州政府運営の銀行、仮想通貨事業求める法案
米ノースダコタ州で超党派の州議会議員らが、州政府の運営するノースダコタ銀行を暗号資産(仮想通貨)カストディとすることを求める法案を提出した。CoinPost提携メディアのThe Blockが報じた。
米国の北西部ミネソタ州やモンタナ州に囲まれているノースダコタ州は、カナダとも隣接している。米国勢調査局によると2019年時点では同州の人口米国内で5番目に少ない自然が代名詞の州だ(76万人)。
ノースダコタ銀行(Bank of North Dakota)は、米国の州政府が運営する唯一の銀行だ。同行のHPによると、20世紀のノースダコタ州では農業が盛んだったが、干ばつや厳しい冬の寒さで立ちいかなくなったことに加え、他州の農地貸付における高額な金利などに不満を募らせ、農家らが結束して1919年に設立された。
過去にはアラバマ州やイリノイ州などでも州政府が運営する銀行形態は導入されていたが、現在では州政府が運営、又は過半数の株主持分を有する事例はなくなっている。
主に共和党議員らが1月11日に提出した法案では、「ノースダコタ銀行のデジタル通貨のカストディ・サービスの提供とデジタル通貨取引所の導入」が求められた。またこれらの検討に伴い、2022年8月までに実行可能性調査(フィジビリティ・スタディ)を行う条件も下記の通り、盛り込まれている。
2021年から2022年の間、ノースダコタ銀行は、デジタル通貨のカストディ・サービスの提供、及びデジタル通貨取引の実施の実行可能性を調査する。2022年8月1日までに、同行は調査結果を州政府の情報技術委員会に提出することとする。
実現する場合はまだ先となるものの、米国の州政府規模で仮想通貨関連のサービスが検討されている事例となった。
米国通貨監督庁(OCC)は昨年7月、連邦法銀行の仮想通貨カストディサービスの提供を認めるガイダンスを示していた。米貯蓄貸付組合や国民貯蓄銀行に対し仮想通貨のカストディサービスなどの提供を許可する声明を発表。
当時の通貨監督庁のBrian Brooks臨時長官は「この声明は銀行が顧客の最も価値のある資産を守るというニーズに継続して応えることを明確にする。今日、多くのアメリカ人にとって(このような資産には)仮想通貨も含まれる」とコメントしていた。
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