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鈴木金融相、FTX Japan顧客資産の国外流出に警戒感示す

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

FTX Japanへの警戒

内閣府特命担当大臣(金融相)の鈴木俊一氏は11日、顧客資金の出金停止措置を取った国内暗号資産(仮想通貨)取引所FTX Japanについて言及。顧客資産が国外に流出するリスクに警戒感を示した。

暗号資産取引所は金融庁の監督下にあり、金融庁は内閣府の外局として内閣総理大臣、及び内閣府特命担当大臣(金融相)などの所轄下に置かれる。

FTX Japanは9日、暗号資産の出庫及び法定通貨の出金サービスの一時停止を発表。海外にある親会社FTXの流動性危機に関連した、顧客資産の不正流用の懸念が投資家の間でにわかに広まる中、10日に金融庁から行政処分を受けた。なお、11日にFTX Japanは日本円の出金を再開している。

11日の閣議後の記者会見で鈴木金融相は、「資産が国外の関連会社などに流出し、利用者の利益が害される事態が生じないよう万全を期す必要がある」と強調。「利用者に関する措置が適切に講じられるように今後ともしっかり推移をモニタリングしたい」と加えた。

親会社FTXは、世界有数の暗号資産デリバティブ(金融派生商品)取引所として名を馳せてきたが、昨今の暗号資産相場急落の影響を受け、財務状況が暗転した。

非公開の貸借対照表(B/S)のリーク情報により、保有する資産の安定性や財務基盤に著しい疑念が生じた結果、投資家の出金依頼が殺到するなどして流動性危機に直面。7日時点で、50億ドル相当の預かり資産の外部流出が加速して「出金停止措置」に至っていた。

金融庁(関東財務局)は10日、日本法人で子会社のFTX Japanに業務停止命令を発出。22年11月10日~12月9日の期間、交換業に関する業務や、利用者から財産を受け入れる業務を停止するよう命じた。

行政処分の理由として関東財務局は、「利用者に明確な理由説明がなかったこと、親会社FTXの方針を理由に再開の日程を示さなかったこと、暗号資産の入庫や売買等の取引サービスは提供し続けたこと」を指摘していた。

関連:FTX Japanに行政処分 利用者資産の保全などを要請

FTX Japanとは

FTXの日本展開は22年2月に暗号資産交換業者「Liquid by Quoine」の買収計画の発表から始まった。サービスの移管は徐々に進められ、6月3日のFTX JPのオープンにより、正式に日本市場への本格参入を果たした。

FTX JPはグローバル版FTXの取引基盤をベースに、グローバル市場と取引板の共有により高い流動性を実現するデリバティブ商品「パーペチュアル(永久先物契約)」を強みとしていた。

現状、FTX Japanは東京都に本社を置き、「暗号資産交換業者」および「第一種金融商品取引業者」として金融庁に登録されている。

日本では、大量の仮想通貨が不正流出した2018年1月のコインチェック事件や、同年9月のZaif事件を受けて、暗号資産交換業者による顧客資産の管理方法が厳格化。

2020年4月に施行された「改正資金決済法」により、顧客の仮想通貨をコールドウォレットなどで管理すること、交換業者の倒産時に「預かり資産を顧客に優先的に返す」ことなどが暗号資産交換業者に対して義務付けられている。

関連:大手仮想通貨取引所FTX、日本で「FTX JP」本格ローンチ

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