預託証書トークン「DRUST」発売
イーサリアム(ETH)上でリアルワールドアセット(RWA)トークンの取引プラットフォームを展開するDigiFTは25日、米国財務省短期証券の受益所有権を表す、初の預託証書トークンをリリースしたと発表した。
預託証書(DR)とは一般的に、外国企業の株式を取引するために使われるものだ。資産に直接投資せず、それらの資産の所有権や収益の一部を間接的に取得する手段として機能する。
預託証書を発行する金融機関が資産を預かり、それに対応する証書を発行する仕組みだ。
リリースされた預託証書トークン「DigiFT U.S. Treasury Tokens(DRUST)」はAA+格付けの流動性の高い短期米国財務省短期証券によって直接裏付けられている。
機関投資家や認定投資家は、いつでも法定通貨またはステーブルコインを利用して、承認されたセルフカストディ・ウォレットから「DRUST」にアクセスすることが可能だ。
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RWAとは
「Real World Asset(現実資産)」の略。ブロックチェーン上でトークン化されるRWAには不動産、アート作品、トレーディングカード等の実物資産、株や債権等の有価証券などが含まれる。
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法的枠組みを明確化
DigiFTは、今回のトークンの意義を次のように説明した。
預託証券(DR)の構造をオンチェーンに展開することで、リアルワールドアセット(RWA)トークン化に関する重要な市場課題、つまり「トークン」を正確に実行できる確固とした法的枠組みが欠如しているという問題に対処することが可能となった。
DigiFTは、現在流通しているRWAトークンの大部分は、原資産を保持または反映するフィーダーファンドやデリバティブ商品への利益を表すラップドトークンであり、法的に複雑で、投資家が理解することが難しいと続けた。
トークン所有者に対して、投資している資産の直接的な受益請求が制限されている場合も多いとしている。
一方で、今回DigiFTの預託証書トークンでは法的枠組みが理解しやすくなっていると述べた。「DRUST」は原資産証券の部分的な受益権を表し、投資家は原資産によって生み出される利益を法に基づいて請求することができる。
DigiFTは2021年にシンガポールで設立された。規制されたオンチェーンRWA取引所であり、資産所有者はブロックチェーンベースのセキュリティトークン(ST)を発行可能だ。また、投資家は自動マーケットメーカー(AMM)により流動性が維持された環境で取引できる。
CoinGeckoのデータによると、RWAトークンの時価総額は過去24時間で28.6%増加し約73億ドル(約1,100億円)に達したところだ。
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