今週4/20(土)〜4/27(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
4/20(土)〜4/27(金)の仮想通貨相場週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円は1000万円周辺で上値が重くも底堅い推移が続いている。
ビットコインは先週末の20日に4度目の半減期を通過。今回は直後にハッシュレートの急低下やブロック生成時間の遅延といったネットワークの不安定化は特段確認されず、相場は週明けから確りと推移し、1000万円から1040万円近辺まで上昇した。
一方、ドル建てで6.7万ドル周辺となる同水準で相場の上値は抑えられ、週前半は上げ渋る展開が続いた。
24日の米時間には、3月の米耐久財受注が上振れ相場は緩みだすと、銀行秘密法違反を認め今月30日に判決が決まる元バイナンスCEOのCZに対して、米司法省が禁固36ヶ月と当初の想定よりも重い求刑を裁判所に申請したことが嫌気され、相場は1000万円近傍まで下落した。
25日には、GDP成長率を含む一連の米四半期経済指標が発表されたが、内容はGDPの大幅な減速に対してコアPCE価格が上振れるなどまちまちな結果となり、BTCは売り買いが交錯し上下に振れたが、個人消費が減速したことが好感されたからか反発に転じ、26日正午時点では1000万円を維持している。
BTCは先週、6万ドル(約937万円)を維持できるか否かの瀬戸際にあったが、19日にイスラエルが行った対イラン空襲が極めて小規模且つ短期的だったこともあり6.5万ドル(約952万円)周辺まで反発。翌20日の半減期後も小確りと推移して週明けには6.7万ドルにタッチした訳だが、同水準の上抜けには材料不足だった格好だ。
ただ、これまでもビットコインの半減期自体は相場上昇の「切っ掛け」とはなってきておらず、今週の値動きは特段のサプライズではないと言えよう。半減期後の相場上昇の鍵は主要国の金融政策が緩和方向に向くかが重要と言え、引き続きFRBの政策動向が注目される。
25日に発表された米国の四半期GDP成長率は1.6%と前期の3.4%から大幅に伸びが鈍化した。
一方でコアPCE価格は2%から3.7%に急加速しており、市場ではスタグフレーション(経済成長の減速に物価上昇の加速が伴う現象)を危惧する声が散見された。確かにインフレの加速はFRBの政策引き締めの長期化を正当化する事態ではあるが、経済成長が減速すれば利上げ再開の可能性も薄れると言える。
市場は既にFRBが長期的に金利を現行の水準に維持することを織り込んでおり、25日は年内の利下げ回数予想も2回から1回へと減少し、インフレ高止まりよる金融政策への影響もある程度織り込み済みと言えよう。
こうした中で個人消費は3.3%から2.5%と伸びが鈍化しており、第一・四半期のインフレの高止まりは一時的な可能性も指摘され、26日に発表される3月分の米PCE価格指数も多少の上振れはサプライズにならないと見ている。
とは言え、実際にFRBが利下げに踏み切るタイミングは依然として不確実であり、BTC相場の上値は限定的か。
今週は中東リスクの後退を持ってしても6.7万ドルの上抜けに失敗しており、米株式市場も決算絡みの売りで上値を重くしている。短期的には、BTCは6.7万ドルが相場のレジスタンスとして意識されそうだが、上抜けに成功したとしても中期的には下降チャネル内での揉み合いが続くだろう(第2図)。
関連:bitbank_markets公式サイト
前回のレポート:ビットコイン6万ドルの維持が焦点、半減期で相場は不安定になる可能性