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CPI控えビットコイン様子見基調、「成行売り」急増はイーサリアムの投資家心理を示唆

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

前週末の米NY株式市場では、ダウは前日比169.39ドル(0.50%)高、ナスダックは71.46ドル(0.61%)安で取引を終えた。

米ミシガン大学消費者態度指数の上昇を受け米長期金利が上昇した。消費者が予想する「1年先のインフレ期待」が前月の3.9%から4.2%まで上向いたことも長期金利上昇やドル買いにつながった。

長期金利とドル指数の上昇が重石となり、ハイテク株比率の高いナスダックでは売りが先行している。

週明け13日の東京株式市場でも、CPI(米消費者物価指数)を前に売り優勢に。日銀黒田総裁の後任人事の公式を発表控えており、前週末には、元日銀審議委員で経済学者の植田和男氏を起用する方針が伝わっている。

金融緩和方針の維持を示唆しているが、4月に新体制で予定される日銀の決定会合ではこれまでの政策転換を余儀なくされる可能性もあり、警戒感も燻る。

関連:次期日銀総裁が明らかに、来週は米CPI|11日金融短観

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比0.35%安の21,750ドルに。

BTC/USD日足

CPI(米消費者物価指数)を控え金融相場全体が様子見基調にあり、続落した場合の主なサポートは、20,400ドル付近の水平線と200日移動平均線の19,700ドルが挙げられるだろう。

連騰後の1月14日に強い過熱感を示す「89」に達していた日足RSIは、1ヶ月後の現在は「50」を割り込むなど落ち着きつつある。

関連:アルト主導でビットコイン下落、大崩れは避けられるか|bitbankアナリスト寄稿

関連:2023年初のビットコインデリバティブ相場をプロが解説|仮想NISHI寄稿

アルトコイン市場では、時価総額2位のイーサリアム(ETH)が1.65%安、XRPが3.08%安、Polygon(MATIC)が2.18%安となった。

米SEC(証券取引委員会)が、米老舗取引所クラーケンが提供するステーキングサービスについて米国の(無登録)証券法違反として提訴し、米国ユーザー向けのステーキングサービス提供停止と3000万ドル(約39億円)の制裁金を支払うことでクラーケン側が合意したと伝わり、市場の不確実性を高めた。

ステーキングとは

暗号資産(仮想通貨)を所定の期間預け入れることで報酬が得られる仕組み。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

米コインベースなど他の大手取引所や、イーサリアム(ETH)などステーキング可能な“PoS通貨”全般の証券性問題に飛び火するリスクが懸念される。

この点についてコインベースのアームストロングCEOは、VC大手Paradigmの論文を引用して、「ハウィー(Howey)テストにおける投資契約には該当しない」と強調している。

専門家からは「適時開示など透明性の欠如が指摘されたクラーケンのステーキングサービスはは本質的には利回り商品の提供であったが、コインベースや分散型プロトコルLidoやRocket Poolのステーキング仲介サービスとは性質が異なる」との指摘もある。

イーサリアムは22年9月、大型アップグレード「The Merge(ザ・マージ)」を経て、合意形成アルゴリズムをPoW(プルーフ・オブ・ワーク)からPoS(プルーフ・オブ・ステーク)へと変更。これに伴いステーキングが可能となった。

市場への影響について、詳細は以下の記事で解説している。

詳細:米SECのクラーケン起訴をどう見るか、イーサリアムステーキングへの影響を考察

アルト相場は売り先行

先日の米雇用統計発表以降の金融市場の地合い急悪化や米規制当局によるステーキング禁止問題の顕在化は、23年初以降強気に傾倒し始めていた仮想通貨投資家の動揺も誘った。

データ分析企業CryptoQuantの認定アナリストmaartunn氏による11日の投稿によれば、イーサリアムの「Net Taker Volume(月平均)」は、テラ(LUNA)ショックで仮想通貨相場が暴落した22年5月以来最大規模のマイナスを記録した。

出典:CryptoQuant

Net Taker Volumeは、強制清算(ロスカット)分を除外した「Taker Buy Volume(テイカー買いの出来高)」と「Taker Sell Volume(テイカー売りの出来高)」の差分を示すオンチェーンデータだ。テイカー取引は、注文板に載る前に取引される注文(成行注文)のことを指しており、上図ではイーサリアム投資家の「成行注文」を利用した撤退行動の急増を示している。

任意の買値(bid)・売値(ask)を注文板に出して約定を待つ「指値注文」とは異なり、「成行注文」は約定価格は二の次で、一刻も早く利確・損切りしたい状況で利用されることが多い。

イーサリアム(ETH)は、今年3月に大型アップグレード“上海”を控えており、負荷などを確認するためのテストネットのローンチは順調に進む。これまでロックアップされていたステーキング報酬を含む約1600万ETHの引き出しが可能となる見込み。ETH供給量の13.2%にあたる。

関連:3月予定の上海アップグレード、イーサリアム市場に与える影響は?

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