RWAのトークン化事例
米資産運用企業Superstateは1日、ファンドをトークン化した金融商品「Superstate Short Duration U.S. Government Securities Fund(USTB)」を発表した。
USTBは暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のブロックチェーンを活用して運用し、米国の適格購入者にのみ提供する。この金融商品は、最終的に複数のパブリックブロックチェーン上に規制の認可を受けた一般向けファンドをローンチするための最初の一歩であると説明した。
Superstateはブロックチェーン技術を活用し、世界の資産をトークン化して、投資を近代化することに取り組んでいる。昨年11月には、米国の投資家がアクセスできるオンチェーンファンドを開発するため、シリーズAラウンドで1,400万ドル(当時のレートで約21億円)を資金調達したと発表していた。
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USTBは米国の短期の国債と政府機関債に投資して運用する。運用のターゲットにするのはフェデラル・ファンド・レート(現在は5.25-5.5%)。ファンドの手数料は0.15%である。
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購入や償還は実際には米ドルで行われるが、取引を円滑に行うためにステーブルコイン「USDC」を活用。また、将来的には一定の制限の下で、P2P形式の取引をできるようにする計画があるとも説明した。
USTBのカストディには柔軟性を持たせた。投資家はブロックチェーン上のアドレスで自身で管理を行うセルフカストディを選択したり、Anchorage DigitalやBitGoをカストディアンとして利用したりできるという。
SuperstateのRobert Leshner CEOは「CoinDesk」に対し、次の戦略は決めていないとした上で、NasdaqやS&P500の指数に連動したファンドやゴールド(金)の価格に連動したファンドの提供を検討していると明かしている。
RWA市場の成長
今回のUSTBのように、現実資産(RWA)への投資機会をトークン化した金融商品はブロックチェーンのユースケースとして注目を集めている。例えばバイナンスは先月、今後1年間に大きな進歩が期待される分野の1つにRWAのトークン化を挙げていた。
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RWAとは
「Real World Asset(現実資産)」の略。ブロックチェーン上でトークン化されるRWAには不動産、アート作品、トレーディングカード等の実物資産、株や債権等の有価証券などが含まれる。
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米国での金利上昇を受け、国債のトークン化市場は特に需要が高まっている。「rwa.xyz」のデータによれば、トークン化した国債を扱う市場規模は8.6億ドル(1,260億円)。以下のグラフのように昨年1月から市場は成長を続けている。
利用されているブロックチェーンのシェアはイーサリアムが50%以上を占め、その後を追うのがステラ(XLM)。そしてポリゴン(MATIC)、ソラナ(SOL)が続いている。
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