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前週末にかけてビットコイン大幅反発、ETFフローに好転の兆し

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マクロ経済と金融市場

6日の米NY株式市場は、ダウ平均株価は前日比176.5ドル(0.46%)高、ナスダック指数は192.9ポイント(1.19%)高で取引を終えた。

米国株の暗号資産(仮想通貨)関連銘柄では、マラソン・デジタルが前営業日比17.9%高と急騰したほか、マイクロストラテジーが3.7%高の1268ドル、コインベースが1.6%高の226ドルとなった。

マラソン・デジタルは、S&P小型株600指数への組み入れが確認された。指数組み入れされた株式は多くのインデックスファンドやETFによって株式が自動購入されるため、取引量の増加や流動性の向上で注目度が増す可能性が期待される。

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連休明け7日の東京株式市場では、日経平均株価(前引け)は前営業日比404.7円(1.06%)高となった。

米NY市場でのハイテク株高の流れを引き継いだほか、3日発表の米国雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を下回りFRB(米連邦準備制度)の判断に好影響を与え得ることや、外国為替市場における過度な円安・ドル高が、政府の為替介入と思しき一連の動きにより一服したことなどが好感された。

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比0.3%安の1BTC=63,659ドルに。

BTC/USD日足

ビットコイン(BTC)は1日、6万ドルのサポートを底割れして2ヶ月ぶり安値となる56,500ドルまで続落するも、米連邦公開市場委員会(FOMC)におけるパウエルFRB議長発言要旨が市場想定よりも融和的であったことや米株指数反発などの後押しもあり、3日にかけて急反発。

抵抗線を上抜け6日時点で1BTC=65,500ドルをマークしたが、50日移動平均線(50SMA)の65,845ドルではリバウンドが一服し、上髭陰線で日足をクローズした。

量的引き締め(QT)ペースの減速が決まり、長期債利回りの抑制・上昇圧力の低下が示唆されたことも株やビットコイン(BTC)などリスク性資産には追い風だろう。

下落要因と今後の展望

大手資産運用会社アライアンス・バーンスタインのアナリストらは、ここ最近の調整局面で「仮想通貨取引所の先物契約の過剰なレバレッジを一掃した」と述べ、前向きな展望を示している。

Kryptanium Capitalの創業者であるDaniel Yan氏は、直近の市況について次のように分析した。

1) 米国における持続的なインフレ(物価高)の高止まりと過熱感のある労働市場の活況がマクロ市場にネガティブインパクトを与え、仮想通貨相場が影響を受けやすい米国債の大量売りにつながった。これに伴い米長期金利は上昇している。

2) BTC ETFのフロー(純流入・流出額)が4月に悪化したことも一因だ。4月下旬には、1月11日のローンチ以来71日間続いたブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)への純流入記録が4月24日に初めて途絶える一方でグレースケールのGBTCからは流出超過が続くなど、フローの悪化を招いた。

関連:ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える

3)第三の要因は、アルトコインの流動性の低さに加え、5月にかけて大規模なアンロック予定が控えていたことがある。

ビットコインやイーサリアム(ETH)の下落率が直近高値から約15%だったのに対し、主要アルトは直近高値から30~50%の下落率に達した。これは22年11月のFTXショック時以来となる。

一方、良いニュースとしては、米国財務省が市場介入の一環で2002年以来初となる債券買い戻しプログラムを導入したことが挙げられる。毎週1回あたり20億ドルのみだが、今後その規模は拡大する可能性がある。パウエル議長のFOMC声明と月あたり350億ドルの量的緩和縮小はポジティブに働く可能性が高い。

このような背景がある中、ビットコインはわずか数日間で安値の56,700ドルから61,500ドルまで約10%反発した。4月の暗号資産(仮想通貨)相場暴落は大きな教訓を残したが、5月15日に予定されるCPI(米消費者物価指数)発表は相場のターニングポイントであり、5月中の方向性を決定づけるものとなりそうだ。

アルトコインに関しては、それでもアウトパフォーマンスが見られる可能性がある。Daniel Yan氏曰く、ソラナ関連、AI(人工知能)関連、ミームコイン関連はビットコインを上回るパフォーマンスが期待できるという。

7営業日続いて流出超過にあったビットコイン現物ETF(上場投資信託)のフローについては、今月3日にはGBTCが初の流入超過に転じる場面があり、6日にも同様の傾向が見られた。

関連:グレースケールのビットコインETFに約100億円の資金、1月デビュー以来初の純流入 

この両日においては、それぞれ3.8億ドル、1.9億ドルの流入超過に再び転じるなど潮目の変化が見られる。1日には5.6億ドルの流出超過に陥っていた。

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