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仮想通貨全面安、地合い悪化と香港ビットコインETFの思惑買い剥落で

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マクロ経済と金融市場

前週末24日の米NY株式市場は、ダウ平均株価は前日比570.1ドル(1.49%)安、ナスダック指数は325.2ポイント(2.0%)安で取引を終えた。

米消費者信頼感指数が市場予想を大幅に下回ったことで、経済見通しが悪化。労働市場の減速やインフレの長期化懸念も同時に強まった。深刻なのが食品とガソリン価格の値上がりで、中東情勢悪化などの影響もあり改善の見通しが立たない。

米国株の暗号資産(仮想通貨)関連銘柄では、マイクロストラテジーが17.6%安と暴落したほか、コインベースが前日比6.5%安。マイニング関連銘柄では、マラソンデジタルが10.9%安、ライオットが8.7%安に。

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米国株安の流れを受け、東京株式市場では、日経平均株価(前引け)は前日比216.1円(0.56%)安の3万8189円で推移している。

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比6.1%安の1BTC=59,762ドルに。

BTC/USD 日足

現在の暗号資産(仮想通貨)相場は、年初からの高騰で過熱感のあったソラナ(SOL)などのアルトコインからの資金抜けが目立つなど、売り優勢の調整局面と言える。

ビットコイン(BTC)は反発はありつつも、4月以降は高値を切り下げての軟調推移。日足レベルで6万ドル水準のサポートライン(下値支持線)を割り込めばディセンディングトライアングル底抜けとなり、デリバティブ市場のロスカット(強制清算)を伴う急落にも注意したい。

下値目処としてはフィボナッチ38.2%ラインで51,000ドル(①)付近のサポートや、半値戻し水準となる46,000ドル(②)付近が意識されることになりそうだ。46,000ドル前後は、年初から動意付いたビットコインETF相場における上方ブレイクの起点でもある。

昨日は、香港証券取引所に上場するビットコインとイーサリアム現物ETFを巡る思惑買いを伴う反発も見られたが、64,000ドルの抵抗線であえなく反落となった。香港市場関係者の強気コメントとは裏腹に初日取引高が伸び悩んだこともあり失望売りを招いたか。

米連邦公開市場委員会(FOMC)およびパウエルFRB(米連邦準備制度)議長の記者会見を控える中、リスク性資産における持高調整も進んでおり厳しい情勢が続く。

ブルームバーグのシニアアナリストであるEric Balchunas氏は、香港ETF承認が報じられた当時、「香港市場には米ブラックロックやフィデリティなどの最大手発行企業の金融商品のラインナップはなく、依然として中国本土では暗号資産取引が禁止されている背景もある。米国と比較した香港の市場規模からすると、せいぜい年間5億ドル程度のインパクトに留まるだろう」などと慎重な見立てを示していた。

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ここのところ、FRB(米連邦準備制度)の早期利下げ期待が後退したことや中東の地政学リスクを発端に、過熱感のあった米国株やビットコイン(BTC)が大幅下落するなど、投資家心理は冷え込みつつある。

過去数週間では、ビットコイン現物ETFへの資金流入も停滞しており、初期需要に対する買いはすでに一巡したことを示唆している。

TXMCtradesは、「年初からのビットコイン(BTC)高騰の過程で、長い間休眠状態にあったビットコインの利益確定が進んだようだ。その大部分を市場は吸収した可能性が高い」との認識を示した。

オンチェーンデータ上の長期保有者(LongTerm-Holders)とは、ビットコインの平均未使用トランザクション出力(UTXO)寿命に基づき、ビットコインを155日以上保有しているアドレスとして定義されるものだ。

この内の約3割は、ビットコインETF(上場投資信託)上場後に転換されたグレースケールの投資信託 ビットコイントラスト(GBTC)からのものとされる。ブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)やフィデリティ・ワイズ・オリジン・ビットコイン・ファンド(FBTC)を中心としたビットコイン現物ETFの上場は、市場に数十億ドルもの資金を呼び込んだ。

上昇局面でのBitcoin: Long-Term Holder Supply(長期保有者による供給量)の減少がその根拠にある。長期保有者は強気相場のピーク時を除き、常に蓄積する傾向にある。

Glassnodeの主任アナリストであるJames Check氏は、「これほどの売却があったにも関わらず、過去最高値からの下落率は20%にも満たないことに驚きを禁じ得ないと言及。「(現時点では調整の範疇であるものの)1BTC=58,000ドルを下回った場合は、弱気トレンド転換を示唆する」とした。

同水準は、保有期間155日未満の短期保有者にとっての平均損益分岐点であり、投げが加速する可能性があるという。

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マイナー動向

CryptoQuantのKi Young Ju CEOは4月30日、「ビットコイン半減期を経て採掘報酬が6.25 BTCから3.125 BTCに半減したマイナーは岐路に立たされている」との見方を示した。

マイナーの収益は半減期後の2023年初頭水準まで低下しているが、今のところ降伏シグナルは見られないというが、その一方、市場価格が大幅下落した場合はマイニングコストに対して採算が合わなくなる恐れもある。その場合は価格上昇を見越して蓄積しているビットコイン(BTC)の売却やマイニング事業からの撤退を余儀なくされる可能性も考えられる。

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