はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨、規制とイノベーション促進のバランス|IMFの最新経済報告書

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

IMFの「世界経済見直し」報告
国際通貨基金(IMF)が新たな経済報告書を発表し、サイバーセキュリティーの重要性と仮想通貨に対する世界基準の規制の必要性を強調した。
IMFとは
国際通貨基金(International Monetary Fund,IMF)は、国際金融、並びに、為替相場の安定化を目的として設立された国際連合の専門機関である。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

IMFの経済報告

国際通貨基金(IMF)は本日、最新の「世界経済見直し(WEO) 」報告を発表した。

今回のWEOのテーマは「安定な経済成長に対するチャレンジ」であり、以下が原文要旨となる。

「2016年半から続く安定した回復基調は今後も継続し、2018から2019年にかけての世界経済の成長率は、2017年と同じ水準を維持すると予測される。しかしその一方で成長にばらつきが見られるようになり、一部の主要経済国ではすでに成長率がピークに達した可能性がある。世界経済成長に対する下振れリスクが過去6カ月の間に強まっており、予期せぬ上振れの可能性は遠のいている。」

そして同じ報告書の『金融的不安状態』と題された部分では、

重要な金融インフラに対するサイバーセキュリティ違反とサイバー攻撃は国際間送金システムを損ない、商品とサービスの流動を妨害しうるため、より多くのリスクを伴う要素となる。

暗号資産の継続的急成長は国際金融システムに新たな脆弱性をもたらしかねない。

と仮想通貨に対して警鐘を鳴らした。

出典:IMF

以上の内容はIMFが以前から示していた仮想通貨の世界進出に対する慎重な姿勢と一致しており、法定通貨に対する需要の減少と世界基準の法的規制を暗示していると思われる。

また、今回の警告が初めではなく、先週掲載された「国際金融安定性報告」でも、2008年に始まった世界金融危機が10年の節目を迎えた現在、経済的発展は顕著でありながらも、

規制監督当局は新たなリスクへの備えを怠ってはならない。サイバーセキュリティ、フィンテック、通常の健全性監督の対象から外れた組織や活動から生じる金融不安定化のリスクにも目を向けていく必要がある。

と記述してあり、つまりいまだ規制一貫性が欠如している仮想通貨・ブロックチェーン業界に対する警戒を示している。

IMFは仮想通貨の敵ではない

金融リスクの面においては、IMFはフィンテック全般に対して、慎重さを保つ一方、規制の面においては、IMFは昨年の報告では、

規制当局はこのような急激な変化において、安定と効率のバランスを慎重に保たなければならない。サイバー攻撃やマネーロンダリングのようなリスクを管理しながらイノベーションの育成を推進する必要がある。

とも言及した。

さらに、以前コインポストでも報じたように、今年の4月にはIMFの専務理事であるLagarde氏がブログを通じて、インドや、パキスタンを含む、最近の中央銀行の仮想通貨に対する敵対心に疑問を抱き、以下のように主張した。

政策立案者は、リスクを最小限に抑え、創造性のある過程を尊重する公平な規制の枠組み作成に向けて取り組んでいくべきだ。」

先月には、イギリスの財務省は仮想通貨業界のことを『西部開拓時代』と例え、最低限の法的規制(消費者保護とマネーロンダリング対策)の必要性が差し迫っており、FSA(イギリスの金融庁)に置くべきだと呼びかけたこともある。

CoinPostの関連記事

IMF:世界中央銀行へ仮想通貨の公平な規制を呼びかけ|年次総会でも仮想通貨が議題に
国際通貨基金(IMF)の専務理事であるLagarde氏は、最近の中央銀行の仮想通貨に対する過度の対応に疑問を抱き、現実的な脅威と杞憂を区別する必要性を主張し、より公平な視点を持つことが大切であると述べています。
国際通貨基金:マーシャル諸島の「ソブリン」仮想通貨は計画中止せよ
米ドルを基軸通貨とする同国は、仮想通貨「ソブリン」を発行することで、米ドル強依存からの脱却を図るが、IMFは計画の危険性を指摘する。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/30 火曜日
14:00
米カリフォルニア州の超富裕層への「5%資産税」に業界猛反発 仮想通貨起業家流出の懸念も
米カリフォルニア州で純資産10億ドル超の富裕層に5%課税する提案が行われ、Kraken創業者やBitwise CEOをはじめとする仮想通貨・テック業界リーダーが強く反発し、警告を発した。株式、不動産、仮想通貨などを対象とし、未実現の含み益にも課税される点が問題視されている。
14:00
コインベース・ベンチャーズが注目する2026年の仮想通貨4大トレンドとは
米最大手コインベースの投資部門コインベース・ベンチャーズが2026年に積極投資する4分野を発表した。RWA永久先物、専門取引所、次世代DeFi、AIとロボット技術など、次のブレイクアウトが期待される仮想通貨領域について紹介。
12:32
ビットマイン、イーサリアム買い増し 独自のステーキング・インフラも準備中 
ビットマインの仮想通貨イーサリアム保有量が411万枚に到達した。年末の価格下落を好機と捉え買い増しを行っている。2026年には独自ステーキング基盤も公開予定だ。
10:00
2025年の仮想通貨市場を重要ニュースから振り返る
2025年は仮想通貨を支持するドナルド・トランプ氏が米大統領に就任し、相場は米国の動向から大きな影響を受けた。本記事では、ビットコインの最高値更新など1年間の重要ニュースを振り返る。
09:50
仮想通貨投資商品、先週700億円超の純流出 XRP・ソラナは好調維持=CoinShares
仮想通貨投資商品から先週700億円超が流出した。CoinSharesは投資家心理がまだ完全に回復していないと分析した。一方で資産別ではXRPとソラナへの流入は好調だった。
12/29 月曜日
14:23
ビットコインは持続的上昇局面に?4年サイクル論争と機関投資家の影響力
Bitwise CIOマット・ホーガン氏が「ビットコインの4年サイクルは終焉し、持続的上昇局面に入った」と主張した。ハーバード大学など大手機関がBTCを保有し、個人投資家から機関への資産移転が進行。ボラティリティ低下の理由と、「階段を上りエレベーターで降りる」値動きパターンを専門家2人が詳しく解説。
13:35
AIや仮想通貨のショッピング活用進む Z世代が牽引か=Visaレポート
決済大手ビザの調査で、ショッピングにAIツールや仮想通貨を利用する消費者が増加していることが判明。特にZ世代が牽引していた。ステーブルコイン送金への関心も高まっている。
09:44
スベルバンク銀、ロシア初の仮想通貨担保ローン発行
ロシア最大の銀行スベルバンクが同国初の仮想通貨担保ローンを発行した。ビットコインマイニング企業に融資し、デジタル資産担保の仕組みを検証している。
12/28 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、MTGOXハッキング容疑者関連のBTC送金やearnXRPローンチなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン年末相場、値頃感から買い戻し期待も|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコインは方向感に欠け1400万円周辺で推移。26日のオプションカット通過後の動向が注目される。底入れには12月高値9.4万ドルの回復が条件だが、割安感から買い戻されやすいとbitbankアナリストが分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本居住者向けサービス終了発表に高い関心
今週は、大手仮想通貨取引所Bybitの日本居住者向けサービス終了の発表、仮想通貨市場の調整局面、日銀の植田和男総裁の講演に関する記事が関心を集めた。
12/27 土曜日
14:00
ジーキャッシュのシールドプール供給シェアが23%で安定、プライバシー採用が定着
仮想通貨ジーキャッシュのシールドプール供給の市場シェアが2025年初頭の約8%から23%前後で安定している。プライバシー採用指標は依然として安定しておりプライバシー保護取引への持続的な関心を示している。
13:25
金融庁、仮想通貨ETFの導入に向けた税制改正──暗号資産取引の課税見直しと新たな可能性
金融庁が2026年度税制改正の資料を公開した。暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などについても挙げられた。
11:10
KLab、ビットコインとゴールドを購入開始 「岐路に立つBTC」と分析
東証プライム上場のKLabが25日にビットコインとゴールドの購入を開始。AIを活用した市場分析レポートの不定期発刊も開始した。
10:05
ミームコイン市場は2025年に60%下落、「TRUMP」発行から始まった一年を振り返る
ミームコイン市場は2025年に60%下落した。トランプ氏による独自仮想通貨「TRUMP」発行や、ドージコインETF誕生など変化の激しかった一年を解説する。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧