はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

Voyagerは再建プロセスを終了へ、Celsiusは資産オークションが進行中

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Voyager Digitalは清算へ

破産申請中の仮想通貨会社であるVoyager DigitalとCelsius Networkが、各自の再建プロセスを進行中である。しかし、その展開は対照的だ。

Voyager Digitalの清算計画は、道のりが複雑となり、規制上の課題や法的紛争といった複数の障害を抱えており、それらが原因で債権者の回収額は債権の36%程度に留まる可能性が高い。これに対して、Celsius Networkの破産手続きは、競争力のある資産オークションが予定通り進んでおり、全体のプロセスも比較的スムーズに推移しているようだ。

ロイターの報道によれば、Voyager Digitalは仮想通貨取引所Binance.USによる買収計画が頓挫したことを受け、業績縮小の方針を示している。その過程で、顧客への配当率が35.72%になると予想されている。米国破産裁判官Michael Wilesは17日の審理で、Voyagerの約1800億円(13億3000万ドル)の仮想通貨を顧客に返還する清算計画を承認。この決定により、Voyagerはチャプター11(連邦破産法第11条)の下での再建努力を終えることとなった。

Voyager Digitalは、近日中に清算手続きを開始し、6月1日までには現金や仮想通貨を顧客に返還する予定だ。VoyagerはTwitterを通じて「6月1日までに初回分配を行うよう努力する」と明らかにした。

Voyager Digitalは、22年7月にニューヨーク南部地区連邦破産裁判所に破産保護を申請。Binance.USがVoyagerの資産を購入する計画が進行していたが、規制上の懸念から撤退した経緯がある。

Voyagerの顧客は、当初の分配で請求額のおよそ36%を回収する見通しであるが、この回収率は、破産手続きの一環としてFTXからの610億円(4億4580万ドル)の返済を求めているAlameda Research(FTXの姉妹会社)との訴訟結果により、最大63.74%に増加する可能性がある。

関連:バイナンスUS、Voyagerの買収を取りやめ

Celsiusは資産オークションが進行

一方、仮想通貨レンディング企業Celsius Networkは、近日中に資産のオークションを確定する見通しだ。オークションでは、ブロックチェーンを基盤に持つベンチャーキャピタルであるArrington Capitalを含むコングロマリット、Fahrenheit LLCが最高入札額を提示している。

この発表は、Celsiusの代理人であるロス・クワステニエット弁護士が、マンハッタンで行われた連邦破産裁判所の17日の審理中に行ったものだ。

「オークションは想定以上に時間がかかっている。しかし、最初の入札者であるデジタル資産投資会社NovaWulf LLCの入札額を大幅に上回るものが見られ、競争は熱を帯びている」と、クワステニエット氏は述べた。

22年7月に連邦破産法第11条の適用を申請したCelsiusは、4月22日にオークションを開始し、仮想通貨貸付事業とビットコインマイニング事業を引き継ぐ購入者を求めて入札を行った。同社は当初、NovaWulfの入札を受け入れる予定だったが、その後、Fahrenheitと、Winklevoss兄弟が所有するGemini Trustの関連会社であるBlockchain Recovery Investment Committee(BRIC)からの追加入札を受け入れた。

FahrenheitとNovaWulfの入札は、Celsiusの貸付事業だけでなく、ビットコインマイニング事業も継続する可能性を示している。一方、BRICの入札はマイニング事業の継続にのみ焦点を当てており、主要入札者が規制当局の承認を得られなかった場合の予備入札として機能することになる。

規制の問題が浮上し、Binance.USによる買収が破談になった結果、Voyager Digitalは清算へと追い込まれました。それとは対照的に、クワステニエット氏は、FahrenheitもしくはNovaWulfが規制上の課題に積極的に対応する姿勢を持つことから、買収契約が成立する可能性があると自信を示している。

米連邦破産法11条(チャプターイレブン)とは

日本の民事再生法に似た再建型の倒産法制度。経営を継続しながら負債の削減などを実施し、企業再建を行う。申請後に債権取り立てが停止され、債務者は負債の整理に取り組み、原則120日以内に再建プランを策定する。

関連:セルシウス、一部ユーザー対象に出金再開

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
08/17 日曜日
19:37
金融庁、日本円建てステーブルコイン「JPYC」承認へ=日本経済新聞
金融庁が国内初の円建てステーブルコイン「JPYC」を承認へ。今秋にも発行開始予定で、3年間で1兆円分の発行を目標とする。JPYC代表の岡部氏は「ステーブルコインは巨大な国債消化装置」とコメントし、日本国債市場への影響を予測。国際送金やDeFi活用に期待が集まる
14:00
今週の主要材料まとめ、ビットコイン6年以内1000万ドル到達の可能性やリップル訴訟終了発表など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン1750万円台で方向感欠く、ジャクソンホール会議が転換点に|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン(BTC)対円相場が1750万円周辺で方向感を欠く展開。米CPI下振れで利下げ期待が高まるも、PPI上振れで大幅利下げ観測が後退。来週のジャクソンホール会議とパウエルFRB議長発言が相場の鍵を握る。テクニカルサポートも豊富な現在の市況を詳しく分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|メタプラネットの大幅増益に高い関心
今週は、メタプラネットの決算発表、バリュークリエーションのビットコイン全売却、スコット・ベッセント米財務長官のビットコイン準備金に関する投稿のニュースが最も関心を集めた。
11:00
『守りの金(ゴールド) vs 攻めのビットコイン』資産配分における役割の違いを解説
相場暴落時に注目の集まりやすい金(ゴールド)とビットコインの比較を初心者にもわかるよう解説、インフレ耐性や政府の影響回避といった類似性と、安定性や価格変動要因の違いを比較、投資戦略や資産配分のポイントも提示する。
08/16 土曜日
13:45
トランプ一族支援のアメリカンビットコイン、日本・香港企業買収を検討
ドナルドJrとエリック・トランプ氏が支援する米仮想通貨マイニング企業アメリカンビットコインが、日本と香港の上場企業買収を検討中。マイケル・セイラー氏の戦略に倣い企業財務でビットコイントレジャリー企業を目指す。
13:18
仮想通貨取引所ジェミナイがIPO届出書公開 リップル社からの信用枠も設定
米仮想通貨取引所ジェミナイがナスダックへの上場申請書類を公開した。2025年上半期は純損失が拡大も、リップル社から信用枠も確保している。
11:20
ニューヨーク州議員、仮想通貨取引に0.2%課税法案を提出
ニューヨーク州議会のフィル・ステック議員が仮想通貨取引に0.2%の物品税を課す法案を提出。ビットコインやNFT取引が対象で年間1億5,800万ドルの税収を見込む。
10:15
米司法省、ランサムウェア攻撃容疑者から約4億円の仮想通貨を押収
米司法省がランサムウェア攻撃容疑者から280万ドル超の仮想通貨を押収した。トランプ大統領のビットコイン・仮想通貨準備金政策により、政府が備蓄資産に加える可能性もある。
09:50
ヒューマファイナンス、Eコマース販売者向け当日決済ソリューションを発表
ソラナ基盤のPayFiネットワークを運営するヒューマファイナンスがArf、Geoswift、PolyFlowと提携し、世界大手Eコマースプラットフォーム販売者向けの即時決済サービスを開始。
08:10
ETH財務企業ビットデジタル、25年2Qに黒字転換
ビットデジタルは2025年2Qの決算を発表。仮想通貨イーサリアムの保有量やステーキング量も報告し、今後もイーサリアムの買い増しを継続すると説明した。
07:30
DeFiデベロップメント、ソラナ保有量387億円相当に拡大
ソラナ特化型財務戦略企業DeFiデベロップメントが2200万ドルで11万SOL追加取得。総保有量142万SOLで1株あたり0.0675SOLに増加。
06:30
ビットマイン、186億円相当イーサリアムを追加取得
ETHトレジャリー企業ビットマインが過去2時間でギャラクシー・デジタルのOTCアドレスから大口ETH移転を受領。総保有量120万ETHから拡大継続。
06:00
イーサリアムトレジャリー企業シャープリンク、四半期決算で大幅赤字
仮想通貨イーサリアム財務戦略企業シャープリンク・ゲーミングが第2四半期決算で大幅赤字。ETHステーキングに関する8780万ドルの非現金減損が損失の大部分を占める。
05:35
米FRB、仮想通貨監督の特別プログラムを終了 トランプ政権の規制緩和受け
米連邦準備制度理事会が2023年開始の仮想通貨・フィンテック特別監督プログラムを終了し、通常監督へ統合。トランプ政権の規制緩和方針が牽引。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧