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仮想通貨市場は19年9月以来の薄商い、DCGの債務問題など不透明感くすぶる

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マクロ経済と金融市場

22日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比140ドル(0.42%)安、ナスダック指数は62.8ポイント(0.5%)高で取引を終えた。

FRB(米連邦準備制度)の金融引き締めについて、利上げの一時停止観測が強まる中、タカ派で知られるセントルイス連銀のブラード総裁は22日、「年内あと2回は0.25%の利上げをすべきだ」として市場を牽制した。

米銀大手JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、米国の金利は現在の5%からさらに上昇し、最大7%にまで達する可能性があるとの見解を示している。当面は6月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)に関心が集まることになりそうだ。

債務上限問題を巡っては、バイデン大統領とケビン・マッカーシー米国下院議長が引き上げ交渉を継続しているが、依然として合意には至らず難航している。

ジャネット・イエレン財務長官は22日、「早ければ10日以内に米国がデフォルト(債務不履行)に陥るリスクがある」と改めて警告する書簡を発表した。

期限ギリギリまで交渉がもつれ込むようだと、過去の経験からも米国(国債)の信頼を揺るがしかねないからだ。

短期借入コストの急上昇や信用格付けの格下げにつながれば、米国外の金融・経済にも波及し、金融不安の燻る銀行など民間企業にも深刻な影響を及ぼすリスクがある。

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仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比1.3%高の27,020ドルに。

BTC/USD日足

上値を切り下げるなどテクニカル的な弱さを背景に急落を見込む弱気派の見立てに反した底堅い値動きも散見された。時価総額2位のイーサリアム(ETH)も前日比1.95%と反発しており、膠着状態にある。

市場参加者の関心低下に伴い、BTCやETHの週次取引高は、19年9月以来の過去最低水準に達するなど薄商いが続く。

資産運用会社CoinSharesの最新の週次レポートによれば、暗号資産(仮想通貨)投資商品の機関投資家の資金フローは、5週連続で3200万ドルの流出超過となっている。

CoinShares

主要取引所の出来高は週200億ドルまで減少し、2020年末以来の最低水準に達した。

銀行不安など信用収縮リスクが懸念される中、コロナ禍を経て海外勢の逃避資金が流れ込む東京株式市場とは対照的だ。

日本取引所グループ(JPX)のデータによれば、海外勢は日本株を7週連続で大幅に買い越し、その額は累計3兆円相当に。日経平均株価はバブル以来の33年ぶりの最高値を更新した。

ブルームバーグ・インテリジェンスのストラテジストであるマイク・マクグローン氏は、暗号資産(仮想通貨)市場の流動性の枯渇と金利上昇を背景に悲観予想を展開する一人だ。マクロ環境がさらに悪化した場合のシナリオでは、前回の強気相場の起点となった2019年の価格水準(1BTC=7,000ドル)までの下落もあり得ると悲観的な見立てを示す。

DCG、5月の債務払えずか

暗号資産(仮想通貨)取引所Geminiの声明によれば、債務超過で破綻した融資企業ジェネシス・グローバル・キャピタルの親会社であるデジタルカレンシーグループ(DCG)は、ジェネシスの債権を持つGeminiに対し、先週付け期限の債務である6億3000万ドルが未払いとなった。

関連:デジタルカレンシーグループとジェネシス、債務返済計画に破談の可能性浮上

裁判所に提出された資料によれば、ジェネシスは昨年破綻したベンチャーキャピタルThree Arrows Capital(3AC)の債務不履行や大手暗号資産取引所FTX破綻などの影響を受け、複数の債権者に350億ドル超の債務を抱えているとみられる。

Geminiおよび無担保債権委員会は猶予措置を検討しているが、デジタルカレンシーグループが事実上デフォルトに至ったとみなされれば、信用力低下により資金調達は一層困難となり、破産リスクが懸念されるところだ。

暗号資産(仮想通貨)業界の代表的なコングロマリット企業であるDCGが破綻すれば、債務整理の一環で関連企業グレースケールの投資信託「GBTC」などの資産売却に直面し、市場に広範な影響を及ぼすおそれが指摘される。

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