今週5/4(土)〜5/10(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
5/4(土)〜5/10(金)の仮想通貨相場週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円は概ね900万円台後半での揉み合いに終始し、方向感に欠ける展開となっている。
今月3日に発表された4月の米雇用統計が市場予想比で大幅に下振れたことを受け、BTC円は900万円近辺から反発し、週明けには1000万円を回復する場面もあったが、米証券取引委員会(SEC)がロビンフッドに対して強制措置を通告するウェルズ通知を送ったことを切っ掛けにアルトコインが市場の下げを先導し、BTCも反落。
その後はシカゴマーカンタイル取引所(CME)のBTC先物が窓埋めを達成したことで下げ止まるも、目星い材料に乏しい中、相場は方向感に欠ける展開となった。
その後は、SECのゲンスラー委員長がCNBCとのインタビューで、「数多くの暗号資産(仮想通貨)は証券である」と発言した他、グレイスケールがSECに対するイーサリアム先物ETFの申請を取り下げたことなどを受け、ETH相場の下落にBTCも連れ安となり、8日には950万円周辺まで値を下げた。
一方、これによりドル建てBTC価格が100日移動平均線にタッチしたことで相場は下げ止まると、9日には米新規失業保険申請件数が予想以上に増加したことを受け、BTCは反発し980万円台まで戻している。
本邦がゴールデンウィークに入る中、4月30日に香港でビットコインとイーサリアムの現物ETFの取引が開始されたことに伴う事実売りによってドル建てBTC相場は強く押し、一時は下降チャネルの下限を割り込んだ。
しかし、5月3日の米雇用統計直後の反発で相場は再び同チャネル内に戻っており、チャネル下抜けはダマシとなった(第2図)。
4月は3月の米消費者物価指数(CPI)を受けたFRBによる利下げ開始先送り懸念が台頭していたが、5月に入ると雇用統計の下振れや失業保険の申請件数の増加と労働市場の逼迫緩和を示唆するデータが浮上。
加えて、全米供給管理協会(ISM)が発表した4月の製造業・非製造業PMIが市場予想比で下振れるなど、景気のスローダウンも一部では示唆され始め、年内の利下げ期待が再度強まっている。
こうした中、来週は14日に4月の米卸売物価指数(PPI)と15日に同CPIの発表を控えており、特に後者には注目だ。
3月のCPIは単に強かっただけではなく、幅広い項目で物価の上昇が確認されており、全体的な消費の底堅さが示された。
直近の景気減速のサインがインフレ鎮静化を促していればBTCにはプラス言え、相場がチャネル上限の7万ドル周辺まで戻す余地があると見ているが、3月に続き上振れサプライズとなれば、相場は再びチャネル下限を試すシナリオも視野に入る。
関連:bitbank_markets公式サイト
前回のレポート:ビットコイン相場は中期的には下降チャネル内での揉み合い続くか