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米SEC、仮想通貨企業に対する訴訟で過ちを認めて謝罪

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

DEBT Box訴訟で過ちを認める

米証券取引委員会(SEC)は21日、ユタ地区の連邦地裁に法廷書類を提出し、その中で暗号資産(仮想通貨)企業Digital Licensing Inc. (通称DEBT Box)に対する訴訟で不正確な発言があったと認めた。

その一方で、DEBT Boxの資産は依然として凍結されるべきだとも主張している。SECは、DEBT Boxが実際のマイニング作業を行っていないにもかかわらず、仮想通貨マイニングから収益を受け取れるとする「ノードライセンス」という名前の有価証券を顧客に提供していたと申立ているところだ。

背景としてSECは、今年7月にDEBT Boxに対して、未登録証券を販売して投資家から合計72億円超を詐取したとして提訴。同社に対し、暫定的差し止め命令(TRO)の発動を求める申請書を提出していた。

しかしその後、裁判所はSECが「誤解を招く」証拠を提示していた可能性があるとして、差し止め命令を取り消した。また、SECに制裁を科す可能性も念頭に置いて、SECに説明を求めていたところだ。

関連「証拠不十分で仮想通貨企業を提訴した疑い」米連邦判事、SECに理由開示命令を下す

今回、SECは次のように過ちを認めて謝罪している。

SECの弁護士は7月28日の公聴会で、当時はそれと知らずに不正確なことを主張していた。また、この弁護士は、その発言内容が不正確であると知った後も訂正しなかった。

さらに、SECの弁護士は、その表明の一部が、SECにより直接裏付けられた事実を根拠とするものではなく、それまでに把握された事実からの推論であったということを明確にしていなかった。

SECは、裁判所の懸念を真摯に受け止め、これらの誤りを深く反省している。

SECは、改善措置についても方針を示した。今回の事件をこの先監督するためにSECデンバー地方事務所の上級弁護士を任命している。

また、職員に対して「正確さや誠実さ、不正確な事項が判明次第すぐに修正する」ことについてのトレーニングを執行部門全員に対して義務付けるとも述べた。

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問題の発言の詳細

SECのマイケル・ウェルシュ弁護士は7月、「確かな数字は手元にはない」と留保しつつもDEBT Boxが過去48時間で約33の銀行口座を閉鎖したという旨の発言を行っていた。DEBT Boxが投資家の資金を海外に移転しようとしている証拠として述べた格好だ。

しかし、これにDEBT Boxは9月に反論。ウェルシュ弁護士が言及した7月には口座閉鎖は行われていないとして、23年1月までに13の口座が閉鎖されたことを示す文書を提出した。

さらに、閉鎖はDEBT Boxではなく銀行側によって行われたものであるとも指摘している。

これを受けて裁判所は、SECが虚偽及び誤解を招くような表明を行なったことは、民事訴訟規則第11条への違反ではないかとしてSECに説明を求めていた形だ。

この点についてSECは今回、法廷を誤解させる意図はなく、裁判所が制裁を科すほどの違反には当たらないと主張している。

ゲンスラー委員長発言に業界が猛反発

SECのゲーリー・ゲンスラー委員長は21日、Xにビデオメッセージを投稿し、仮想通貨業界では世界的にコンプライアンス違反が蔓延していると話した。

これに対して、リップル社CEOも含め仮想通貨関係者が反発。米コインベースなど仮想通貨企業は明確な規制を望んでいるが、SECはそれを提供してこなかったなどと指摘する声も挙がっている。

関連ゲンスラーSEC委員長の警告に仮想通貨業界が反発、リップルCEOも批判に参加

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