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SECのビットコインETF肯定派:『クリプト・ママ』が否決に反対した理由

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SECのビットコインETF否認に反対
SECコミッショナーのHester M. Pierce氏は、公式サイトでビットコインのWinklevoss ETFの否決判断に疑問を呈し、SECの役割の範疇を越えていると指摘。このことで”Crypto Mom”と愛称が付き、フォロワー数も急増している。
ETPとは
Exchange Traded Productsの略で、「上場取引型金融商品」のことで、ETF、ETN、ETCの総称を指す。

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SEC(米国証券取引委員会)が、「ビットコインETF」の1つ(Winklevoss)を否決したことで、思惑で上昇していたBTC価格に冷や水を浴びせました。

しかし、この判決は議論を呼んでおり、SEC内でも満場一致というわけではありませんでした。

SECの役割ではない

SECを監督するコミッショナーの1人「Hester M. Pierce」氏は、同委員会のウェブサイトで、今回の判決に公式的に不賛成であることを意思表明しました。

Pierce氏は、トランプ大統領によって任命され、今年の1月に現職に就いています。

Pierce氏は、以下のように記述しています。

委員会の役割は、投資家が”賢明な投資”を行うための情報を確実に得ることが出来るようにすることと、市場参加者が相互作用する中で不正を防ぎ、透明性を確保できるように取引所をデザインするために規則を設けることである。

私は今回、SEC委員会の判断は、”本来の役割”の範疇を越えていると感じている。SECは、取引所が上場させようとする商品の基礎となる市場の質や特性ばかりに注視しているのではないか。

またPierce氏は、SECが「メリット・レギュレーション」に関わることについても指摘しています。

メリット・レギュレーションとは

取引が公平かつ正当に行われているかを審査すること。現在、証券取引における機能などを検討することを指す。

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予測可能な未来のため、仮想通貨基盤のETP(上場取引型金融商品)を承認することを妨害することで、委員会はメリット・レギュレーションに関わっていると言える。

ビットコインは新しい現象であって、長期的に機能するかどうかわからず、成功するかもしれないし、失敗するかもしれない。

しかし、委員会はビットコインやその他の資産(仮想通貨)が、どちらの結果になるかどうかを評価できるほど、自身の立場を確立できていない。

ETFの否認は、投資家保護ではなく逆効果

Pierce氏は、ビットコイン市場は価格操作による影響を受けやすいというSECの懸念は、SECがすでに承認した他のETP(上場取引型金融商品)にも当てはまる問題点であり、SECの考えは首尾一貫したものではないと非難しています。

今回のSECの判決は、新しい資産クラスである仮想通貨が注目を集める機会を奪うことに加え、確立した資産として仮想通貨が成長することを妨害するため、機関の参入を妨げてしまいかねず、投資家を保護するどころか、投資家に悪影響を及ぼすと主張しています。

Pierce氏は、以下のように締めくくっています。

ETPを承認すれば、投資家はビットコインを「買うか、買わないか」を選択することができる。

今回の判決は、その選択肢を奪った。

SECの役割は、投資家を保護して資本形成を促進し、公平で秩序があり、効率の良い市場を助長することであって、決してイノベーションの門番ではない。投資家保護に徹するべきだ。

Twitterのフォロワーが激増

SECのコミッショナーPierce氏は、SECのウィンクルボス兄弟のビットコインETF否認に対し、異議を唱えたことで、同氏に仮想通貨コミュニティからの人気が集まり、一部からは“Crypto Mom(仮想通貨の母)”と呼ばれています。

同氏の異議が発表した後、すぐにRedditで専用スレッドが作成され、「仮想通貨コミュニティから、彼女に愛を送ろう」などと呼びかけられており、3日間でTwitterのフォロワー数が13,000人増加して、7月31日時点で15,000人を超えています。

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