はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 比較 WebX
CoinPostで今最も読まれています

システムの穴を突いて仮想通貨ETHを大量に獲得した方法:元GoolgeエンジニアがbZx不正利用問題を解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

DeFiレンディングサービス「bZx」で「フラッシュ・ローン」を利用した攻撃

分散型金融(DeFi)のレンディングサービスであるbZxで、イーサリアム(ETH)が喪失した。

DeFiのレンディングプラットフォームであるbZxが15日攻撃された。攻撃者は、1トランザクション内なら無担保で仮想通貨を借り入れることができる「フラッシュ・ローン」の仕組みを利用してETHを借り入れ、異なるDeFiプラットフォームで空売り。通貨価格を価格を急落させたのちに決済を行い短時間で利益を上げた模様だ。

bZxは現在攻撃の詳細について調査中で、喪失した額の詳細は明らかにされていないが、defiprimeの調査によるとbZxのプラットフォーム「Fulcrum」の被害額は100万ドル相当に及ぶという。

bZxの報告によると、ユーザーの預金は安全な状況で、今回の攻撃を受けてFulcrumは一時閉鎖された。現時点では、攻撃を防ぐアップデートが実行され、復旧に至っている。

システムの穴をつく価格操作攻撃

DeFiでは、スマートコントラクトを用いて仮想通貨のレンディングなどを行う。今回の攻撃では、スマートコントラクトは正常に作動している。この攻撃はシステムの穴をついた攻撃であり、通常のスマートコントラクトなどのシステム自体がハッキングされたわけではないことに留意しなければならない。

攻撃者は以下のようなプロセスで攻撃を行った。

①DeFiプラットフォーム「dYdX」の「フラッシュ・ローン」を利用して10,000 ETHを借り入れた。このローンでは、1トランザクション内に返済を行えば、無担保で多額の資金を借り入れることができる。

②攻撃者は借り入れた10,000 ETHのうち5,000 ETHをDeFiプラットフォーム「Compound」で112 WBTCと交換(WBTCは、ビットコインに紐づいたイーサリアムベースのトークン)。

③一部のETHを担保にしてbZxのプラットフォーム「Fulcrum」でWBTCを空売りした。

④112 WBTCを別のプラットフォーム「Uniswap」に送金。需給バランスが崩れWBTC/ETHが一時的にクラッシュした。

⑤「Fulcrum」のWBTC参照価格も下落。

⑥WBTCの空売りを成功させた。

⑦dYdXに10,000 ETHを返済。これらの一連の流れを同一のトランザクション内に収めることで攻撃者は10,000 ETHという巨額の資金を無担保で借り入れ、需給バランスを崩壊させて利益を得た。

今回の攻撃は、フラッシュ・ローンとbZxの価格決定アルゴリズムの欠陥を利用したものであると考えられる。これを受けてbZxは同社のプラットフォームの一部機能を一時閉鎖し、攻撃に対応するためのアップデートを行った。

CoinPost App DL
記事提供:THE BLOCK
THE BLOCKとは

Cryptoにおける”最初で最後の言葉”であること。
The BlockはCryptoにおける最高クオリティで最重要のシグナルをお届けします。日々、Website、Newsletter、Podcast、イベントを通じて、業界で最も影響力のある人々にリーチしています。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/04 木曜日
17:45
2026年2月17日(火)、「Digital Space Conference 2026」開催決定
一般社団法人日本デジタル空間経済連盟(所在地:東京都港区、代表理事:北尾 吉孝、以下「当連盟」)は、2025 年 2 月 17 日(火)に、大規模カンファレンスイベント「 Di…
16:49
MUFGグループ、トークン化MMFの商品化へ Progmatと協業開始
2026年に機関投資家向け提供を目指す 三菱UFJアセットマネジメント、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJ信託銀行の3社は4日、Progmat(プログマ)との協業を…
16:49
FRB利下げと流動性回復、2026年の仮想通貨市場の追い風か=Delphi Digitalレポート
仮想通貨リサーチ企業Delphi Digitalは、FRBの利下げ継続とQT終了、TGA取り崩し、RRP枯渇により、2026年に仮想通貨市場にとって追い風となる流動性環境が生まれると分析。ビットコインやイーサリアムなどデジタル資産に有利との見方を示した。
15:09
ランボルギーニとレジャー、限定ウォレット発表 「いつランボ買える」ミームに呼応
仮想通貨ハードウェアウォレット大手レジャーとイタリア高級車ランボルギーニが提携し、限定版「Ledger Stax」を2026年初頭に発売。フェラーリやポルシェなど高級ブランドのWeb3参入が加速する中、24万人超の仮想通貨ミリオネア増加が背景に。
13:25
米コネチカット州がロビンフッドなど3社に停止命令、無免許でスポーツ賭博提供と主張
コネチカット州消費者保護局がロビンフッド、クリプトドットコム、カルシに無免許オンライン賭博運営の停止命令を発行した。3社は州法に違反してスポーツ賭博を提供しており、利用者の資金や情報にリスクをもたらしているという。
12:26
チャールズ・シュワブ、2026年前半に仮想通貨取引開始へ 既存取引所に手数料圧力か
米大手証券チャールズ・シュワブが2026年前半にビットコインとイーサリアムのスポット取引を開始。低手数料戦略で既存取引所に圧力か。バンガードやバンク・オブ・アメリカも参入し、ウォール街で仮想通貨の主流化が加速。
11:15
メタマスク、最大1万ドルの損失を補償する「トランザクション・シールド」開始 
仮想通貨ウォレット「メタマスク」が有料補償サービス「トランザクション・シールド」を開始。対象となる取引について月額9.99ドルで最大1万ドルの損失を補償する。
11:02
NTT Digital、仮想通貨ソラナのバリデータを運用開始
NTTドコモグループのNTT DigitalがSolanaバリデータ運用を開始。Dawn Labsが技術支援を担う。国内ではモブキャストHDもソラナ財団認定を取得するなど、企業参入が加速している。
10:45
三井物産デジタルAM、デジタル証券ファンドを早期償還
三井物産デジタル・アセットマネジメントは、デジタル証券ファンド「日本橋・人形町」を早期償還し、当初予想3.0%を上回る年5.0%の利回りを達成。累計利益分配金は25億円を突破した。
10:30
「バイナンス・ジュニア」、キッズ向け仮想通貨口座導入 安全性に関する議論も
バイナンスが6~17歳向けの仮想通貨プログラム「バイナンス・ジュニア」を開始した。親の監督下でシンプルアーンによる資産運用などが可能となる。
10:26
イーサリアム保有企業購入量、ピークから80%急減 ビットワイズが指摘
ビットワイズの報告によると、イーサリアム保有企業の11月購入量は8月比81%減の37万ETHに急減。一方、ビットマイン社は12月に1.5億ドル相当を追加購入し、フサカアップグレードへの期待を示した。
10:00
スターテイルとソニーのソニューム、ステーブルコイン「USDSC」をローンチ
スターテイルは3日にソニーグループと共同で開発・運営するブロックチェーン「Soneium(ソニューム)」において、米ドルステーブルコイン「Startale USD(USDSC)」と報酬システム「STAR Points」をローンチしたことを発表した。
09:45
ビットコインが1万ドル反発、イーサリアム「フサカアップデート」好感で10万ドル視野に|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは反発の勢いを強めている。ETHの「フサカ・アップデート」を好材料とし、2日に付けた8万3,000ドル台から1万ドルの上昇を見せた。
08:55
米SECが仮想通貨含む高レバレッジETFを阻止、3倍・5倍商品の審査停止を通告
米SECが株式や仮想通貨の日次リターンを3倍・5倍に増幅するETFの審査を停止した。プロシェアーズは3倍レバレッジ仮想通貨商品を含む複数の申請を取り下げている。
08:02
アンソロピックが来年IPO検討か、評価額3000億ドル超目指す=報道
AI企業アンソロピックが早ければ来年にもIPOを検討している。マイクロソフトとエヌビディアから合計150億ドルの出資確約を得ており、オープンAIと上場を競う。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧