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野村のLaser Digital、新たなトークン化プラットフォーム「Libre」を発表 大手投資企業Brevan HowardとHamilton Laneが戦略的提携

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

機関向けWeb3インフラ

野村ホールディングスのデジタル資産子会社「Laser Digital Holdings」は10日、Web3企業支援ハブ「WebN」とともに、機関投資家向けのWeb3インフラ「Libre」を立ち上げると発表した。

私たちの新プロジェクト「Libre」は、現在ステルス状態を脱し、プライベート・マーケットにおけるRWA(現実資産)を引き受ける準備を進めている。(Laser Digitalベンチャー部門トップ:Olivier Dang氏)

Libreは、規制に準拠したオルタナティブ投資の発行と管理を目的に設計されたWeb3インフラ。ポリゴンのチェーン開発キット(CDK)を使用して構築されたプラットフォームでは、金融機関がイーサリアムのセキュリティを活用し、独自のL2ブロックチェーンでトークン化された資産を作成し、発行することが可能になる。

Libreはトークン化とスマートコントラクトを利用することによって、効率的な投資執行とライフサイクル管理を可能にするとともに、担保融資やポートフォリオの自動リバランスなど、付加価値サービスの提供も視野に入れているという。

Libreは、今年第1四半期にサービスを開始する予定で、大手オルタナティブ投資運用会社Brevan Howardと大手プライベート・マーケット投資運用会社Hamilton Laneが、Libreとの戦略的提携に合意しており、最初のトークン化ファンドの発行機関となる。

RWAとは

「Real World Asset(現実資産)」の略。ブロックチェーン上でトークン化されるRWAには不動産、アート作品、トレーディングカード等の実物資産、株や債権等の有価証券などが含まれる。

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関連:野村、仮想通貨ベンチャーキャピタルをローンチ

Libreの創設者

Libreの創設者でCEOのAvtar Sehra氏は、2014年から証券及び現実資産(RWA)のトークン化の取り組みを先駆的に行った人物で、トークン化とワークフロー自動化プラットフォーム「Nivaura」を設立した背景をもつ。Nivauraは英国の金融行動監督機構(FCA)からブローカー・ディーラーおよびカストディライセンスを取得した初のプラットフォームとなった。

Sehra氏は、「Libreは分散型金融(DeFi)の成果からひらめきを得ており、当初から完全な分散化を目指している」と語る。発行者と販売業者が、他のプラットフォームを介さずに、完全にオンチェーンでの取引を可能にすることを目指している。

トークン化に関して、Libreはファンド事業者から手数料を取らない方針で、事業運営には、2024年後半から開始予定の融資及びSMA(セパレートリー・マネージド・アカウント)事業からの収益を充てることを予想しているという。

私たちのMVP(実用最小限の製品)の目標は、プライマリー発行サービスを開始し、販売業者との統合を推進することによって運用資産を増加させることだが、富のAPIの未来を構築するため、担保付き融資や自動化されたポートフォリオのリバランスを含む2024年の製品ロードマップに、パートナーや顧客と緊密に取り組んでいる 。

成長が期待されるトークン化市場

ボストン・コンサルティング・グループによると、2030年までに現実資産のトークン化市場は数兆ドルの市場規模に達する可能性があると言われており、昨今は伝統的金融大手によるRWAのトークン化に取り組む動きが活発化している。

また、シティグループは、トークン化市場が2030年までに720兆円(5兆ドル)規模に成長する可能性があると推定している。

米コンサルタント企業Bain & Companyは、トークン化はオルタナティブ投資のアクセスを大幅に改革し、同業界に年間58兆円(4,000億ドル)の収益をもたらす可能性があると主張する。

世界で個人投資家が保有するのは約150兆ドルと推算されているが、オルタナティブ投資はその複雑さゆえに、その資産の5%しか割り当てられていないと、同社は指摘した。

Libreは、ファンドや投資アドバイザーにサービスを提供することで、この富裕層の資産を取り込むことに注目しているとみられる。

Libreは、世界有数のオルタナティブ資産運用会社やウェルス・アドバイザーと提携し、富裕層投資家に世界のオルタナティブ市場への比類ないアクセスを提供します。

関連:現実資産トークン化に投資家の関心が集まる理由、リアルワールドアセット(RWA)とは

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