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ブロックチェーン分析企業Elliptic、仮想通貨関連の金融犯罪リスク防止のための手引きを公開

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

金融犯罪を防止するために

ブロックチェーン分析企業のElliptic社は、暗号資産(仮想通貨)分野における違法行為や金融犯罪の類型の理解を促進するための包括的な報告書を発表した。

報告書では、分散型金融(DeFi)やNFT(非代替性トークン)、ステーブルコインなど技術革新による新しい商品やサービスの普及と並行して、伝統的な金融サービス企業の参入が拡大していることに言及。仮想通貨の普及拡大の基盤が形成される中、「発展に伴う避けられないリスク」として、マネーロンダリングや詐欺、制裁回避など、仮想通貨の犯罪利用を挙げた。

今年2月にElliptic社が、仮想通貨および金融セクターのコンプライアンスとリスク管理の専門家100人を対象に実施したアンケート調査では、回答者の約56%が「重大な」または「中程度の」金融犯罪リスクに直面していると回答。最大のリスクをもたらす金融犯罪の種類としてはマネーロンダリングと詐欺がトップとなった。

また回答者の半数以上が、既に金融犯罪のブロックチェーン分析ソリューションを使用しており、さらに28%が将来的に使用する予定であると回答するなど、金融犯罪防止に積極的に取り組む姿勢が明らかになった。

そして、この分野における金融犯罪を検知する上で、「ストラクチャリングやその他のマネーロンダリング行為の特徴を示す取引を特定すること」が、回答者の事業にとって最大の課題だということも示唆された。

DeFi空間における金融犯罪

アンケートの回答者の約47%が、「DeFi」が仮想通貨空間の新たなイノベーションの中で、最もリスクが高いと回答している。

報告書ではDeFiを利用した三つのマネーロンダリングの類型と、それを見抜くためのヒントをまとめている。

1. DEX(分散型取引所)を介したマネーロンダリング

犯罪のパターン

  • 取引所をハッキングし、ETHやイーサリアムベースのトークンを入手
  • DEXで使用するウォレットに資金を移動
  • ETHまたはイーサリアムベーストークンをDEXで新しいトークンと交換
  • 新しいトークンを正規の取引所に預け、法廷通貨に交換

警告のサイン

  • ユーザーが突然、DEX関連口座から直接、大量の仮想通貨を受け取り、すぐに現金化しようとする
  • ユーザーが資金の出所やDEXを通じた取引の理由について、証拠や論理的な説明を提供できない
  • 利用された問題のDEXが、闇市場、取引所のハッキング、ランサムウェア攻撃などの犯罪を含む違法行為と関連している可能性がある

2.DeFiミキサーを介したマネーロンダリング

犯罪者は、ブロックチェーンの透明性により、追跡や検知に対して脆弱であることを十分認識している。そのため、ユーザー資金を混ぜ合わせて資金源の追求を困難にするミキサーを使用し、追跡の回避を図る。特にミキシングサービスの「Tornado Cash」に警戒が必要。

犯罪のパターン

  • 例:DeFi貸出プラットフォームをハッキングすることによって、ETHやイーサリアムベースのトークンを入手
  • Tornado Cashのアドレスに資金を送金
  • Tornado Cashから「クリーンな」トークンを受け取る
  • 新しいトークンを中央集権的な取引プラットフォームに預け、法廷通貨に交換

警告のサイン

  • ユーザーがTornado Cashのような DeFiミキサーから頻繁にインバウンドの送金を受けるが、資金源に関する情報を提供しようとしない、または提供できない
  • ユーザーが合理的な説明なしに、頻繁にTornado Cashや他のDeFiミキサーに送金する
  • DEXとの頻繁な取引活動を行うユーザーが、Tornado Cashのようなミキシングサービスとの取引も行う

3.クロスチェーンブリッジを介したマネーロンダリング

クロスチェーンブリッジを利用することで、一つのブロックチェーン上の資産を別のブロックチェーン上のトークンへ変換することが可能になる。

クロスチェーン

クロスチェーンとは、規格・仕様の異なるブロックチェーン同士を跨ぐこと、及びそれらを接続する技術を指す。

▶️仮想通貨用語集

犯罪のパターン

  • ランサムウェアの攻撃やダークウェブでの麻薬の販売など、不正なソースからビットコインを取得
  • 不正な出所のビットコインをクロスチェーンブリッジに送る
  • クロスチェーンブリッジから新しい「クリーン」なトークンを受け取る
  • 新しいトークンをさらにDEXで交換、または中央集権的な取引プラットフォームで法廷通貨に交換する

警告のサイン

  • ユーザーが、頻繁にクロスチェーンブリッジ関連のアドレスからイーサリアムベースまたは他のDeFiトークンの入金を受け取るが、取引の理由を説明できない

仮想通貨取引所と金融犯罪

報告書では、仮想通貨取引所を利用したマネーロンダリングの例として、無許可や規制に準拠していない取引所の利用、リスクの高い国・管轄区の取引所の利用、また正規の取引所で「運び屋」(money mule)や不正な身分証明書を利用した取引が行われると説明している。

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