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バイナンスUS、Voyagerの買収を取りやめ 

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

予測不可能なビジネス環境

米暗号資産(仮想通貨)取引所「バイナンスUS」は25日、破綻した仮想通貨投資プラットフォームVoyager Digitalの資産買収を取りやめると発表した。

買収契約を取り消した理由についてバイナンスUSは、「米国の敵対的で不確実な規制環境」が、同国の実業界全体に「予測不可能なビジネス環境をもたらした」と批判している。

バイナンスUSから資産購入契約終了の知らせを受け取ったVoyagerは、「残念な展開だ」としながらも、連邦破産法11条(チャプターイレブン)により、顧客へ直接資産を返還するオプションに切り替えることが可能だと説明した。

私たちはこれから、この計画に沿った直接の配布を通じて、お客様に価値を還元するために迅速に行動します。

また、資産購入契約の条項により、バイナンスUSには、受領したVoyagerの全顧客情報の破棄と、顧客情報によって開設された口座の永久閉鎖・削除が求められると付け加えた。

米連邦破産法11条(チャプターイレブン)とは

日本の民事再生法に似た再建型の倒産法制度。経営を継続しながら負債の削減などを実施し、企業再建を行う。申請後に債権取り立てが停止され、債務者は負債の整理に取り組み、原則120日以内に再建プランを策定する。

▶️仮想通貨用語集

買収承認までの長い道のり

バイナンスUSによる1,300億円規模のVoyager買収劇には紆余曲折があり、直近では19日に米連邦政府が、Voyagerならびに債権者委員会と、買収を進める合意に達したばかりだった。

昨年7月に破産申請したVoyagerの資産は、同年9月にFTXの米国部門「FTX US」が落札していたが、その後FTXが破綻。Voyagerは同12月、再度の入札を経て同社の資産売却先にバイナンスUSを選定した。

今年3月7日、米連邦破産裁判所は、米証券取引委員会(SEC)の買収に対する異議申し立てを却下し、バイナンスUSによる資産買収を含むVoyagerの再建計画を承認した。

その直後、米司法省及びニューヨーク南部地区連邦検事局が、Voyager買収承認の裁判所の判断を不服として控訴。この契約条件では税法や証券取引法の違反を事実上免れることになると抗議した。

Voyager側は、契約履行の遅延により毎月13億円超(1,000万ドル)の費用がかかり、100万人以上の顧客が資産へのアクセスを阻まれていると指摘。また、バイナンスUSとの取引が完了しない場合、 Voyagerの顧客は約130億円(1億ドル)の損失を被ることになると訴えていた。

バイナンスUSとの資産購入契約では、4ヶ月以内に取引が完了しない場合、契約終了が可能という条件が設定されていた。

関連:米司法省ら、バイナンスUSのVoyager買収に異議

CFTCによるバイナンス提訴

米商品先物取引委員会(CFTC)は3月27日、大手グローバル取引所のバイナンスと同社のチャンポン・ジャオ(CZ)CEOらを提訴した。

CFTCは訴状で、バイナンスが意図的にCFTCに登録することなく、米国でデリバティブ取引サービスを提供していたと指摘。また、コンプライアンス対策を回避する方法を米国在住のユーザーに指示していたと主張している。

ツイッターでは、今回のバイナンスUSによるVoyager買収撤退は、この訴訟と関連があり、バイナンスが今後CFTCと和解するための条件の一部ではないかという意見が見られる。CZ氏はこのツイートに肩をすくめる絵文字で返答した。

関連:米CFTC、バイナンスとCZ氏を提訴 米国法違反の疑いで

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