Realized Cap)で割った指標である「MVRV比率」を用いて、市場の過熱または過小評価の度合いを表すバンドを基にしている。

いずれにせよ、14日には米生産者物価指数(PPI)、15日のCPI(米消費者物価指数)の発表を控えており、米国のインフレ動向を示す経済指標次第で株や暗号資産(仮想通貨)相場は上下に大きく揺さぶられる余地を残していることからも、積極的なポジションは取りにくいタイミングと言えるだろう。

アナリストのAlanSantana氏は、弱気予想を示す一人だ。

トレーディングビューに分析を投稿。

ビットコインが2週間連続でEMA10(10週指数移動平均線)を下回って取引されており、蔓延しつつある弱気心理を露呈していると指摘した。

AlanSantana氏は暗号資産(仮想通貨)相場に売り圧力が増してきていることを指摘。今後の見通しについて、「EMA50(46,000ドル)に向けて下落後に反発するも、短期的には高値を切り下げるだろう。」「その後、1BTC=34,000ドル付近でMA200(200週移動平均線)を試すことにもなり得る。」などと悲観シナリオを示した。

関連:ビットコインの買い方|投資メリットやリスク、おすすめ取引所は?

一方、年初のビットコインETF(上場投資信託)承認後に機関投資家需要は増しており、大手銀行機関はビットコインETFへのエクスポージャーを明らかにした。

ウェルズ・ファーゴは、グレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)2,245株(12万ドル相当)の保有を明らかにしたほか、JPモルガンは、米SEC(証券取引委員会)提出書類を通じて、76万ドル相当のビットコインETF(上場投資信託)保有が判明した。

CoinGlassの清算レバレッジ・ヒートマップによれば、先月の調整局面でショートポジションの建玉が増加しており、ビットコイン(BTC)が反発して1BTC=67,000ドルや71,000ドル水準を上回った場合は、踏み上げのショートスクイーズを引き起こす可能性が高いとみられる。

アルトコイン相場

アルトコイン市場では先日までの高騰の反動もあり、売り優勢局面が続いている。

Daniel Yan氏は、13日時点で1ETH=2876ドルで推移する時価総額2位のイーサリアム(ETH)について、「ファンダメンタルおよびテクニカル分析の両方の観点から期待外れの状況が続いている」と指摘。

2950ドルを下回る状況が続けば下回れば、2500〜2600ドル台まで暴落する恐れもあると警鐘を鳴らした。

10x リサーチが6日に掲載した市況レポートでは、重要ラインを1ETH=3100ドルと位置付け、下降チャネルに沿って高値を切り下げていると言及した。

依然としてビットコイン(BTC)と高い相関関係にある中、「イーサリアムの弱いファンダメンタルズは、仮想通貨エコシステムへの広範な法定通貨(米ドルなど)の流入を妨げている」などと指摘した。

投資家心理悪化の背景の一つには、イーサリアム現物ETFの上場承認期待の後退がある。ロイター通信が4月26日に報じたところによれば、ETF発行者とSECとの協議は本質的に進んでおらず、ETFアナリストらは、5月末までに最終判断期日を迎えるイーサリアム現物ETFの承認確率予想を大幅に引き下げている。

暗号資産(仮想通貨)に関するSECの曖昧な規制基準は問題視されており、これを打破すべく、Consensysはイーサリアムの証券性の有無を明確にするためSECを相手取って訴訟を起こした。

関連:米SEC、イーサリアム現物ETF申請を非承認する可能性高まる

関連:ステーキングや積み立てサービスに優位性、仮想通貨取引所「SBI VCトレード」のメリットを解説

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
09/15 日曜日
11:30
米CPI・FOMC影響でビットコイン相場が820万円に推移|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストがビットコイン相場を分析。リセッション懸念が高まる中、今週の暗号資産市場でビットコイン(BTC)は上下動。FOMCの動向が注目されている。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|米CPIとXRP投資信託に高い関心
今週は、米CPI、グレースケールのXRP投資信託の販売再開、米マイクロストラテジーのマイケル・セイラー会長によるビットコイン価格予想に関するニュースが最も関心を集めた。
09/14 土曜日
15:00
英高等裁「USDT含むステーブルコインは法律に基づく財産」と判決
英国の高等裁判所がUSDTを法的財産と認定。仮想通貨の法的保護を強化する判決に。背景となった訴訟の詳細を解説。
13:20
「RWAトークン化市場が1.7兆円規模に成長」バイナンスの最新リサーチ
バイナンスが現実資産(RWA)トークン化市場を分析。米国債トークンが牽引し、1.7兆円規模に。法的課題や今後の展望も解説。
12:00
リップルX幹部が語る対SEC裁判やIPO|WebX2024インタビュー
WebX2024でRipple(リップル)X幹部に取材。長年に渡る米SECとの裁判や株式上場(IPO)の可能性、仮想通貨ステーブルコインの開発、日本市場の重要性について語られた。
11:00
FTX前CEOバンクマン・フリード氏、25年懲役判決に控訴 再審求める
FTX破綻事件において詐欺などで25年の判決を受けたサム・バンクマン=フリード前CEOが控訴。支払能力があったと主張し、再審を要求。
09:38
バイナンスのソラナステーキング「BNSOL」、資産運用の新たな選択肢に
世界最大の仮想通貨取引所バイナンスは12日、独自のソラナリキッドステーキングトークン(LST)である「BNSOL」の提供を正式に開始した。
08:30
米SEC、「仮想通貨証券」の表現を削除
米SECがバイナンスとの裁判で訴状を修正し、仮想通貨証券という表現を削除した。その理由について述べている。
07:30
ワールドコインのワールドID、ソラナブロックチェーンで利用可能に
サム・アルトマン氏の仮想通貨プロジェクト「ワールドコイン」のオンチェーンIDである「ワールドID」はソラナ上でも利用できるようになった。
07:00
新経済連盟、2025年度税制改正提言を発表 暗号資産税制も含む
新経済連盟が2025年度税制改正提言を発表。暗号資産の申告分離課税導入やETF取り扱い可能化など、Web3支援策を提案。日本経済活性化と国際競争力強化を目指し、AI開発やスタートアップ支援も含む16の具体策を提示。
06:15
米マイクロストラテジー、18300BTCのビットコインを追加購入
米マイクロストラテジーは13日、仮想通貨ビットコインを追加購入したことを発表した。
09/13 金曜日
15:00
ヴィタリック・ブテリン氏、L2プロジェクトの分散化を促す基準適用を宣言 
イーサリアムの共同創設者であるヴィタリク・ブテリン氏は、L2で分散化に関する一定の基準を満たさないプロジェクトについては、来年からは公に支持することはないと宣言。同氏が定義した分散化の三段階で「ステージ1」に達していないプロジェクトは「失敗」とみなすと述べた。
13:40
SWIFT、現実資産(RWA)トークン化分野で新たなソリューションを開発
SWIFTがトークン化資産と法定通貨の相互運用性を高めるソリューションを開発中。CBDCやステーブルコインも利用予定。
10:50
eToroがSECと和解 米国でビットコインなど3銘柄のみ提供へ
eToroがSECと和解し、2億円の罰金支払いに同意。米国顧客向け仮想通貨取引をビットコインなど3銘柄に限定へ。
09:50
ディーカレット、63億円超を資金調達
デジタル通貨DCJPYの事業基盤強化に向け、ディーカレットホールディングスは第三者割当増資で総額63億4,900万円の資金調達を実施したことを発表。今後の計画も説明した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア