DeFiとゲームの統合というAnRKey Xの新たなる試み
2017年の世界銀行の調査によると、世界で17億人の成人が銀行口座を保有していないことが判っている。彼らはアンバンクト(unbanked)と呼ばれている。一方で、そのうちの11億人はインターネットに接続可能なモバイル端末を保有している。
彼らが銀行口座が持てない理由は、信用力の問題が大きな要因を占めている。そのため、相手を信用する必要がない”トラストレスな取引”が実現できるブロックチェーンの上に金融サービスを構築してしまえば、アンバンクトが金融にアクセスできる未来が実現できると目されている。
そして、2020年は分散型金融(Decentralized Finance: DeFi)が金融の未来の姿として注目されるようになった年である。DeFiのサービスは2020年前から存在はしていたものの、流動性が非常に乏しく、昔からブロックチェーンを知っている人たちですら使わないようなものであった。
しかし、「DeFi=参加する価値がない」を打ち破ったのが、レンディングサービスのCompoundである。Compoundは、サービスを利用することでガバナンストークンをもらうことができるリクイディティマイニングによって利用者を獲得した。リクイディティマイニング目的でDeFiサービスを使うのは、本来のDeFiの利用目的に反するという批判は存在するものの、リクイディティマイニングによりDeFiサービスの利用が促進されたのは紛れもない事実である。
そのような状況下で、AnRKey X™は、DeFiのリクイディティマイニングと、コミュニティ主導のeSportsとWeb 3.0 NFTを統合した新たな取り組みを行い、m$ports(マネースポーツ)と呼ばれる全く新しいジャンルを確立した。これは、AnRKey Xチームによるイノベーションであり、新たなる可能性を秘めているものだ。
彼らのチームは非常に有名で、経験豊富な、DeFiと暗号資産業界で影響力を持つメンバーで構成されており、同社の創設者でありCEOであるJ.D. Salbegoは、同社のアートディレクターであり、AnRKey X Universeの主要なクリエイティブデザインを率いる人物である。
同社のゲームが提供されるイーサリアムベースのプラットフォームは、Decentralized Finance Gaming Platform Exchangeの略であるgDEXと呼ばれている。
同社は、Web 3.0 NFTでゲーム性を組み入れたDeFiのリクイディティマイニングの仕組みを取り入れることにより、プレイヤーの参加を促すことを目的としている。これは、日本国内で人気のアプリゲーム「LINE POP2」の報酬ベースのシンプルなゲーム性によく似ている。
同社のgDEXは2021年初頭にモバイル版をリリースするまではWeb版のみが提供されることになる。
同社のgDEXで提供される最初のゲームは、「Battle Wave 2323™」と呼ばれるタイトルになる。プレイヤーは、ゲーム性を組み入れたリクイディティマイニング、NFTのステーキングと取引を行うことで、APY(Annual Percentage Yield)を獲得するために、異なるプールアーミーのチームに分かれて競い合うことになる。
そのため、プレイヤーは様々な手段を駆使してAPYを向上させていく。
プレイヤーがゲームに参加するには、プールアーミーと呼ばれるgDEX上のチームに参加する必要がある。参加するための唯一の方法は、アーミーで指定されているUniswapのLPトークンを取得して、ステーキングすることだ。
まず、Uniswapでアーミーに対応したリクイディティ(例:LINK/ETH)を提供し、そこで得られたLPトークンをBattle Wave 2323の画面でステーキングする。そして、ステーキングにより、gDEXのネイティブアーケードコイン ANRXが付与されるようになっている。
ステーキングの仕組み上、後からLPトークンを回収して、さらにLPトークンに紐付いているトークンをUniswapから取り戻すことができるため、プレイヤーはGAS代の負担だけでゲームに参加することが可能だ。
AnRKey Xのネイティブアーケードコイン ANRX は、物理的なアーケードゲームで使用されるアーケードコインと同じように機能する。ANRXには12の用途があり、 購入、プレイ、ステーキング、販売、競争などの複数の機能が利用できる。利用すればするほど、ゲームシステム内でANRXを獲得できるようになっている。
APYを改善するには、いくつかの方法がある。ARNXを使用して毎週の ”Arms” NFTブーストを購入したり、さまざまな種類の “Sacred Relic” NFTパックを購入してAPYをブーストしたり、プールアーミー内でNFTを直接ステーキングする手段がある。
また、公式のAnRKey X Discordチャンネルでプールアーミーの部屋に入る、チームと戦略を立て、さらには競合するプールアーミーのチャンネルに飛び込んで”荒らす”こともできる。
チームの勝ち負けは、毎週のイベントで決まっていく。勝利条件は、プールアーミーが最も高いANRXのAPYを獲得していることだ。
勝利すると、価値が高いBattleWave2323のレアな報酬NFTを獲得することができる。勝者は、来週のイベントに向けてそれらのNFTをステーキングするか、さらにARNXを使ってNFTをアップグレードし、APYをブーストさせることもできる。
また、より多くのARNXを得るために、毎週のイベント後の48時間のフラッシュセールで獲得したNFTを販売することも可能だ。そして、敗者はフラッシュセールで報酬NFTを購入し、それらを使用して次回のイベントに向けてAPYを増やすことができるようになっている。
また、AnRKey Xのチームは、全取引収益のうち25%をコミュニティに還元することにしている。コミュニティ投票や、開発者が独自のAnRKey X m$portsゲームDAppsをgDEXプラットフォーム上で作成するためのANRXアーケードコイン配分基金を提供することで、コミュニティ主導型のプラットフォームとして認知されることを目指している。
このようなシステムが普及すれば、ゲーム性を組み入れたリクイディティマイニングやNFTのステーキングを通じて、ゲーム感覚でAPYリワードを獲得できる未来が訪れる可能性があることだろう。AnRKey Xが作った新たなジャンルのm$portsは、今のところ、新しいゲームのジャンルとしての見込みはあるものの、もちろん確実ではない。今のところは市場がないので、それが将来的にどのように認識されていくかが気になるところである。
AnRKey: https://anrkeyx.io/
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