はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

FOMC控え仮想通貨相場の上昇一服、先週末にかけて一部アルトが高騰する場面も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

先週末28日の米NY株式市場では、ダウは前日比828ドル(2.7%)高。ナスダックは7-9月期売上高が市場予想を上回った米アップル決算発表などが牽引し、前日比309ドル(2.8%)高と大幅続伸で取引を終えた。

これに伴い、東京株式市場(前場)では日経平均株価が上昇。前週末比424円(1.56%)高と大幅高となった。

株や暗号資産(仮想通貨)などリスク資産市場の楽観ムードは、今夏の値動きを彷彿とさせるとして警鐘を鳴らす向きもある。日本時間11月3日3時に発表を控える米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.75%の大幅利上げは既定路線。先物金利市場でも、80%以上織り込まれている。

FedWatch Tool

一方、今年8月に開催された経済シンポジウムであるジャクソンホール会議では、「金融政策と物価安定」をテーマに講演したジェローム・パウエルFRB議長が、市場予想に反してタカ派姿勢を強め、相場のネガティブサプライズとなった。

パウエル議長は今年9月にも、FOMC後の記者会見で「インフレ(物価高)は人々の購買力を低下させ、生活必需品に幅広い影響を及ぼす」「FRBとしては物価安定に尽力することが先決であり、歴史的に見れば拙速な政策転換(ピボット)は誤りだ」などと言及。浮き足立った市場に釘を刺した。

関連:世界の投資家が注目する米金融政策決定会合「FOMC」とは

なお、ゴールドマン・サックスのレポートによると、FRB(米連邦準備制度)の政策金利目標について、4.75%〜5%のターミナルレート(利上げの最終着地点)を超える可能性がある。

BNPパリバは19日、ターミナルレートは市場コンセンサスを上回る5.25%に達し、到達時期は2023年の第1四半期になると予想を出した。その上で景気後退(リセッション)に陥ると指摘する。

欧米では、国内総生産(GDP)の2四半期連続のマイナス成長はテクニカル・リセッションと認識され、”不景気”とみなされる。日本の場合は内閣府の公表する景気動向指数を基準としている。

関連:11月FOMC結果が想定通りなら、リスクオンムード広がるか|bitbankアナリスト寄稿

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比1.5%安の20,495ドルと反落。

BTC/USD日足

イーロン・マスク氏のTwitter買収に関する思惑もあり過去1週間で100%以上高騰したドージコイン(DOGE)など、全面高の様相を呈していたアルトコイン市場も利益確定が優勢となり一服した。先物市場における過去1週間のショートポジションのロスカット(強制清算)は20億ドル規模に達していた。

関連:仮想通貨時価総額「1兆ドル」大台回復、イーロンマスクTwitter買収思惑でドージコイン大幅高

John Wick(@ZeroHedge_)氏は29日、大幅下落していたドル指数(DXY)が「上昇チャネルに回帰した可能性がある」と指摘。FOMC前に悪い兆候として警戒感を示した。

Crypto Rover(@rovercrc)氏は27日、DXYが2021年8月以降の放物線(パラボリック)ラインから転落し、ビットコインに追い風との見解を示していた。

オンチェーンデータ分析

S2F(ストック・フロー)モデルのアナリストであるPlan B氏は、相場の過熱感を示すRSI(相対力指数)の月足が、過去最低水準を推移すると指摘した。

Plan B

また、全てのビットコイン保有者の利益率が、歴史上最低水準の50〜60%台まで落ち込んでいると主張。

Plan B

同水準(濃い青)は、過去のサイクルから見ても底入れシグナルになり得るとの見立てを示した。

またGlassnodeは、累積傾向指数(トレンドスコア)の観点から、「2022年以降の”降伏”を通じて、大規模なエンティティによる買い集め(アキュムレーション)が発生している」として、2018年の大底圏との類似性を指摘している。

CryptoQuantの解説によれば、暗号資産(仮想通貨)市場におけるブロックチェーン上の主要エンティティは次の3つに分類される。

  • 交換業者(取引所)
  • 大手マイナー
  • クジラ(大口投資家)

実際に売買の行われる取引所は需要側の動きを反映しており、ビットコインをマイニングするマイナーは採掘分を任意のタイミングで売却し、ブロックチェーン上の供給をコントロールする。クジラは需要と供給の両方について、市場の非効率性を利用する存在だ。

トレンドスコア1.0に近いスコアは、ネットワークの大部分が買い集め期間に移っている可能性を示唆し、0に近いスコアは大口の売り抜けが発生している可能性が高い。

Glassnode

オンデータ上の買い集め期間は、2020年3月、2021年初頭、2022年初頭、2022年5月下旬が該当する。

暗号資産(仮想通貨)市場の過去のサイクルでは、相場暴落後の安値を大口に拾われホルダーが入れ替わった後に反転上昇、やがて強気相場へと転じていく傾向にある。

関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/13 土曜日
14:05
米インタラクティブ・ブローカーズ、ステーブルコインでの口座入金を開始
ステーブルコイン入金を導入 ブルームバーグが報じたところによると、オンライン証券大手インタラクティブ・ブローカーズ・グループが、個人証券口座へのステーブルコインによる入金を可能…
13:35
仮想通貨業界団体ら、シタデルに反論 「DeFiは仲介事業者ではない」
DeFi教育基金など仮想通貨業界団体らが米SECに書簡を提出した。シタデル・セキュリティーズによるDeFi規制要求に反論し、自律的ソフトウェアは仲介者に該当しないと主張している。
11:55
ブラジル金融大手イタウ、3%のビットコイン配分を推奨
ブラジルの金融機関イタウがポートフォリオの1%から3%をビットコインに配分するよう推奨した。米国のバンク・オブ・アメリカやモルガン・スタンレーも最大4%の配分を提案している。
11:20
ファントムウォレットが予測市場機能を導入、カルシと提携
主要仮想通貨ウォレットのファントムが予測市場プラットフォームのカルシと提携し、ウォレット内で政治、スポーツ、文化イベントの契約を可能にする新機能を発表した。
10:25
Pyth Network、トークンの買い戻しメカニズム「PYTH Reserve」を導入
分散型オラクルPyth Networkが、収益の一部で仮想通貨PYTHを毎月買い戻す新メカニズムを導入する。DAOの資金残高の3分の1程度を購入に充てる予定だ。
09:20
テザー、イタリアサッカー名門ユベントス買収を提案
ステーブルコイン発行企業テザーがサッカークラブのユベントス買収を提案した。エクソール保有の65.4%株式を現金取得後、残る株式も公開買付けし、10億ユーロの投資を準備している。
08:30
テザー、自社株のトークン化や買い戻しを検討か
仮想通貨ステーブルコインUSDTなどを発行するテザー社は、自社の株式の流動性を確保するためにトークン化や自社株買いなどの手段を検討していることが報じられた。検討の背景が明らかになっている。
07:40
ソラナDEX大手ジュピター、7つの大型アップグレード発表 オンチェーン金融強化へ
ソラナ上のDEXアグリゲーター「ジュピター」がレンディングのオープンソース化、ステーブルコインジュプUSDローンチ、トークン検証システムVRFD拡張など7つの包括的アップグレードを発表した。
07:05
バンガード幹部がビットコインを投機的収集品と指摘、仮想通貨ETF取引解禁も慎重な姿勢
バンガードの責任者ジョン・アメリクス氏がビットコインを人気玩具ラブブに例え投機的資産と指摘。同社は仮想通貨ETF取引を解禁したが、独自商品提供や投資助言は行わない方針を維持。
06:35
ソラナ「ファイアダンサー」がメインネット稼働開始、100万TPS目指す
ソラナの新しいバリデータ・クライアント「ファイアダンサー」が3年間の開発を経てついにメインネット稼働を実現。1秒あたり100万トランザクションの処理を目指している
06:10
米ムーディーズがステーブルコイン格付けフレームワークを提案、準備資産評価へ
米大手格付け会社ムーディーズがステーブルコインを評価するための新たなフレームワークを提案した。ステーブルコインを裏付ける準備資産プールの各適格資産タイプを評価し、信用力に基づいて格付けを付与。
05:45
リップルやサークルなど5社、米連邦信託銀行免許の条件付き承認を取得
米通貨監督庁がリップル、サークル、ビットゴー、フィデリティ・デジタル・アセッツ、パクソスの5社に連邦認可信託銀行免許の条件付き承認を付与した。ステーブルコイン発行企業を連邦規制監督下に置く重要な一歩となる。
12/12 金曜日
16:19
ソラナ公式が「XRP登場」を発表 wXRPが同日ローンチ
ソラナ公式が12日、XRP統合を発表。ヘックス・トラストもwXRPのソラナローンチを同日発表し、1億ドル超のTVLを確保。レイヤーゼロ技術を活用したクロスチェーン機能で、ソラナDeFiでのXRP利用が実現へ。
15:10
Animoca Brands Japan、ビットコイン分散型金融「Solv Protocol」とMOU締結
アニモカジャパンはSolv ProtocolとMOUを締結し、企業のビットコイン保有・運用を支援するDAT領域で協力を拡大。BTCFi活用による財務戦略の高度化を目指す。
14:57
米CFTC、ポリマーケットなど4社にデータ規制で柔軟対応
米CFTCが予測市場運営4社にノーアクションレターを発行し、特定の記録保管要件を免除。業界全体の取引高は2025年1-10月で279億ドル(約4兆2000億円)に達し、急成長が続いている。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧