仮想通貨市場の流動性
暗号資産(仮想通貨)の分析を行うCryptoQuantでリサーチ部門を率いるJulio Moreno氏は「The Block」に対し、中央集権型取引所(CEX)へのステーブルコインの純流入が増加していると説明した。The Blockが1日に報じた。
Moreno氏は、ステーブルコイン全体の時価総額が今年最高額に達しており、特にUSDTのCEXにある数量が225億ドル(約3.2兆円)分まで増えて過去最高水準にあると指摘。そして、仮想通貨相場の上昇には、ステーブルコインの時価総額が上昇し、流動性が高まることが重要であると述べている。
ステーブルコインとは
価格が常に安定するように設計された仮想通貨のこと。法定通貨または仮想通貨に価値が裏付けられていたり、アルゴリズム等で価格を安定させたりする様々なステーブルコインが開発されている。
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以下の画像はCryptoQuantが提供しているグラフ。イーサリアム(ETH)のブロックチェーン上にあるUSDTがどのくらいCEXにあるのか、数量の推移を示している。このグラフから、9月30日時点で225億ドル分のUSDTがCEXにあることがわかる。
取引所にあるステーブルコインの数量やステーブルコインの発行量が相場の予想に役立つことはMoreno氏以外のアナリストらもこれまで指摘してきた。Moreno氏は今回The Blockに対し、ステーブルコインの時価総額は、ビットコイン(BTC)の価格とプラスに相関する傾向にあるとも述べている。
純流入の重要性
CryptoQuantでは9月30日、ステーブルコインの取引所への純流入額が、9月はビットコインの価格に相関していたことを示す投稿も行われた。
この投稿では「ステーブルコインは仮想通貨市場における血液のような存在」と述べ、特に相場上場時にはステーブルコインの時価総額の上昇が燃料になると指摘。一方で、時価総額が上昇するだけでは十分ではなく、取引所に純流入することが相場上昇には必要だと説明している。
そして、9月はビットコイン価格とステーブルコインの取引所への純流入額の間に高い相関が見られたと指摘。この投稿者は「私は現在は、ステーブルコインの取引所への純流入額が、ビットコインの価格予想の材料になりうると考えている」と述べている。
ステーブルコインについては、10xリサーチのMarkus Thielen CEOも、9月26日に公開したレポートで、発行量が増えて市場の流動性が高まっていることに言及。100億ドル(1.4兆円)相当のステーブルコインが市場に流入し、ビットコインETFのフローを大幅に上回る勢いで流動性を高めたと報告していた。
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