はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米司法省ら、バイナンスUSのVoyager買収に異議

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Voyager買収に反対して控訴

米司法省およびニューヨーク南部地区連邦検事局は9日、暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスUSのVoyager Digital買収を承認する裁判所の判断を不服として、控訴状を提出した。

破産裁判所の判事は7日に、破綻した仮想通貨投資プラットフォームVoyagerの再建計画を承認。その一環として、バイナンスの米国版バイナンスUSのVoyager資産買収を許可したばかりだった。

現在のところ、控訴の理由は詳しく説明されていない状況だ。ただ、米司法省の連邦管財人事務所および連邦検事局の弁護士は、Voyager破産計画に関する公聴会で、一部条項に反対していた。

この条項はVoygerが盛り込んだもので、破産中の行為を理由とする法的な申し立てから、Voyagerの従業員を守ることを目的とするものである。

司法省らは、この計画を承認したMichael Wiles判事の命令が、保護範囲を広くできるような書き方だったことを問題視したものだ。もし後から、Voyagerの不正行為が発見された場合に、規制当局による強制措置や刑事告発を妨げる可能性があるとして反対していた。

一方で、Wiles判事は、Voyagerが裁判所の承認を得た上でバイナンスUSへの資産売却を実行したことで、Voyagerとその従業員が罰せられるべきでないとして、反対意見を退けている。

米証券取引委員会(SEC)も、バイナンスUSが「未登録の証券取引所である可能性がある」などとして買収に異議を唱えていた。Wiles判事は、この申し立てについても「証拠がない」として却下していたところだ。

関連米裁判所判事、バイナンスUSのVoyager買収を承認

顧客資金返却への道筋は

もし仮に、米国の当局が、バイナンスとVoyagerの取引を阻止した場合には、Voyagerには事業を解体し清算する可能性も残されている。

バイナンスUSによる買収では、顧客資金の返却についても期待されていたところだ。バイナンスUSは、Voyagerに現金約27億円(2,000万ドル)を支払い、Voyagerが顧客から預かった仮想通貨を引き次ぐことに合意している。

Voyagerの弁護士は、バイナンスUSが同社を買収することで、顧客預かり資産の73%を回収できると見積もった。また、Voyagerの債権者の97%がバイナンスUSとの取引に賛成票を投じている。

Voyagerは、昨年7月、仮想通貨市場の債務不履行連鎖の影響を受けて、チャプターイレブンで破産申請を行った。顧客は7月以来、プラットフォームに預けていた資産を引き出せない状況に置かれているところだ。

その後12月には、オークションの結果、バイナンスUSが最高価格の約1,400億円を提示して、Voyagerの資産を落札。現在は、裁判所による承認手続きの段階である。

米連邦破産法11条(チャプターイレブン)とは

日本の民事再生法に似た再建型の倒産法制度。経営を継続しながら負債の削減などを実施し、企業再建を行う。申請後に債権取り立てが停止され、債務者は負債の整理に取り組み、原則120日以内に再建プランを策定する。

▶️仮想通貨用語集

対米外国投資委員会の調査

米司法省らの申し立ての他、対米外国投資委員会(CFIUS)の調査も、この先取引のハードルになる可能性は残されている。

CFIUSは、バイナンスUSによる買収を、海外企業の米国への投資に関するリスクの面から調査中だ。現在のところは買収に異議を唱えていないが、調査結果次第では、取引を差し止める可能性もあるとしている。

バイナンスUS側は、同社は米国に拠点を置いており、親会社のグローバル版バイナンスからは「完全に独立している」と述べているところだ。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/19 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ビットコイン市場回復の鍵やリップル社の事業拡大など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、BNB、XRPなどの主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
13:55
金融庁、銀行の仮想通貨投資解禁を検討=報道
金融庁が銀行によるビットコインなど仮想通貨の投資目的での取得・保有を可能にする制度改正を検討しているようだ。銀行グループの仮想通貨交換業者登録も可能にし、個人投資家の環境整備を図る。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|バイナンスのユーザーへの救済金配布に高い関心
今週は、トランプ・ショックを受けた仮想通貨取引所バイナンスによるユーザー補償、メタプラネットの企業価値指標mNAVの低下に関する記事が最も関心を集めた。
10/18 土曜日
13:55
OneKeyが12万件のビットコイン秘密鍵脆弱性を報告、トラストウォレットに影響か
ワンキーがリブビットコイン・エクスプローラー3.xの脆弱性により約12万件のビットコイン秘密鍵がクラッキング可能になると報告した。トラストウォレットなど複数の製品が影響を受けている模様。
13:50
オープンシーが2026年1QにSEAトークン発行予定、供給量の50%をコミュニティへ配布
オープンシーCEOが2026年第1四半期のSEAトークン発行を発表した。総供給量の50%がコミュニティに配分され、収益の50%が買い戻しに使用される。ステーキング機能も実装予定だ。
13:05
G20、グローバルな仮想通貨規制の不足を指摘 ステーブルコインの課題も
国際的な金融監督機関FSBが、ビットコインなど仮想通貨の規制実施状況を評価する報告書を発表。各国規制の断片化と一貫性の欠如を指摘し、ステーブルコイン監督の課題も述べた。
10:55
著名ユーチューバー「ミスタービースト」、仮想通貨取引所商標を申請
登録者4億4600万人のユーチューバー、ミスタービーストが仮想通貨取引やDEX運営を含む金融プラットフォームの商標を申請した。バンキングや投資サービスも提供する計画だ。
10:05
決済大手ストライプ支援のL1チェーン「テンポ」、750億円を調達 イーサリアムOBが参画
ストライプとパラダイムが支援する決済特化型L1ブロックチェーン「テンポ」が750億円を調達した。評価額は7,500億円に達し、著名イーサリアム開発者も参画する。
09:30
スイス当局、FIFAのNFTプラットフォームを違法賭博として刑事告発
スイス賭博監督局がFIFAのブロックチェーン型NFTプラットフォームを違法な賭博サービスとして刑事告発した。参加に金銭的賭け金が必要で、賞金獲得が抽選で決まる仕組みが宝くじやスポーツベッティングに該当すると判断された。
08:35
オープンシーがNFT特化から事業転換、22チェーン対応の仮想通貨取引所に=報道
NFT市場の崩壊を経たオープンシーが、22ブロックチェーン対応のマルチチェーン仮想通貨取引アグリゲーターに転換すると報じられた。
07:45
アーサー・ヘイズのMaelstrom、仮想通貨企業の買収ファンドを計画
アーサー・ヘイズ氏は、仮想通貨企業をターゲットにした企業買収ファンドの構想があることを明かした。ファンドの規模は370億円超で、投資インフラや分析プラットフォームなどのサービスプロバイダーに特化する。
07:02
Huobi創設者が1500億円規模のイーサリアム保有企業設立へ、アジア投資家が参画
中国の仮想通貨取引所Huobi創設者リー・リン氏が、アジアの初期イーサリアム支援者らと10億ドル規模のデジタル資産信託を立ち上げる。ナスダック上場企業買収を交渉中で、2-3週間以内に発表予定だ。
06:40
米地方銀行の不良債権増加で金が大幅続伸、2023年破綻危機の再来懸念か
米地方銀行が不良債権を償却し株価が急落する中、金価格は今週7.34%上昇した。JPモルガンCEOが更なる問題発生を警告し、投資家は2023年の銀行危機再来を懸念している。
06:30
分散型エネルギー企業Daylight、a16zやコインベースなどから約113億円調達
DaylightがFramework Ventures主導で約113億円を調達。ブロックチェーン技術で分散型エネルギーネットワークを構築し、住宅用太陽光発電の普及を促進。a16z cryptoやCoinbase Venturesも参加。
06:20
金・銀が年初来60%超上昇、ビットコインは追いつけるか?
金の時価総額が30兆ドルを超え、年初来63%上昇した一方、ビットコインは14.5%増に留まっている。米中貿易緊張と金利低下が金の需要を押し上げ、ビットコインは調整局面にある。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧