はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコインなど仮想通貨反発、シリコンバレー銀行巡る「信用不安」後退で

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

10日の米NY株式市場では、ダウは前日比345ドル(1.07%)安、ナスダックは199ドル(1.76%)安で取引を終えた。 米連邦預金保険公社(FDIC)は10日、米シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻を発表。金融業界への影響が懸念され、金融株やテック株を中心に売り注文が膨らんだ。

これを受け、週明けの東京株式市場では、日経平均株価が前週末比437円安と下落した。

先週末に発表された雇用統計では、雇用者数が市場予想を上回り米国経済の堅調さは示されたものの、賃金の伸びが予想を下回ったほか失業率が上昇。利上げペース再拡大への懸念が後退し、インフレ指標および金利引き上げの判断材料は、CPI(米消費者物価指数)に持ち越された。

関連:米国株・NYダウ4日続落 シリコンバレー銀行破綻で金融不安高まる|11日金融短観

関連:仮想通貨投資家にもオススメの株式投資、日米の代表的な仮想通貨銘柄「10選」

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比8.79%高の22,330ドルと大きく反発した。

BTC/USD日足

前週末にかけて、米国金利の急上昇で取引先の資金繰りが悪化したシリコンバレー銀行(SVB)が破綻し、米ドル連動型ステーブルコイン「USD Coin(USDC)」を発行するサークル社が33億ドル(約4500億円)を引き出せない状況にあることが伝わると、USDCの急激な価格乖離(ディペグ)を引き起こしていた。

Bitstampなど複数の暗号資産(仮想通貨)取引所では、USDC価格が一時0.8ドル台前半まで急落し、投資家心理が急悪化。暗号資産(仮想通貨)相場は全面安となっていた。

しかし、週明けまでにUSDCのマイナス乖離が解消され、SVBへの買収提案や金融当局の緊急融資枠による顧客資産の保護方針が示されると市場心理が改善。USDCのペグもほぼ1ドルまで回復した。

ここ数週間で悪材料が続き、売られすぎ水準にあった暗号資産(仮想通貨)の反動高につながったものとみられる。

関連:米金融機関の経営危機でビットコイン大幅続落、苦境続くか|bitbankアナリスト寄稿

サークル社の33億ドルはUSDC準備金400億ドルの内8%に相当する。DeFi(分散型金融)市場にも影響を及ぼし、Maker DAOはステーブルコイン「DAI」の担保として半数近くの44億ドルを占めていたUSDCを削減する緊急提案を承認した。

サークル社は公式声明で、「USDCは、現金と米国債の組み合わせで100%担保されている」と言及。

米大手金融持株会社のBNYメロンが保管する「USDC準備金の内、77%(324億ドル)を短期国債の「米国財務省短期証券(T-Bills)」で担保され、23%(97億ドル)を6つの金融機関で保有しているが、SVBはその内の一つにすぎず影響は限定的」と主張した。

また、「USDCの発行および償還は提携先の銀行システムの営業時間に依存するため、週明けにまとめて処理される。米ドルとの1:1での償還は問題なく可能。」「SVBからの資本回収に時間を要する場合、規制に基づき自己資金および外部資本でこれを補う」として懸念払拭に努めた。

関連:米サークル社CEO、ステーブルコインUSDC準備金の安全性を強調

ジャネット・イエレン財務長官は12日、フェイス・ザ・ネーションのインタビューに対し、「米政府によるシリコンバレー銀行の救済は検討していない」とした上で、「2008年の金融危機後に導入した規制により、米国の銀行システムは十分な資本と安全性を備えている。他行に飛び火しないよう注視していく」と強調した。

一方、米財務省および米連邦準備理事会(FRB)は12日、金融機関に対する緊急融資枠「Bank Term Funding Program(BTFP)」を設け、顧客の全預金を保護する方針を示した。システミック・リスクから金融システムを守り、多方面の取り付け騒ぎに波及しないよう対策を講じたものとみられる。

新たに事業を停止した米シグネチャーバンクも保護対象であるが、株主および一部債務者は救済対象外となる。

破産管財人として介入した連邦預金保険公社(FDIC)は、SVBの事業売却に向けた競争入札を行なっており、複数の買い手が関心を示しているという。

関連:バンク・オブ・ロンドンら、破綻したSVB英国法人の買収提案

シリコンバレー銀行はスタートアップ(新興企業)向けの融資大手であり、暗号資産(仮想通貨)関連のベンチャーキャピタルでは、Andreessen Horowitz(a16z)が約28億5000万ドル、Paradigmが17億2000万ドル、Pantera Capitalが5億6000万ドルを預けていたとされ、Web3業界への影響も懸念される。

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
13:55
ブラジル、仮想通貨のクロスボーダー決済に課税検討 規制強化で抜け穴封じ=報道
ブラジル政府が仮想通貨を利用したクロスボーダー決済への課税を検討している。中央銀行は2026年2月から新規制を施行し、ステーブルコインを含む国際送金を外為取引として扱う方針だが、税収漏れ対策として金融取引税(IOF)の対象とする案が浮上している。
13:35
サークルが「xリザーブ」発表、USDC担保型ステーブルコインを展開可能に
サークルがブロックチェーン間でUSDC担保型ステーブルコインを展開可能にする相互運用インフラ「xリザーブ」を発表した。
13:15
米SEC、2026年度検査で仮想通貨監視を重点項目から削除 規制緩和加速
米SECが2026年度の検査優先事項から仮想通貨監視を除外。トランプ政権下で規制姿勢が執行重視から対話重視に転換。コインベースやリップルとの訴訟解決など、業界への軟化姿勢が鮮明に。
11:35
イーサリアム財団、レイヤー2を単一チェーンのように操作できる「相互運用レイヤー」構想
仮想通貨イーサリアムの財団が複数のL2を単一チェーンのように操作できる相互運用レイヤー(EIL)の構想を解説。現在開発中のEILへの参加を呼びかけている。
10:50
コインベース上のモナドICO、開始23分で65億円弱調達も販売ペース鈍化
コインベースで開始されたモナド(Monad)のトークンセールは、開始23分で64.5億円を調達したが、その後失速。高いFDV評価額やVC比率の高さが投資家の慎重姿勢を招いたとみられる。
10:33
全米初のビットコイン担保地方債、米ニューハンプシャー州が承認
ニューハンプシャー州が全米初のビットコイン担保地方債を承認した。1億ドル規模の債券でデジタル資産が140兆ドル規模の世界債券市場に参入する道を開く可能性が出た。
10:00
ハイパーリキッド・ストラテジーズ、ナスダック上場に向けた合併が延期に
ソネット・バイオセラピューティクスらの合併によるハイパーリキッド財務企業の上場が延期された。株主投票の賛成票が必要数に達していない形だ。
09:45
ビットコインとイーサリアムの現物ETF、資金流出が継続
仮想通貨ビットコインとイーサリアムの現物ETFは、資金が純流出する日が継続している。この点について、ソラナやXRPなどのETFに資金が循環している可能性が指摘された。
08:50
テザー、ビットコイン担保融資企業レドンに戦略投資
テザーがビットコイン担保融資のリード企業Lednに戦略的投資を実施した。Lednは設立以来28億ドル超の融資を実行し、2025年だけで10億ドル超と見込まれている。
08:00
GMOトラスト、Japan Smart Chainと提携し日本法準拠ステーブルコイン発行を検討
GMOトラストがJapan Smart Chainと提携 AltXリサーチは18日、日本向けレイヤー1ブロックチェーン「Japan Smart Chain(JSC)」において、…
07:15
資産運用大手6社、日本での仮想通貨投資信託の提供を検討
資産運用大手6社が、日本での仮想通貨投資信託の開発を検討していることがわかった。米国でビットコインの現物ETFが認可されたこともあり、日本でも仮想通貨投資信託の誕生に期待する声は多い。
07:05
クラーケンがシタデルから2億ドル調達し企業価値200億ドルに、IPO前に資金基盤強化か=報道
クラーケンがシタデル・セキュリティーズから2億ドルの戦略的投資を確保し企業価値200億ドルと評価された。9月の6億ドル調達に続きIPO前に資金基盤を強化している。
06:35
米通貨監督庁、銀行に「ガス代支払い用」の暗号資産保有を承認
米財務省通貨監督庁が国法銀行によるブロックチェーンネットワーク手数料支払いのための仮想通貨保有を正式承認した。トランプ政権下で仮想通貨に対する規制姿勢が転換している。
06:20
サイファーパンクが28億円相当のジーキャッシュを追加購入、保有量は総供給量の約1.43%に
ウィンクルボス兄弟率いるサイファーパンクが2万9869ZECを追加購入。保有総額は23万3644ZECとなり、総供給量の1.43%を保有している。
06:05
ビットコインの調整終了を予測、年末に向けた上昇がベースシナリオ=スタンダードチャータード銀
スタンダードチャータード銀行のアナリストが仮想通貨ビットコインの調整終了を予測した。複数の市場指標が極端な水準にリセットされ、年末に向けた上昇がベースシナリオだと話した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧